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#3⚠️STOP‼️笑顔の死 ″Smiling Death"~クラッシュ症候群を「知識」ではなく「判断力」で理解する~ 

第3回 私ならこう考える受傷機転

~時間だけでは、クラッシュ症候群は判断しない~


お疲れさまです🍵

あおぞらです😊

前回は、

私自身がクラッシュ症候群を疑い、

救出前輸液の判断に迷った事案についてお話ししました。

検証では、

「クラッシュ症候群を疑った判断そのものは適切だった。」

という評価をいただきました。

では、

なぜ私は、

あの現場でクラッシュ症候群を疑ったのでしょうか。

実は、

その理由は、

「何時間挟まれていたか」

だけではありませんでした。


「1時間でも起こることがある」

クラッシュ症候群について勉強すると、

救急救命士標準テキストには、

次のように記載されています。

「通常は圧迫状態が2~4時間以上続いた場合に発生するが、時には1時間程度の圧迫の後に発生することもある。」

この一文を読んだとき、

私は少し考え込んでしまいました。

もし、

1時間程度でも起こることがあるなら、

交通事故で1時間挟まれている傷病者は、

全員クラッシュ症候群を疑うのでしょうか。

逆に、

30分なら安心なのでしょうか。

教科書には、

そこから先の判断までは書かれていません。

だから私は、

現場では少し違う視点で考えるようになりました。


私は「時間だけ」では判断しません

もちろん、

圧迫時間は重要です。

長時間圧迫されるほど、

クラッシュ症候群の危険性は高くなると考えられています。

しかし、

私は、

時間だけで判断しないようにしています。

前回ご紹介した交通救助でも、

事故が発生した正確な時間は分かりませんでした。

つまり、

圧迫時間は不明です。

ここで私が考えたのは、

「時間が分からないから判断できない。」

ではありません。

むしろ、

「すでに長時間経過している可能性も否定できない。」

ということでした。

救助現場では、

事故の目撃者がいなかったり、

通報が遅れたりすることもあります。

受傷時間が分からない現場は、あって当然。

つまり、

受傷時間が分からないということは、長時間圧迫されている可能性も考えなければならない。

ということです。

だから私は、

「時間が分からない=安心できる」

とは考えません。

受傷時間も一つの判断材料として受け止めながら、

受傷機転や傷病者の状態を総合的に評価するようにしています。


私がクラッシュ症候群を疑った理由

それでも、

私はクラッシュ症候群を疑いました。

なぜでしょうか。

それは、

「大きな筋肉が、強い力で、広い範囲にわたって圧迫されていた。」

という事実があったからです。

あの現場では、

両下肢が車体に強く挟まれ、

特に大腿部から下腿にかけて、

広い範囲が圧迫されていました。

事故発生からの時間は分かりません。

しかし、

受傷機転を見た瞬間、

私は、

「クラッシュ症候群かもしれない。」

という意識を持ちました。

もし、

「まだ1時間経っていないかもしれない。」

という時間だけで考えていたら、

私はクラッシュ症候群を疑うことができなかったかもしれません。


私なりの判断基準

ここでお伝えしたいのは、

「時間は関係ない。」

ということではありません。

時間は、

もちろん重要です。

ただ、

私は時間だけを見て判断しないようにしています。

現場では、

次の3つを一緒に考えるようにしています。

✔ 圧迫時間はどれくらいだったか。

✔ 大腿部や臀部など、大きな筋肉が圧迫されていないか。

✔ 強い力で、広い範囲が圧迫されていないか。

私は、

この3つが重なるほど、

「クラッシュ症候群かもしれない。」

という意識を強く持つようにしています。

もちろん、

これは絶対的な判断基準ではありません。

傷病者の年齢や体格、

圧迫された部位、

受傷状況などによっても考え方は変わります。

だからこそ、

現場では

「〇時間だから大丈夫。」

ではなく、

「この傷病者の身体では、今、何が起きている可能性があるのか。」

という視点で考えることが大切だと思っています。


私が一番意識していること

救助現場では、

どうしても時間に意識が向きます。

「早く救出しなければ。」

「もう〇分経っている。」

その考えは、

もちろん間違いではありません。

しかし、

時間だけを追い掛けてしまうと、

目の前の傷病者から得られる大切な情報を見落としてしまうことがあります。

私は、

まず受傷機転を見ます。

どこが挟まれているのか。

どれくらいの範囲なのか。

どれくらい強い力が加わっているのか。

そして、

圧迫時間や傷病者の状態など、

現場で得られる情報を一つずつ積み重ねながら、

「クラッシュ症候群を疑うべき状況なのか。」

を整理するようにしています。

これは、

経験が豊富だったからできたわけではありません。

むしろ、

経験が少なかったからこそ、

「どう考えれば見落とさずに済むのだろう。」

そう自分なりに考え、

整理してきた結果です。

今でも、

その考え方は変わっていません。


📖 次回予告

ここまで、

私は受傷機転から、

クラッシュ症候群を疑うための考え方についてお話ししてきました。

でも、

ここで一つ疑問が残ります。

「なぜ、長時間押しつぶされるだけで、命に関わるのでしょうか。」

実は、

その答えは、

身体の中で起きている"病態の連鎖"にあります。

次回から、

いよいよ病態編に入ります。

海外では、

クラッシュ症候群を象徴する言葉として、

「Smiling Death(笑顔の死)」

という表現があります。

なぜ、

そのように呼ばれるのでしょうか。

その答えを、

一緒に紐解いていきたいと思います😊




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