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コロナワクチンと心筋炎に関する5年間の「振り返り」

数日前、筑波大学が4月に発表した「ミトコンドリアの機能低下がmRNAワクチン接種による心筋炎を誘導する」という研究がXで話題になっていました。コロナ対策について、国は「振り返り」をしようとしません。「振り返り」をして問題点について考えておかなければ、また同じようなことが起きたとき、同じような問題が起きてしまうでしょう。そこで、過去の記事から資料を掘り起こして、コロナワクチンと心筋炎に関する5年間の「振り返り」をしてみました。


筑波大学の研究

筑波大学の研究については、4月にプレスリリースが出ていましたが、5月10日にNHKが報じたことでXでも話題になっていたようです。

研究については、下記からリリースを読むことができます。

ミトコンドリアの機能低下が mRNA ワクチン接種による⼼筋炎を誘導する

以下、4ページあるうちの1ページ目に書かれた概要です。


「mRNA ワクチン接種による重篤な副反応として⼼筋炎が報告されています」と書いてありますが、心筋炎が「重篤な副反応として報告されている」ということは、振り返りをするにあたって非常に重要だと思います。なぜならば、接種開始当初は副反応として心筋炎は書かれていなかったからです。

FDA(米国食品医薬品局)のサイトで公開されているコロナワクチンに関するファクトシートが更新され、心筋炎に関する項目が追記されたのが2021年6月でした。発生する可能性は非常に低いとしながらも、 「ワクチンを投与された一部の人々では、心筋炎および心膜炎が発生しています」と書かれていたのです。それについては、下記の記事で取り上げました。

そして、接種券に同封される「新型コロナワクチン予防接種についての説明書」に心筋炎の説明が追記されたのが2021年7月(下記参照)。

例としてファイザー社の説明書。

最初に送られてきたもの。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000798042.pdf

心筋炎が追記されたもの。

接種券と一緒に郵送されていましたが、この変化に気づいた人はどれくらいいたのでしょうか。

上記の記事で取り上げた議事録を読むと、医薬品等行政評価・監視委員会(2021年6月28日開催)で、佐藤嗣道委員(東京理科大学 薬学部薬学科 教授)が「お知らせにも記載すべきだ」という意見を出したことが大きな力となっていたと思われます。 

けれども、この事実はメディアなどでは報じられませんでした。そして、2023年に振り返ったときに取り上げた動画(2021年12月にライブ配信)で、元ワクチン担当大臣は下記のように語っていました。

2021/12/05 にライブ配信(該当部分から再生)

ワクチンでも心筋炎になる人がいるんですけども、確率的にも小さいし軽症です。ほとんどの人は回復しています。反ワクチンの人が騒いでますけれども、それは全然気にすることはありません。

2022年1月に書いた下記の記事で、副反応疑いの報告には10代心筋炎が多数出ていることを取り上げました。

詳細を知りたい方は記事をご確認いただき、そうではない方は数の多さを見ていただきたいので、どんどんスクロールしてください。
コミナティ筋注 報告症例一覧(製造販売業者からの報告)
報告日 2021年12月6日~2022年1月2日
資料1-2-2-1より

そして当時、厚労省のサイトには下記のように書かれていました。

現在どうなっているか調べてみたら、同じでした(2026年5月15日確認)。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_qa.html#30


まだ「重大な懸念は認められない」と書いてありますが、2026年4月に発表された筑波大学のプレスリリースには、「新型コロナウイルスに対する mRNA ワクチン接種による重篤な副反応として、⼼筋炎が報告されています」と書かれています。

心臓の筋肉に炎症が起こる心筋炎は、軽視してよい副反応ではないはずです。厚労省は、何が起きたら「重大な懸念」と認めるのでしょうか。

添付文書での扱いに関する変化

2023年8月に書いた記事では、添付文書の変化を振り返っていたので、それを再度掘り起こしました。

ファイザー社製 添付文書(2021年2月改訂第2版)より

接種開始当初の第2版には、心筋炎のことは書かれていません。


ファイザー社製 添付文書(2021年7月改訂第5版)より

第5版(2021年7月改訂)では、アナフィラキシー(8.4)は「あらわれることがあるため」となっていますが、心筋炎・心膜炎(8.6)は「本剤との因果関係は不明であるが」と書かれていました。


ファイザー社製 添付文書(2023年8月改訂第22版)より


2023年8月に改訂された第22版では、心筋炎・心膜炎(8.6)も「因果関係が不明」がなくなり、アナフィラキシーと同じ書き方になっています。

つまり、この時点から因果関係不明ではなく、製薬会社はこのワクチンの副反応として心筋炎・心膜炎を認めていると読み取れます。

当初は書かれていなかった副反応が追記されていたことを、知らされたうえで接種していた人は、どれくらいいたのでしょうか。

厚労省のミスリード

元ワクチン担当大臣の動画でも厚労省のQ&Aでも、そして今回話題になっていたときに投稿された一般人のポストにも、「コロナに感染した方が重症の心筋炎を発症することが多いから、接種のメリットの方が大きい」という意見があります。けれども、以前厚労省が比較に使ったグラフは、正しい使い方をされていなかったことがわかっています(下記参照)。

このときも、佐藤嗣道委員がしっかりと指摘してくださっていました。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000914103.pdf

下記でいう42ページというのが、上のグラフです。

議事録より

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25154.html

誤った使い方をされていたことを知らず、このグラフがずっと頭に残っている人も多いのではないでしょうか。

「情報不足」ばかりの評価

前回の記事でも厚労省の評価は「情報不足」ばかりであり、接種との関係はきちんと調べられていないことを取り上げました(下記参照)。

心筋炎に関しても、同じようなことが起きていました(下記参照)。

資料1-4-1 新型コロナワクチン接種後の心筋炎又は心膜炎疑いとして報告された事例の概要(コミナティ筋注) (2023年1月20日公開)

