【ゲーム】3️⃣ テニスの次はブロック崩し――ゲームセンターが生まれた頃
3️⃣ テニスの次はブロック崩し――ゲームセンターが生まれた頃
前回、私は遠くのディスカウントショップまで自転車を走らせ、任天堂の「カラーテレビゲーム6」を買った。
定価は9800円だったが、私の記憶では7700円ほどだった。
小学生にとって、この差は大きい。少しでも安い店を探し、かなり遠くまで買いに行った。
ところが、苦労して手に入れたわりに、遊んだ記憶はあまり残っていない。
本体についていた大きなつまみを左右に回し、画面上の棒を上下へ動かして、四角い球を打ち返す。
それだけのゲームだった。
当時は夢中になったはずなのに、今も鮮明に覚えているのは、ゲームの内容より「安い店を探して自転車で買いに行ったこと」である。
テニスの次に現れたブロック崩し
テレビゲームの世界は、すぐに次へ進んだ。
テニスの次に流行したのが、ブロック崩しだった。
画面の下にある板を左右へ動かし、球を跳ね返して、上に並んだブロックを一つずつ壊していく。
テレビテニスと同じように、操作は単純だった。
それでも、ブロックが消えるたびに画面が変わっていく。球を落とさずに打ち返せば、少しずつ先へ進める。
相手と球を打ち合うだけだったテレビテニスより、「自分で画面を攻略している」という感覚が強かった。
今から見れば、どちらも驚くほど単純なゲームである。
しかし当時は、テレビの中のものを自分の手で動かせるだけでも面白かった。
映画やテレビ番組は、こちらが何をしても同じように進む。
ゲームは違った。
つまみを回せば板が動き、失敗すれば球が落ちる。
自分の操作が、そのまま画面の結果になる。
その感覚が新しかった。
ゲームをするための場所ができた
やがて、ゲーム機を置いた店が増えていった。
後に「ゲームセンター」と呼ばれるようになる場所である。
暗い店内にゲーム機が並び、画面が光り、あちこちから電子音が聞こえる。
上手な人の後ろには、自然に人が集まった。
誰かが遊んでいるのを見るだけでも面白い。
そして順番が来ると、硬貨を入れて自分が遊ぶ。
失敗すれば、そこで終わりだった。
もう一度やりたければ、またお金が必要になる。
だから私は、ウエスタンガンに小遣いを全部使ってしまった。
家で何度でも遊べるテレビゲームが欲しくなり、カラーテレビゲーム6を買った。
ところが、家で自由に遊べるようになると、それほど遊ばなかった。
不思議なものだ。
ゲームセンターでは、一回ごとにお金がかかる。
後ろで誰かが見ている。
失敗すれば交代しなければならない。
その緊張感まで含めて、ゲームだったのかもしれない。
私が欲しかったのは、ゲームだけではなかった
振り返ると、私はゲームを最後まで攻略することより、新しい機械に触れることのほうが好きだったのだと思う。
どんな仕組みなのか。
画面はどう動くのか。
次は何ができるようになるのか。
新しいものが登場すると、気になって仕方がない。
そして安い店を探し、遠くても買いに行く。
手に入れるまでが一番楽しく、買ったところで満足してしまう。
この頃には、後の私につながる性格がすでに現れていた。
大人になってからも、私はゲーム機やパソコンを次々に買った。
秋葉原へ毎日のように通い、安売りのソフトを、遊びもしないのに買い込んだ。
ソフマップで古いものを売り、そのお金でビックカメラから新しいものを買った。
ゲームを一本ずつやり切る人とは、まったく逆だった。
私はゲームをクリアする前に、次の機械が欲しくなった。
画面の中の世界が急速に変わった
ウエスタンガン、テレビテニス、ブロック崩し。
わずかな期間に、ゲームは次々と姿を変えた。
最初は、二人のガンマンが撃ち合うだけだった。
次は、二本の棒で球を打ち返した。
そして今度は、並んだブロックを壊すようになった。
一つひとつは単純でも、当時の私たちにとっては、すべてが初めてだった。
昨日まで存在しなかった遊びが、次々に登場する。
そのたびに子どもたちは集まり、画面をのぞき込み、どうやって遊ぶのかを覚えていった。
今のように、発売前の動画を見ることも、インターネットで評判を調べることもできない。
店で実物を見るまで、どんなゲームなのか分からなかった。
だから新しいゲーム機を見つけるだけで、胸が躍った。
そして、インベーダーがやって来た
しかし、ブロック崩しの流行も前触れにすぎなかった。
次に現れたゲームは、町の風景まで変えてしまう。
スペースインベーダーである。
喫茶店のテーブルがゲーム機になり、ゲームセンターには人があふれた。
私はその頃、高校生になっていた。
小学生のとき、ウエスタンガンに小遣いを吸い取られた私が、今度は社会現象となったインベーダーブームの中へ入っていく。
次回は、
4️⃣ 高校生だった私と、インベーダーゲーム
である。
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