身体整え人(ビト)|西日本最高峰・石鎚山へ。 〜瓶ヶ森の静けさと、鎖場への緊張〜
働く身体を整える。
身体整え人(ビト)のRYOJIです。
今回も快晴に恵まれた登山。山の会に入会して4回目の県外遠征である。その度に、「RYOJIさん。こんないい天気、なかなかないで。今までで一番良かったってことになるかもしれんよ」と言われる。静かに晴れ男伝説が生まれ始めている。(科学的根拠はない)
5月16日。
瓶ヶ森へ向かう途中、UFOラインで写真撮影タイム。青空と新緑が映えて、なんとも気持ちのいい景色だった。

今日は移動だけかなと思っていたら、瓶ヶ森に登るらしい。(えっ、今日は登らないでしょ?)
慌てて登山用の靴下に履き替える。
後で調べると、四国では「深い自然の塊」を“森”として捉えた名残があるらしい。岡山県県北の方では「○○仙」など山深そうな名前が付く山が多いが、四国の“森”のほうがよっぽど「仙」が似合う気がした。それに、鎖場や天狗岳のことばかり調べていて、瓶ヶ森にまで気が回っていなかったのも事実である。
そんなわけで、瓶ヶ森は降って湧いたような登山だったが、登山日前日は運動不足気味なので、むしろウェルカム♪であった。
瓶ヶ森は視界が開け、笹原が芝生のように美しい山だった。険しい石鎚山とは対照的な静かな山容で、明日への英気を養うことができた。

石鎚山。
5月17日
石鎚山へ向け、国民宿舎を6時に出発。鎖場のことを考えると楽しみな反面、どこか呼吸が浅い。しかし歩いていくうちに、石鎚山の雄大な山容や艶やかなアケボノツツジを見ていると、少しずつ身体がほどけていく感覚があった。

まず挑戦したのはニの鎖。その前に立つと、一気に呼吸が浅くなり鼓動も高まる。「こんなところを登るのか!?」写真や映像で見るより、巨大な壁が立ちはだかっているようだった。
いやー、できるなら迂回路で行きたい。でも、せっかくここまで来たのだから挑戦してみたい——そんな自分自身との葛藤。
もうやるしかない!
そう覚悟を決め、鎖を握りしめ登り始める。三点支持。腕の力じゃなく足で上がる。そう自分に言い聞かせる。

頭ではわかっていても、「落ちるかもしれない」という恐怖からか、緊張して腕に力が入っているのが自分でもわかる。それに足の置き場がうまく取れない。少し出っ張りにつま先が引っかかれば足場にできるとアドバイスを頂くんだけど、
「本当に大丈夫?」
そんな不安がよぎり、到底試せそうにない。怖さと力の入れ過ぎで呼吸が乱れる。足の置き場も見つからず、少しの時間立往生してしまう。
もうここからは降りられない。登るしかない。
完全に鎖を腕の力だけで登る。このときは本当に、「この手を放したら死ぬな」と意識した。
二の鎖を登り切った。
(本当に良かったー。)
普段、「山で死ねたら本望」とか豪語していたけど、こんな怖がりとは……。人間そんなもんなのかな?
その後、三の鎖の直登ルートへ。
足の置き場には迷わないかもしれないが、完全に腰が引けている。腕も力を入れ過ぎてプルプルしている。
なんとか鎖場(困難)を乗り越えたかったが、ここは引く勇気も必要。無理して大勢の人に迷惑をかけてもいけないと思い撤退した。
迂回路を通り、無事山頂へ到着。
しばらく休憩。ペットボトルの水を飲もうと手に取ると、緊張で力が入っていたのか、握りつぶしてしまう。

山頂に神社があり、無事登れたことへの感謝を伝える。この日ほど本当に感謝した日は、後にも先にもないだろうと思った。

いよいよラスボスの天狗岳。
「ここまで来たんだからチャレンジするか!」
と意気込んでいたが、最初の降りる場所を見て、
「これ、どうやって降りるん?!無理!」
一歩間違えば滑落するようにしか見えない。
「辞めます!」
ここは即断。行ける気がしなかった。
高く狭い場所で楽しそうに手を振る人たちを見ていると、僕には適性がないと思った。

あくまでも僕の仮説だが、高さへの恐怖を感じる・感じないには、遺伝的要素もあるのではなかろうか。そう思わずにはいられなかった。
それでも、山頂から見た天狗岳をはじめとする山々、瀬戸内海に浮かぶ小島と青空という絶景を眺めることができ、大満足な山行だった。

アルプスもいいけど、深く険しい四国の山も大好きになった。
下山中には、会員の方たちと10月に徳島の剣山へ行くことも決定。下山後には、さっそく山小屋の予約も取ってもらった。
山好きは行動が速い。
こうして楽しかった2日間はあっという間に終わり気持ちは早くも10月の剣山へ。
その前にアルプスも控えている。山好きは忙しい。
【今日の補給食】
石鎚山で実際に持って行った補給食。
鎖場でかなり緊張していたこともあり、手軽に食べられる補給食がありがたかった。ジェルが苦手で和菓子スキな人にお勧め。


