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「現場視点で解説」BIMのメリットと導入の難しさ【中小建設企業のためのBIM解説その②】

建設業で働く皆さん、今日もお疲れ様です!

突然ですが皆さんはBIMに対してどんなイメージを持っているでしょうか。「BIMは大手がやるもので、まだまだ自分たちには関係ない話…」と感じている方も多いのではないでしょうか。

先週の記事では、建設業でよく聞く「BIM」とは結局どういうものなのか、またCAD・3DCADとの違いは何なのかを解説してきました。

今回の記事では、BIMの本質的なメリット・デメリットとは何なのかについて解説します。
今回の記事を通じて、「BIMは一部の大手企業が使う高度な設計ツールではなく、中小建設会社までつながって初めて価値を発揮するものだ」ということをぜひ感じて頂きたいです。

前回の記事と併せてお読みいただくことで、BIMの全体像をより深く理解できる内容となっています。ぜひ最後までご覧ください!



BIMとは何か【前回記事のまとめ】


BIMはただの3Dモデルではありません。簡単に言えば、「建物に関する情報を一つに集約させるモデル」がBIMです。

また、BIMは形状情報と属性情報でできており、これらの情報が組み合わさってモデルが生まれています。


BIMを取り入れるべき本質的な理由

BIMについて知ると、「何となく便利そう」という印象を持つ方も多いのではないでしょうか。では、BIMの本質的な便利さとは、一体どこにあるのでしょうか。

建設業の特性

建設の難しさの一つとして、「まだ存在しないものの完成図を想像する必要がある」という点が挙げられます。さらにその完成図を「大量の関係者の中で共有しなければならない」というのも、難しさを高める一因にもなっています。

現場ではしばしば、施工後のやり直しや設計変更など、手戻りが発生します。これは施工能力だけの問題ではなく、「各関係者の完成図に対する認識のズレ」によって生まれることが多いです。

このズレを最小化していくことによって、作業は今まで以上にスムーズに進んでいきます。

「情報の分断」を無くすためのBIM

そもそも認識のズレは「情報の分断」によって起こります。
設計変更で壁の位置が変わったのに、設計者のBIMは最新版、現場の図面は一つ前、協力会社が持っているPDFはさらに古いまま..同じ建物をつくっているのに、それぞれが違う情報を見ている。これが「情報の分断」です。

BIMの価値とはこの情報の分断を無くすことにあります。
設計で生まれた情報を、施工やその先の工程まで途切れさせずにつなげることができ、変更があった際は即時にモデルに反映できる。その結果、関係者が常に同じ情報をもとに判断できるようになり、確認の手間や認識のズレ、手戻りを減らすことができます。


BIMを取り入れることの難しさ

BIMのメリットを見ると、「それなら積極的に導入すべきでは?」と感じる方も多いはずです。しかし実際には、メリットだけでは語れない現実的なハードルも少なくありません。

業務プロセスから見た問題

BIMを導入したとしても、旧来の成果物・契約・承認フローをすべて維持したままだと、かえって手間が増えてしまう可能性があります。

例えば、①図面を書く ②PDFを渡す ③相手がそのデータを利用するというプロセスを踏んでいたとします。

BIMを利用して最終的に目指すのは、①BIMモデルを作る ②下流工程までがそのデータを直接使う、という世界です。

ところが現実には、①BIMモデルを作る ②そこから2D図面を作る ③PDFで納品する ④相手がそのデータを利用する、という形になりがちです。

これだと新しい「BIMモデルを作る」という仕事が一個増えただけになってしまい、「BIMってむしろ面倒じゃない?」と感じる要因にもなります。これはBIMそのものの問題というより、BIMを使いながら旧来の成果物・契約・承認フローを全部維持していることに問題にあります。


導入コストの問題

BIMの導入には、ソフトウェアの利用料だけでなく、PC環境や人材育成、既存図面のBIM化など、さまざまなコストが発生します。特に中小建設会社にとっては、BIMを導入したことでどれだけ利益が生まれるのかが見えにくい中で、先に投資だけが必要になる点が大きなハードルになります。

さらに難しいのは、BIMを作るためにコストを負担する会社と、その恩恵を受ける会社が必ずしも同じではないことです。

例えば設計会社が時間と費用をかけてBIMモデルを整備しても、その効果が大きく出るのは施工会社の積算や現場管理、その先の維持管理であることもあります。

つまり、プロジェクト全体では得をしていても、BIMを作った企業単体では投資を回収しにくいケースがあるのです。


③BIMのネットワーク効果について

BIMは、「みんなが使うほど価値が増える」構造を持っています。例えば、自社だけBIM化しても、協力会社が2D、メーカーがPDF、発注者がExcel、現場が紙なら、結局それぞれの過程においてデータの変換作業が残ります。

つまり、BIMの効果を最大限に発揮するためには、自社だけでなく、プロジェクトに関わる企業全体がBIMの情報を活用できる状態が必要です。

「みんなが使えば便利になる。しかし、みんなが使っていないから導入しづらい。」このジレンマこそが、BIMが持つネットワーク効果であり、普及を難しくしている理由の一つです。


おわりに | これらの課題を乗り越えるために

では、これらのBIM導入への壁を、どう乗り越えていけばよいのでしょうか。

現在、国もBIMの普及に向けて、標準化や制度整備などさまざまな取り組みを進めています。次回は、国がBIMをどのように普及させようとしているのかを整理したうえで、「BIMを中小建設会社まで広げるために本当に必要なことは何か」を独自の視点から考えていきます。


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