芋出し画像

「2億5000䞇幎」の刻み

日蚘2026幎1月26日

 出かけるず決めたのに、急に時間ができるず、行きたい所がわからない。

 先月、「病状が99パヌセント消えた」ず、䌝えられるほど日が過ぎおから友人に知らせたのに、別の腫瘍が壊死融解を始めたらしい。しかし、新しい数字を䌝えるのは、同じだけ日が過ぎおからにしよう。

 医垫なら、呜の終わりに向かっお再び加速した、ず蚺断するに違いない。

 わたしは、治癒に向かっお加速した、ず刀断する。
 病状が重くおも軜くおも、䜓調は倉わらないので。

重い病状によっお治癒が進むのは、䜓調が良くお䜙力がある時だ。

 間違っおいおもいい。
 どちらに進んでもいいよう、甚意はしおいるから。

 病院ぞ行くのを止めおから13幎以䞊になるが、それたでの間、医垫たちず意芋が異なったずきには垞に䜕十回も、わたしのほうが正しかった。

「壊れた組織は二床ず再生しない」ず告げられお、「するずおもいたす」ず答えたら、盎埌に新しい論文が出お、医孊界の垞識が倉わったこずもある。

「」ずいう難病の話をしお、「ですよ」ず薄く笑われた時も、垰宅埌に確かめるず、「」が正しかったは別の難病だ。
 医垫の蚘憶には、実䟋を知らない難病は病名ずしおも残らないのだろう。

 孊問ずは瞁がなかったため、わたしは、知識によっお圚り方を決めない。
 圚り方を決めおから、「他者を玍埗させるための知識」を増やしおいく。

 もっずも、身近なひずたちは皆、わたしの遞択はわたしにずっお正しいず分かっおくれおいお、決しお「垞識的な方向」ぞ転進させようずはしない。こちらも、自分にずっお正しい方法を、ひずには決しお勧めない。

 どこを進んでも、行き着く所は同じだから、「い぀か」ずいう時に願いを先送りしないで、行きたい所には行ける時に行く。

 行きたかった所を、ひず぀思い出した。
 35幎前に行ったはずなのに、盎埌の医療過誀によっお蚘憶は倱っおいる。  

 身䜓障害を補うためなのか、わたしは過去を映像の圢で思い出せるのに。

過去の時空に入るような感じなので、ずっず前の䜜品を螊るずきや実話を曞くずきには䟿利。蚀葉に責任を持たないヒトには疎たれる胜力だが。

 脳が呜を繋ぐため手攟した蚘憶には、かな文字も入っおいた。
 ひらがなを取り戻したように、35幎前の時空を取り戻したい。

 そう考えたが、埀埩の距離を考え、同じ堎所たでは行かないこずにした。
 取り戻したいのは、芖点ではなく、芖界にあった光景なので。


◇◇癜厎海掋公園◇◇

 南から近づいおいくず、そこは、真っ癜な奇岩に囲たれた砊のよう。
 癜いのは、2億5000䞇幎前に圢成された石灰岩。

 サンゎ瀁が石灰岩に倉化し、地殻倉動によっお山ずなり、雚に溶かされ、颚に削り取られお、すり鉢状の窪みずなるのが「カルスト台地」。

 ここでは、広い窪みが駐車堎倧型車3台、普通車80台、身障者甚2台になっおいる。

「COGY足こぎ車いす」を車から䞋ろすず、冷たい颚に䜓枩を奪われ、
「これから、海岞沿いの遊歩道を行くのか」ず、おもわず自問した。

 2019幎の台颚で倚くの斜蚭が砎壊されお、『珟圚は、道の駅ず展望台のみ埩旧しおいる』ずのこず。

 遊歩道は、車道ず歩道の間が溝になっおいるため、その段差を越えるのに力が芁った。たた、舗装路の敷石も台颚に歪められたらしく、぀の車茪で安定しおいる「COGY足こぎ車いす」でも、楜には進めなかった。

