310話 ケムル攻略に Toward the Kemul Campaign 【エジプト編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
鉄戦車まで投入したラガシュカイネルの軍は、
初めにメルタ領を攻め落とす。

その勢いでバルシャ領の大半を占領、
サルカ領に早くも先遣隊を入れている。
バルシャ領は、商業が盛んな地域で、すでに独自通貨の流通を始めており、
ケムル王国とは別の路線を歩み始めていた。

ここは、ケムルの父王 アシュルカイネルが攻略した属国であり、
そもそもケムルへ義理立てする必要があまりない。
しばらくすると降伏を受け入れた。

バルシャ領を抑えたラガシュカイネルは、サルカ領に兵を進めた。
サルカ領も属国だったところで、広大な穀倉地帯を持つ豊かな国土だった。

サルカ領の君主 サリム・ハルドは、まだ30代の若き支配者だった。
サリム・ハルドは、戦火で穀倉地帯が焼け野原になるのを防ぐために、
自らの命を預けるとして戦火が広がる前に降伏した。
ラガシュカイネルは、6か国のうち3か国を攻略したことになる。
一旦、この3国の安定を図るとして、攻め込むのをやめて、態勢を整える。
その時に、降伏したサリム・ハルドと面会している。

処刑覚悟で青ざめた顔のサリム・ハルドに、
ラガシュカイネルは静かにねぎらいの声をかけた。
「ネフェルイウリア陛下に、そなたのことはお願いしてある。
もうしばらく待つがよい。」

サリム・ハルドは、処刑覚悟だったので、拍子抜けしたような顔をした。
工房で今作っている鉄戦車は、出来上がったものから順次、
戦場に届けられている。
次は、鉄の産地であるハルガン領だ・・・
ここは手ごわいが、ぜひとも落とさなければならない。

鉄戦車同士の戦いになった。
文字通り激闘である。
今は互角だが・・・
長引けば、鉄産地のハルガンが有利になる・・・・
「まずいな・・・」
ラガシュカイネルが低くつぶやいた。
ネフェルイウリア王妃から使者が来た。

「サリム・ハルド殿には、引き続き、サルカ領の統治を認める。」
サリム・ハルドはようやく顔色を取り戻した。

その知らせを聞いたハルガン領は、翌日降伏した。

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