昭和の軍人総評① 山下奉文大将
※「戦史に学ぶ勝敗の原則」読み終えて超まとめ
からの続き
「戦史に学ぶ勝敗の原則」のまとめが続く。
書の後半となる第二章は、歴史上の偉大な軍人たちを13人取り上げ、独自の視点で評論するというもの。織田信長、諸葛孔明なども含まれるが、ここは太平洋戦争時に絞ることにして、まずは「山下奉文(ともゆき)大将」からだ。
■太平洋戦争における、最も著名な陸軍将官のひとり
まずは何と言っても、開戦と同時に開始されたマレー作戦で英軍に電撃的な勝利を収め、難攻不落とされていたシンガポールを占領、「マレーの虎」と賞される
この作戦は、戦略性と統率力が評価され、「20世紀における最も見事な軍事作戦のひとつ」といわれる
部下には厳格だったり「コワモテ感」満載なイメージだが、意外にも規律や責任をわきまえる紳士の一面も
■称賛される一方で、批判される面も多々あり
戦争後半、フィリピン方面の司令官司に赴任するが、多くの現地民間人や日本兵が犠牲になり、批判される
他にもバターン死の行進、マニラ大虐殺などの残虐行為における司令官だったとして、戦犯・絞首刑となる
■総合評価としては「英雄」と「戦犯」の間で揺れる
すでに述べたように、軍事的能力や結果を出す行動力、統率力は高く評価されるものの、人道的な部分で、司令官としての戦争責任を重く問われる、という一面もあり、人によって、見方によっても、評価が分かれる
文献によると、これまた意外にも敵国捕虜に対して配慮が行き届いていたなどという面があるとか
戦犯として裁かれる際も冷静で、「戦争の責任は我々司令官にある」との潔さもあるようで、個人的には、人命を軽く扱う他の司令官たちとはちょっと違うのかな、という印象を持つが、さて実際はどうだったのだろうか
■山下大将は「孫子の兵法」を重んじていたという記述が
「正を以て合い、奇を以て勝つ」...まずは正当な手段で戦い、その後奇策で勝利を収めるという方法論だ
「激水の疾くして石を漂すに至る者は勢なり」...激しい水の流れのような「勢い」と「瞬発力」が重要だ
「利を以てこれを動かす」...敵に有利なエサを与えるフリをしておびき出す、そして打撃を加える作戦
...理解不能な軍人が多い中、まともなほうだと吾輩は思うのだけれど。
昭和の軍人総評②
杉田一次中佐 に続く
