3丁目
↑の続きです。
夜が全てを飲み込む、俺たちも含めて。
「な、マノ。」
「ああ。」
マノイシハラ#6-2
――
22:00
腕時計を確かめるイシハラ。
「ちょうど1時間前だ。」
「ああ。」
「23時に待つって事は、犯人は少し早く来るはずだ。」
「だからもっと早く来た!」
――
22:05
革ジャンのジッパーを閉めながら。
「ねえ、イシハラ。俺たちがここに居たら犯人こないんじゃない?」
瞬きを数回。
「合格だ、隠れよう。」
――
22:10
「あの電柱の影にしよう。」
「2人ははみ出るよ。」
――
22:12
「あの塀の向こうは。」
「不法侵入だよ。」
――
22:15
「地面の中…」
「……」
――
22:17
周りを見回すイシハラを横目にマノ。
「何で3丁目なんだろうね。」
振り向く。
「……。」
「……。」
「なんて言った?」
「……。」
――
22:20
二本指を顎につけながら。
「マノ、俺は大事な事を見落としていた。」
「何故、犯人は3丁目を待ち合わせ場所に選んだのか、だ。」
「……。」
「3丁目のここは、そもそも住宅地、こんな所を、しかも夜中に待ち合わせに選ぶと言う事は……」
「と言う事は?」
「……」
――
22:40
「くっ、あと20分しかない、このままだと犯人の思う壺だ。」
「マノ!何かいい案は無いのか!」
スマホのマップアプリを見るマノ。
「イシハラ…」
顔が整うイシハラ。
「どうした?」
スマホを2人で覗き込む。
「これ見て、3丁目に赤井書店、青山酒店、緑川仏具……あっ喫茶紫陽花もある!」
「カラフルな街だ。」
――
22:50
「もうダメだ、終わりだ。」
目を瞑るイシハラ。
「あれ何?」
10数メートル先から近づく人影。
構える2人。
吠えられる2人。
「こら、イエローちゃん、ダメだよ!」
躾ける飼い主。
「……カラフルな街だね。」
マノ。
――
23:12
「……」
「……。」
「…解決だ。」
「ああ。」
