金融庁「登録なし」の意味〜サナエトークン崩壊後の3日間〜
前回は3月4日時点で書いた。あれから3日。プロジェクトは中止になった。国会で質疑が行われた。金融庁が「登録なし」と明言した。
肝心な問いには、誰も答えていない。
名称変更という幕引き
3月4日朝、NoBorder公式Xアカウントが長文の謝罪声明を出した。溝口氏も追従投稿。対応策は3つ。トークン保有者への補償の実施。SANAE TOKENの名称変更およびプロジェクトの抜本的見直し。有識者による検証委員会の設置と再発防止策の構築。
補償の基準として、3月4日正午時点の全保有ウォレットのスナップショットを実施済みだという。対象は「投機目的でない人」。
ミームコインを買った人のうち、「投機目的でない人」とは誰なのか。
Solana上のSPLトークンで、Raydiumという分散型取引所でしか取引できない暗号資産を購入した人間が、「投機目的ではなかった」と認定される基準は何か。声明にその説明はない。
SNSの反応は「そういう問題ではない」に集約された。名前を変えれば済む話ではない、構造の問題だ、と。
この日、もうひとつの舞台が動いた。
国会に行った
衆議院財務金融委員会。中道改革連合の伊佐進一議員が質問した。
「サナエトークンの主催者や関係者を罪に問えるか」
金融庁は答弁で、SANAE TOKENの発行者が暗号資産交換業者としての登録を行っていないことを明言した。片山さつき財務相は「法令違反が認められ、利用者保護のために必要と判断すれば、適切に対応する」と述べた。
官僚的な答弁ではある。だが「登録なし」は事実の確認だ。金融庁が国会の場でそれを認めた。ここから先は捜査と行政処分の領域になる。
片山財務相はあわせて、運営側がSNSで補償・名称変更・検証委員会設置を発表したことに言及し、「3月2日時点で金融庁への被害報告はない」と述べた。
被害報告がないことと被害がないことは違う。
プロジェクト中止
名称変更を発表した翌日だった。
NoBorder公式が「Japan is Backプロジェクトの中止」を発表した。「現在の状況および関係者への影響を総合的に勘案した結果」だという。溝口氏も自身のXで追従。「プロジェクトは中止する判断に至りました」。
補償については「関係各所への相談を進めておりますので、内容が決定次第、改めてご案内いたします」。読売新聞、産経新聞、J-CAST、ITmediaなど主要メディアが報じた。
名称変更からプロジェクト中止へ。24時間で対応が二段階エスカレートした。4日の時点では名称変更で収まると思っていたのか。それとも金融庁の答弁と国会質疑を受けて、法的リスクの評価が変わったのか。
3月7日時点で、具体的な補償内容は発表されていない。
沈黙と怒号
堀江貴文氏。2月25日の「REAL VALUE」で溝口氏とともにトークンを紹介し、「社会実装に向かう動きは意義がある」とコメントしていた。動画のトークン紹介部分は3日に削除された。
数日間の沈黙の後、堀江氏はXに投稿した。
「お前らが望んでる結末には絶対ならない」「クソみたいな日常を生きてろ」
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