以下、ファイザー社製成人用(起源株)の例です。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/001039983.pdf

※評価記号
α:「ワクチンと症状名との因果関係が否定できないもの」
β:「ワクチンと症状名との因果関係が認められないもの」
γ:「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの」

この時点で、「因果関係が否定できないもの」と評価されたものはありませんでしたが、「因果関係が認められないもの」と評価されたものもなかったのです。「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの」ばかりでした。

ブライトンレベルについては下記のように分類されていますが、レベル1(心筋炎確定)であっても情報不足等により評価できない「γ」。そもそも、レベル4(情報不足)が圧倒的に多かったのです。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/001039983.pdf

つまり、十分な情報がないから判断できないのであって、ワクチンと「関係ない」と判断されたわけではないのです。このような状態が続いていても、厚労省は評価ができるように情報を集めようとはしていませんでした。

研究の背景

筑波大学のプレスリリースには、下記のように書かれています。

ミトコンドリアの機能低下が mRNA ワクチン接種による⼼筋炎を誘導する より一部引用

⼀⽅で、既往歴がない場合でも、接種後にまれに重篤な⼼筋炎を発症することが報告されており、特に若年男性に多いことが知られています。しかし、その発症機構は⼗分に理解されていませんでした。
(中略)
そこで本研究では、mRNA ワクチン接種後に⼼筋炎を発症した患者検体の解析により、このミトコンドリア脆弱性が⼼筋炎発症に関与する可能性について検証を⾏いました。

「mRNA ワクチン接種後に⼼筋炎を発症した患者検体の解析」により、ミトコンドリア脆弱性が⼼筋炎発症に関与する可能性について検証を⾏ったと書かれています。

患者の検体を解析して検証したら、メカニズムが少しずつわかってきたということです。厚労省はこういった検証もしようせずに、ずっと「情報不足」と言っているだけでした。

Xではこの研究について、「人で被害が出てからマウスで実験するなんて、順番が逆だ」というポストがいくつかありました。私もそう思います。そもそも、約300日で実用化したのですから、そういったことがわかってくる前の段階だったはずです。それなのに、なぜ国や接種を推奨する医師は「安全」だと断言し、安全性に疑問を呈する人を「反ワク」扱いし、今も「重大な懸念はない」と言い続けているのでしょうか。

過去の薬害からも、メカニズムがわかるまでには時間がかかることはわかっているはずです(下記参照)。

筑波大のリリースには、下記のように書かれています。

本研究結果は、ミトコンドリアの状態が mRNA ワクチン接種後の⼼筋炎リスクを規定していることを⽰唆しています。この知⾒をリスク評価指標の確⽴や予防薬の開発につなげることで、mRNA ワクチンの安全性向上への貢献が期待されます。

私は、この「知見」という言葉について、2021年6月に記事を書きました(下記参照)。

厚労省のサイトに、このように書かれていたからです。

このお知らせは、「デマ」は信じないようにという印象を与えていましたが、「知見が得られていない」ということは、「死亡者は増えていない」という意味ではなく、「現段階ではわかっていない」ということだったはずです。そして接種後の心筋炎とミトコンドリアの関連については、2026年4月になってやっと知見となるものが得られたということになります。

2025年6月8日に放送された関西ローカル番組で、新型コロナ対策を総括する特集が組まれた際、政府分科会元会長・尾身茂氏も出演していました(下記参照)。

尾身氏はコロナワクチンについて、「感染防止効果はあまりないワクチン」「絶対に感染しない保証はないし、実際に感染した人もいる」とわかって「我々もがっかりした」などと言いました。そして「このワクチンは、若い人や子どもには必要ないのでは?」という質問に対して、「分科会の会長として公に、若い人は感染しても重症化しないし、副反応が強いから、本人の判断で接種するようにとかなり早い時期から何度も言っていました」と語っています。

若い人は重症化しないなら、感染しても重篤な心筋炎を発症することはそれほど多くないということだと読み取れます。

「早い時期」がいつなのか言わなかったので、分科会の議事録をいくつか掘り起こしたところ、2023年1月27日議事録でも、まだ若い人にも接種を勧めていました。

2022年8月には、19歳の男性が行政解剖の結果、心筋炎を伴う急性循環不全で死亡したという報告がありました(下記参照)。

報告医師は、「病歴のない、若い患者が接種後3日目に急死した。報告者はワクチンとの関連ありと考えた」と書いていました。

19歳という若さで接種後に心筋炎で急死した人がいたのに、そして報告医師も「関連あり」と書いていたのに、なぜもっと調べようとしなかったのでしょうか。「若い人は感染しても重症化しないし、副反応が強いから、本人の判断で接種するようにとかなり早い時期から何度も言っていました」というのが事実なら、なぜもっと声を大にして言わなかったのでしょうか。

19歳の男性のような事例をもっと広く知らせ、それと並行して若者には接種のメリットは大きくないと伝えていたら、接種後に重篤な心筋炎を発症する人はもっと減らせたはずです。予防接種健康被害救済制度では、10代、20代の心筋炎・心膜炎も多数認定されています(下記参照)。

申請のハードルが高いので、認定された人は発症した人のほんの一部だと思います。

若い方たちは、これらの振り返りを見て、国は「若者の未来」をどのように考えていたと思いますか。

<参考>
アメリカでは、2025年5月21日に開かれた上院常設調査小委員会(PSI)で「振り返り」が行われました。公開されたコロナワクチンに関する中間報告書には、コロナワクチン接種後、若者に心筋炎が発症している事例がどのように報告され、それに対して政府がどのように対応したかが詳細に書かれています(下記参照)。

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