見出し画像

水分補給の基礎と症例から学ぶドーピング対策Part3(3/6)


Part2はこちら


アスリートの水分補給

アスリートは基礎代謝や筋肉量、発汗量が
一般の方より多いため、水分補給の重要性が
より高くなります。

NSCAのガイドラインでは、練習前4時間前に
体重1kgあたり5〜7ml、2時間前では3〜5mlの
アイソトニック飲料を飲用するとされています。
練習中は糖質濃度の低いハイポトニック飲料を
こまめに飲むことが推奨されます。
練習後は、体重500gの減少につき600〜700mlの
水分補給が必要です。

また、脱水時に塩分が必要な理由として、
サウナに入る前にOS-1とミネラルウォーターを
飲んだ場合の比較研究1)があります。
OS-1を飲んだ方が尿中ナトリウム排泄量も尿量も
有意に少なくなり、脱水による体重減少を抑える
効果が示されています。

1)サウナ浴による健常成人脱水モデルを対象と
したオーエスワン(OS-1)の水・電解質補給効果の
検討

飲料の選択

運動中にスポーツドリンクを飲むと胃の不快感や
気分の悪さを訴える選手が一定数います。

この点に関する研究として、糖質濃度6%と
8%のスポーツドリンクが高強度運動時の
胃腸症状に与える影響を比較した研究2)が
あります。成人と高校生36名を対象に、
4分×12回のサーキットを行い、その前後で
胃腸症状を評価しました。

結果として、運動後半では糖質8%の飲料を
摂取した場合、6%よりも不快感が有意に
高いという結果が出ました。脇腹痛や胃の
不快感が高まることが示されています。

このことから、高強度運動時は糖質が高い
アイソトニック飲料より、ハイポトニックや
経口補水液の方が消化器への負担が少なく、
パフォーマンスを維持しやすいと考えられます。


2)Shi X et al,Gastrointestinal discomfort during
intermittent high-intensity exercise,
Effect ofcarbohydrate–electrolyte beverage,
Int J Sport Nutr Exerc Metab,14,673–683(2004)

実際の飲水計画例

バスケットボールを例にすると、アップや
ダウンの前後はアイソトニック、
インターバル中は胃への負担が少ない
経口補水液、ハーフタイムの15〜20分では
症状に合わせてハイポトニックや経口補水液を
選ぶ方法が良いです。バスケットボールでは
1.2リットル程度の発汗があるというデータも
あり、個人差を考慮して体重変化を記録すること
も有効です。

脱水症状以外での事例

少し話は変わりますが、高齢者のように筋肉量が
少なくなっていると骨格筋中にあるカルニチンが
低下して、カルニチン欠乏症によるこむら返りが
出るケースがあります。脱水症状以外に
このような事例もあることがあります。

Part4へ続く

いいなと思ったら応援しよう!