バイスティックの7原則 〜統制された情緒的関与〜【ハトでも分かるケースワーク🕊️/概論編】
─ケースワーカーの教科書を作りたい🕊️
そんな思いを実現するためのシリーズ
【ハトでも分かるケースワーク🕊️】
(Ⅰ)概論編
バイスティックの7原則 〜統制された情緒的関与〜
⏰️この記事は3分で読めます。
🎓️こんな人におすすめ
・ケースワーカー・相談援助職の方
・社会福祉士を目指している方
・福祉・対人援助の仕事に興味がある方
💡この記事で分かること
・統制された情緒的関与とは
・感情コントロールの意味
・自分の感情に気づくということ
◆バイスティックの7原則とは
ケースワーカーなら一度は聞いたことがある。
というより、社会福祉士の勉強をする際、一丁目一番地で出てくるこの原則。
対人援助職が、クライエントとより良い関係性を作るための7つの基本姿勢のことです。
アメリカの社会福祉学者であるバイスティックさんが1957年に提唱したものですので、約70年に渡って対人援助職の指針となってきたことになります。
今さら記事にしなくても…。
という方もいるかもしれません。
でも、この原則をケースワーク業務の中で活かしている方って、どれくらいいるんでしょう。
この記事では、"テストで必ず出る"の枠を超え、より実践的な視点で説明していこうと思います。
今回は、統制された情緒的関与。
◆統制された情緒的関与とは
この言葉、なんだか難しい表現ですね。
情緒的関与?
統制?
少し分かりやすいように、紐解いてみます。
情緒的とは、感情が動かされること。
関与とは、関わりのこと。
合わせると、情緒的関与とは、
感情が動かされる関わり
という意味になります。
それを、統制するのです。
ここでの統制は、コントロールするという意味に近いかもしれません。
要するに、ケースワーカーは、感情を動かされる関わりの中でも、自身の感情を統制(コントロール)することを、意味しています。
例を出します。
あなたは、親から虐待を受けて保護されている子どもと面接をしています。
ひどい虐待を受けたはずなのに、その子どもは「お母さんたちに会いたい。」と泣いています。そして、「僕が悪かったから、ちゃんとするから、家に帰して!」と訴えてきました。
どんなケースワーカーでも、感情が揺さぶられるこの場面。
ここで"可哀想"とか、"何とか帰してあげたい"という気持ちが湧いてくるのは自然なこと。
しかし、その気持ちに任せて、ケースワーカーも涙してしまったり、「絶対に帰ろうね!」といった無責任な発言をしてしまうことを防ぐために、自分の感情をコントロールする必要があるのです。
◆感情をコントロールする?
でも、感情って自然に湧き上がるものですよね。
親しい人が亡くなったら、悲しい気持ち。
テストで満点をとったら、嬉しい気持ち。
夏休みが終わってしまったら、寂しい気持ち。
この湧き上がる気持ち自体を、湧き上がらないようにすることは、無理に近いことです。
ここでいう感情のコントロールとは、感情を湧き上がらせないことではないのです。
親しい人が亡くなったけど、子どもが側にいるから、明るく振る舞った。
テストで満点をとったけど、周りの友達は上手くいっていなかったから、冷静を装った。
夏休みが終わって寂しいけど、新たに始まる生活を楽しみにすることにした。
いずれも、自分の感情に気づいたうえで、周りに配慮したり、自分自身を切り替えようとすることができたんですよね。それこそが、感情のコントロールなのです。
ここで大切なのは、まず自分の感情を理解すること。それができないと、そもそも感情をコントロールすることはできません。
◆自分の感情に気づく
自分の感情に気づく。
それはまさに、『自己覚知』そのものですよね。
別の記事でも自己覚知を書いています。
▼記事はこちら
この記事でも書きましたが、自己覚知は、自分自身の価値観や感情に気づき、それがケースワークにどう影響しているのかを考えることに繋がります。
さきほどの例で言えば、
満点を取って嬉しい自分がいる中で、その感情に気づき、対人関係でどう影響するかを考えているからこそ、平静を装うことができるんですよね。
統制された情緒的関与でも、同じことが言えます。
相談者やクライエントの感情や関わり方に流されそうになることがありますが、まずはそんな流されそうな自分に気づく。つまり、自己覚知することが大切なのです。
◆今回のポイント🕊️
・統制された情緒的関与とは、動かされそうになる感情をコントロールすること。
・湧き上がる感情を止めることはできない。その感情に気づき、コントロールすること。
・そのためにまず、自己覚知。
ここで難しいのは、感情に流されまいとするあまり、相談者との間に距離ができてしまうこと。
そして、その結果、「受け止めてもらえなかった」というマイナスな印象を持たれてしまうこともあります。
ここで大切になるのが、受容すること。
ということで、次回は、受容の原則について記事にしていきます。
これからも一緒に学んでいきましょう😊
▼ケースワークの教科書、書いてます🕊️
