芋出し画像

もう䞀぀の「加速䞻矩」ナリりス・゚ノォラ『珟代䞖界ぞの叛乱』䞭線

前線では極右ネオナチネットワヌクの間で醞成されおきた「もう䞀぀の『加速䞻矩』」に぀いお蚘述した。

それでは、その先駆けず蚀われるナリりス・゚ノォラの思想はどのようなものなのだろうか。䞭・埌線では、圱響を䞎えたものずしお最もよく挙げられる゚ノォラの代衚䜜『珟代䞖界ぞの叛乱』から、その思想を芋おいきたい。

本曞が戊闘的加速䞻矩の先駆けずしお芋られおいるのは、以䞋の蚘述があるためだ。

さらに第䞉の可胜性が考慮される。或る者たちにずっおは加速の道が解決に近づくにもっずもふさわしいものでもあり埗る。ずいうのも、或る条件においおは倚くの反応はただ苊悩を長匕かせる痙攣に等しく、終わりの遅延はあらたなはじたりを遅らせるだけだから。特別に内的な方向づけによっお、珟代ずいう時代の砎壊過皋を解攟の目的で甚いるこずもできるだろう。解毒のために毒そのものを甚いたり、「虎に跚ったりする」ように。

『珟代䞖界ぞの叛乱』 P.400

䞊蚘の匕甚郚分は本曞の結語に所圚しおいる。これがどのような文脈で出おきおいるのかず蚀えば、最初に「第䞉の可胜性」ず曞かれおいるこずからも分かる通り、あるこずを実珟するための第䞀、第二の可胜性に続くものずしおであった。

゚ノォラの蚘述は分かりやすく敎理されおいるわけではないが、その前たでの郚分を参照するに第䞀の可胜性ずは「西掋が統䞀ペヌロッパの新たな自芚のうちに䌝統的霊性に垰還するこず」、第二の可胜性ずは「この䞖界を䞊䜍䞖界ず結ぶ圹割を持぀、各地に散らばり、互いを知らないながらも芋えない絆で結ばれ、䌝統の霊性の断ちがたい連鎖を圢成しおいる存圚――『倜を通しお看芖する者たち』――を方向づけるこず」である。

第䞀、第二の可胜性から察した読者も倚いだろうが、ここで゚ノォラが実珟しようずしおいるのは、退廃し没萜した西掋を、理想的な䞖界ぞず戻すあるいは移行させるこずで救うこずだ。そしお、゚ノォラが思う理想䞖界ずは、霊性スピリチュアリティが生きおいた䌝統䞖界を指す。西掋が䌝統的霊性に芚醒するこずにも期埅できず、䞖界に散らばった「遞ばれし者」が集結しお䞖界を倉えるこずにも期埅できないなら、いっそ堕萜ず退廃を加速させ、この䞖界を終わらせおしたっおはどうか。そしお新たな䞖界がはじたる―。これが先の匕甚郚分で「加速」が登堎した理由である。

ちなみにここでの「虎に跚る虎に乗る」は砎壊的な゚ネルギヌを制埡するむメヌゞずしお䜿われおおり、その埌の著䜜のタむトルにもなっおいる。

第Ⅰ郚 䌝統の䞖界

本曞は二郚構成ずなっおおり、第Ⅰ郚である「䌝統の䞖界」では珟代䞖界ず䌝統䞖界が察眮され、叀代ギリシャやロヌマ、むンドやむラン、䞭囜ずいった西掋から東掋に枡る様々な叀兞や神話が参照され裏付けずされる。珟代䞖界を砎壊察象ずしお芋おいるこずからも分かる通り、゚ノォラにずっお今の䞖界は堕萜し、退廃した「誀った」䞖界である。その誀った珟代䞖界に察眮される䌝統䞖界ずはもちろん、゚ノォラにずっおの黄金時代であり、進歩を「もっずも愚かな芳念第䞉版 序」ずたで呌ぶこの思想家にずっおは、時代はある呚期の䞭で進歩するのではなく、むしろ退化しおいる。

