「戦史に学ぶ勝敗の原則」読み終えて超まとめ
前述の「最強の米軍司令官 C.W.ニミッツ提督シリーズ」を書くきっかけになった「戦史に学ぶ勝敗の原則」なる書物を読み終えた。
著者は、故・土門周平氏という軍事史研究家で、ご自身も太平洋戦争終戦時には陸軍大尉という位の軍人だったそうで。
単なる評論家と違って実体験が伴っているせいか、やたら細かく生々しいが、随所に刺さる言葉が散りばめられている。
1回読んだだけではなかなか頭に入らず、せっかくだからここに要点だけまとめてみようかと。
まずは第一章だ(といっても、二章までしかない)。
「勝敗の本質を読む」と題されていて、前半は主に“勝てるリーダーの資質”について、そして後半には「敗北とは何か」という、このお方の哲学めいたものが論ぜられている。
この中で吾輩が抑えておきたいと思った「太平洋戦争で日本が敗北した原因」について簡単に整理してみたい。
かの歴史的名書「失敗の本質」と共通のテーマではあるが、この書なりのまとめ方はとても参考になる。
(1)出発点からボタンの掛け違いがあると絶対勝てない
「ボタンの掛け違い」とは、当時の憲法が原因で「日本の陸軍と海軍がバラバラに統制されている」ことを指す
情報共有ナシ、ケンカばかりで、これは最後まで解消されなかった
(2)政治に妥協はアリだが、軍事に妥協は絶対ナシ
これも陸軍・海軍に関わる話だが、敗因のひとつに、このふたつの軍における「戦略思想」の違いが挙げられている
めちゃまとめると、陸軍は「南方で資源を確保して、長期持久戦で戦う」、海軍は「米軍艦隊をさっさとボコボコにして、早期講和に持ち込む」
...結局大本営はこれの折衷案を指導大綱とし、東条首相ですら「なんじゃこりゃ? 意味不明」とほざいた
(3)たいした検討もせず、先入観だけで意思決定するな
細かな説明は割愛するが、フィリピン島攻略、インパール作戦、サイパン防衛あたりを例に、「たぶんこうすりゃ勝てんじゃね?」的な、ようは頭の悪い作戦でボロ負けしたというようなことが書かれてある
そもそも暗号解読やレーダー探知などを軽視している時点で勝てっこない、とも書かれている
(4)目前の戦況だけを追いかけ、本質を見失ったらダメ
ガダルカナル島での敗因が例に挙がっている
海軍作戦課から「飛行場奪回はムリ」との調査報告が出ているのに、「国軍決戦の場だ!」とそれを無視して完敗、これが尾を引く
...ということで、超短くまとめたが、このあとは、本書のメインともいえる、軍人たちの総評へと続きます。
昭和の軍人総評① 山下奉文大将 に続く
