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BIMって結局何?CAD・3DCADとの違いもやさしく解説【中小建設企業のためのBIM解説その①】

はじめに

建設業でBIMという言葉を耳にする機会は増えました。
一方で、「BIMは大手だけがやるもの」「導入にはお金がかかる」「モデルをつくる手間が増えて、結局工数の削減はできないのでは」と感じている方も多いのではないでしょうか。

特に、日々の業務に追われる現場では、新しいツールを導入する余裕がない、使いこなせる人がいない、といった不安もあります。では、BIMは本当に一部の大手企業だけのものなのでしょうか。

そこで今回は、BIMとはそもそも何なのか、CADや3D CADとは何が違うのかを、できるだけシンプルに解説します。



そもそもBIMとは?

BIMとは、Building Information Modelling(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の略です。

国土交通省は、BIMについて次のように説明しています。

コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステム。

出典:国土交通省・建築BIM推進会議『建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第3版)』令和8年3月31日

ただ、これだけでBIMの全体像を理解するのは少し難しいかもしれません。
ここからは、BIMとは具体的にどのようなものなのか、初めての方にもイメージしやすいように、ひとつずつわかりやすく解説していきます!


「形状情報」と「属性情報」って何?


BIMを理解するうえで重要になるのが、「形状情報」と「属性情報」という2つの情報です。

形状情報
建物や部材の形や位置を表す情報です。例えば壁であれば、高さや長さ、厚さ、どこに配置されているのかといった情報がイメージしやすいでしょう。

属性情報
その建物や部材が「どんなものなのか」を表す情報です。国土交通省はBIMの定義の中で、属性情報の例として、室の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げなどを挙げています。

例えば、画面上に1枚のドアがあるとします。ドアの高さや幅、厚さ、取り付け位置など、立体的な姿を表すものが形状情報です。一方、「どんな種類のドアなのか」「どのような仕様なのか」「どのような性能を持つのか」といった情報が属性情報にあたります。

同じように、部屋であれば形や位置に加えて名称や面積、部材であれば形状に加えて仕様や性能といった情報を関連付けることができます。

つまりBIMとは、単純に建物の見た目を3Dにするだけのものではありません。形状情報と属性情報を組み合わせながら、デジタル上に建物の情報を構築していくことができるのです。


では、CADとは何?

BIMとの違いを考える前に、CADについても整理してみましょう。

CADは、Computer-Aided Design(コンピューター・エイデッド・デザイン)の略で、コンピューターを使って設計や製図を行うための仕組みです。建築分野では、平面図、立面図、断面図、詳細図などの作成に広く利用されています。

BIMとの違いを理解するには、2D CAD、3D CAD、BIMを順番に整理すると分かりやすくなります。


2D CADは「2次元の図面を描く」

2D CADでは、建物を平面図、立面図、断面図などの2次元の図面として表現します。例えば一つの建物について、上から見た状態を平面図、横から見た状態を立面図、建物を切った状態を断面図というように、複数の図面を使いながら建物の形や仕様を伝えていきます。

3D CADは「形をつくる」

3D CADでは、建物や部材を3次元の形状として作成できます。2D図面だけでは分かりづらかった建物の形や部材同士の位置関係を立体的に確認できるため、「完成するとどのような形になるのか」「この部材はどこに配置されているのか」といったことを視覚的に把握しやすくなります。

ここまで聞くと、「3D CADでも建物を3Dにできるなら、BIMと同じなのでは?」と思うかもしれません。

そこで重要になるのが、先ほど説明した形状情報と属性情報です。


3D CADとBIMは何が違う?

3D CADとBIMは、どちらも建物を3Dで表現できます。違いは、3Dで形をつくるだけなのか、その形に「これは何か」という情報まで持たせるのかです。

例えば、画面上に柱のような四角い立体があるとします。3D CADでは、その立体の大きさや形を表現できます。一方BIMでは、その立体をただの「四角い形」ではなく、「柱」という建物の部材として扱うことができます。
さらに、その柱に「材質」「サイズ」「仕様」「性能」などの情報を持たせることもできます。

つまり、3D CAD=建物の「形」をつくる、BIM=建物の「形」に、その部材が何なのかという「情報」まで持たせるというイメージです。

(ただし、3D CADには属性情報がまったくなく、BIMだけに属性情報があるという意味ではありません。3D CADにも属性情報などを扱える製品があり、ソフトによって機能は異なります。)


おわりに|まずは「BIMとは何か」を知るところから

今回は、BIMとは何なのかを、形状情報・属性情報、そして2D CAD・3D CADとの違いから見てきました。

かなりシンプルに整理すると、**2D CADは「図面を描く」、3D CADは「形をつくる」、BIMは「建物と、その情報をつくり、活用する」**という違いがあります。

もちろん、実際のCADやBIMソフトにはさまざまな機能があり、この説明だけで完全に線引きできるものではありません。それでも、形状情報と属性情報を持った建物モデルをつくり、その情報をさまざまな業務へ活用していくという考え方を知っておくと、BIMが少し分かりやすくなるのではないでしょうか。


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参考文献・参考資料

国土交通省・建築BIM推進会議
『建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第3版)』令和8年3月31日
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/002012930.pdf

国土交通省
『中小事業者によるBIM導入・活用に向けたステップ(これであなたもBIMユーザー!)』令和5年3月
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/001603421.pdf

国土交通省・建築BIM推進会議
『建築BIMの将来像と工程表』令和元年9月
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/001351968.pdf

国土交通省
『建築分野におけるBIMの活用・普及状況の実態調査<概要>』令和7年1月 国土交通省調べ

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/001882625.pdf

公益財団法人 日本建設情報技術センター(JCITC)「BIMとは?」

https://www.jcitc.or.jp/bimcim/bim/

※本記事は、上記の資料を参考に、内容を独自に整理・要約したものです。