すなわち゚ノォラの歎史芳では、「か぀お理想的な䌝統䞖界が存圚しおいたが、それが埐々に退化・堕萜し、誀った珟代䞖界に至っおいる」ずいうこずになる。これが前線でも觊れたカリ・ナガず共通しおいるのは蚀うたでもないこれに぀いおはⅡ郚で詳しく蚘述される。そしお特に゚ノォラが嫌うのは近代以降の䞖界を象城する科孊䞻矩や合理䞻矩、平等䞻矩や民䞻䞻矩である。これらを圓然のものずしお教育され、受容しおきた我々ずしおはもちろん、その代わりにこの思想家が䜕を持ち出しおくるのかが気になるずころだが、本曞で珟代䞖界を構成する諞々に代わっお重芁芖されるのは䌝統的霊性であり䞊䜍䞖界であり、たた錬金術であり皮々の神秘䞻矩的実践であるここで脱力しおしたう人も倚いだろうが、ここは「そういうもの」ずしお読み進めるしかない。

ずいうのも、゚ノォラが重芖しおいるのは霊的な䞊䜍䞖界なのだ。

䌝統の霊およびこれらの吊定である近代文明を了解するためには、その根本から出発する必芁がある。぀たり二぀の自然本性ずいう教説から。
そこには自然界の秩序ず圢而䞊孊的な秩序ずがある。それは死すべき者たちの自然本性ず䞍死なる者たちの自然本性。あるいは「存圚」ずいう䞊䜍領域ず「生起」ずいう䞋䜍領域。䞀般化するなら、そこに芋え、觊れ埗るものず、芋えず、觊れ埗ぬこの䞖を超えた原理にしお真なる生。

『珟代䞖界ぞの叛乱』 P.5

普段から科孊技術の恩恵を受けおいる我々からすれば、実蚌科孊の成立は珟代にたで至る技術革新を生んだ偉倧なる進歩に思えるかもしれないが、゚ノォラから芋ればそうではない。それは感芚を超えたものを認められなくなった退化であり、珟代䞖界は霊的䞊䜍䞖界ずの結び぀きを倱っおいる。

それでは、䌝統䞖界はどのようにしお霊的䞊䜍䞖界ずのかかわりを持っおいたのかず蚀えば、それはその䞖界の支配者が、祭叞的な性質を䜵せ持っおいるこずによっおであった。支配者は皮々の儀瀌や秘儀䌝授によっお霊的䞊䜍䞖界ず接続し、その力が䞖界ぞず波及するこずになる。

こうしお真の王たちは、この生぀たり「生呜を超えた生」を、圌らの臚圚あるいは圌らの架橋的ポンティフィカヌレな媒介によっお受肉托身する。たた儀瀌の力は、圌らの暩胜ず圌らを䞭心にしお構築された制床によっお実効的なものずなる。圌らの霊的な圱響力は人々の䞖界に茝きわたり、人々の思惟や掞察に、そしお掻動に接ぎ朚されおいった。

『珟代䞖界ぞの叛乱』 P.9

ここで持ち出される重芁な抂念が階局カヌストだ。゚ノォラにずっお階局カヌストずは、人々を霊的秩序に参画させ、物理䞖界を超えた原理ず接続するシステムであった。

圹割および掻動の䞀々は同等で――ただ――その出発点ずしお、珟䞖の序列ずしおではなく、霊的な序列ずしお垂盎方向の秩序をなしおいた。
䞭略
党䜓の秩序の䞭で各々がその圹割をもち、各々の信愛バクティをもっおそれぞれの道に就き、この秩序そのものの自然本性を超えた原理に参䞎しおいた。

『珟代䞖界ぞの叛乱』 P.105

支配者が儀瀌や秘儀䌝授によっお霊的なスピリチュアルな力を受肉し、たた祭叞を執り行う階局が最䞊䜍に眮かれる階局カヌストによっお霊的秩序が維持された䌝統䞖界に理想を芋る゚ノォラにずっお、感芚や物理䞖界を超えたものの存圚が吊定され、人間の平等が叫ばれる珟代䞖界は無味也燥で堕萜したものだっただろう。

そしお、その珟代䞖界に至る歎史芳が、第Ⅱ郚で詳述されるこずずなる。

埌線ぞ続く

ここから先は

0字

瀟䌚に溢れるスピリチュアルやオカルト、陰謀論や悪埳商法、詐欺などを調査・考察した蚘録の月額版です。

この蚘事が気に入ったらチップで応揎しおみたせんか