シャクシの浜曇り空

 空は、今朝の「倧和盆地」ず同じ色。
 颚が冷たいから、長くは居られない。

 玀䌊半島の南郚には高気圧があるので、北䞊しおくれないかず願ったら、背䞭偎が明るくなった。

巊偎
正面

「幎前に立っおいた堎所」が、正面に芋える。
 あのずきは、「いた居る所」を反察偎から芋おいたのだ。

「道の駅の駐車堎」に戻ろうずしお、「展望台の駐車堎」が閉鎖されおいるず気づいた。ひずが倚い季節にだけ䜿えるのだろうか

 そのたた「COGY足こぎ車いす」で進み、反察偎からも車は入れないず確かめお、「展望台の螺旋階段」を芋䞊げた。

螺旋階段垰りに撮圱

「カルスト台地」の内偎だけを芋お垰るのもいい。

 でも、取り戻したかったのは、「玀䌊半島 最西端」の岬から芋た光景。
 ここは、そこより北だけれど、癜い壁の内偎からは南が芋えない。

 少し考え、「COGY足こぎ車いす」を眮いお䞊に行く、ず決めた。

 展望台たで行ったら、残しおきたCOGYは芋えなくなるが、矎しい光景を静かに眺めるひずびずの善意は信じられる。
車で走っおいるずき、みかんの無人販売所をいく぀も芋た。

展望台から

「盞棒」の「COGY足こぎ車いす」を独りで埅たせおいるから、目では颚景を芋ないたた、急いで写真を撮った。

 展望台から䞋りおいくずきには、少し萜ち着いお写真が撮れた。

 螺旋階段たで来るず、たずえ「盞棒」が連れ去られおも目撃はできる。

 いや、そんな心配はない。
 すれ違うのは、蚀葉が矎しく笑顔が枩かい方々だった。

 車怅子に座っおから、「癜い壁」の内偎も、萜ち着いお撮れた。
寒さが萜ち着かせおはくれなかったけれど。

「こういう所には赀い岩もありそうだけど」ず考えながら垰り道を進むず、海の反察偎にそびえおいた。

昌間の半月䞭倮やや巊

 さっき芋おいた波打ち際は、明るい色に倉わっおいた。

シャクシの浜晎倩

 空をみるず、倧きな癜い韍の優しい目があったので、
「南から高気圧を連れおきおくれお、ありがずう」ず、お瀌を䌝えた。

南から来た

 少し前の蚘事に、「台颚で垰宅できなかった日を陀いお、31幎間、家事を䌑んだこずはない」ず曞いたが、垰宅できなかったのは蚈画運䌑が理由で、自分が居た所はずっず晎れおいた。

 車怅子甚レむンコヌトで雚は防げるけれど、颚雚を避けられお有難い。

 正面の海の色も、わずかな時間にずいぶんず倉わった。

「癜厎海掋公園」からの垰り道では、茝く海も、萜ち着いお芋られた。

立巌岩たおごいわ
海の浅い所

 阪和自動車の傍には、日本叀代史ず結び぀いおいる颚景が連なっおいた。
 匓を握った「名草姫」の姿が思い浮かぶほど。


◇◇雪嶺◇◇

 真っすぐ垰る予定だったが、京奈和自動車道から正面に芋える倧峰山脈があたりにも矎しかったので、「五條垂の展望所」に寄るず決めた。

展望所の案内板

 先々週に最高の光景を芋た、ずおもっおいたけれど、本日は空にたったく雲が無かったのだ。
 そこに、真っ癜な雪嶺が䞊ぶのだから、機䌚を逃すわけにいかない。

それぞれの山の名前は、以䞋の蚘事内。

「週間で回も倧きな断局の䞊を行き来した」ずいうのは解っおいたが、垰宅埌、「五條垂の展望所は『䞭倮構造線』の枝のような断局の䞊では」ず気づいた。

 この蟺りの『金剛断局』を蟿るず、『高鎚神瀟』の傍を過ぎ、出雲神族の聖地「高倩」の麓を通っお、北ぞ䌞びおいる。

 地図を芋るず、「金剛断局」の南に別の断局があった。

「䞭倮構造線 掻断局系 菖蒲谷断局」は、『䞹生郜比売神瀟和歌山』の北西から、䞭倮構造線ず瞒り合わさるようにしお北東ぞ向かい、その先端が『䞇人の森公園五條垂の展望所』に届いおいる。

 35幎前、「たったく必芁のない加療」によっお、いったん呜を奪われた。
 蘇っおきたのは、「たったく問題のない健康䜓」だったため。

 呚囲の悪意や䞍泚意で加えられた様々な身䜓障害を別にするず、わたしは䞡脚に先倩性の障害があるずいうだけかもしれない。

 フランスの詩人は、「倩地あめ぀ちは宮居。ひずは宮柱」ず詠った。 
 神域が䞊ぶ断局には、「芋えない宮柱」も䞊んでいるのだろう。

 それらに混じっお立っおいるず、身䜓に負担のかからない速床で、痛みも苊しみもなく治癒が進んでいくのを感じる。