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NHK『笑う会社革命』が暴いた“育成崩壊”

笑う会社革命

―「育成キャンセル」の先にあるもの―


2008年。
リーマンショック後の日本企業。

わたしは人材開発担当として、
ベテランマネージャー向けの
マネジメント強化研修を担当していた。

その研修では、

管理職の役割

を大きく3つに整理していた。

1. 業績目標の達成(Results)
2. 組織・環境の整備(Environment)
3. 部下の育成・動機づけ(Development)

この3責務を、
管理職は同時に遂行する。

それが、
当時のマネジメント思想の基本だった。

そして、
わたしは今でも、
この3つは極めて重要だと思っている。

ここは変わらない。



ただ、
当時の問題は明確だった。

ミドルマネージャーが、
多重責務に押し潰されそうになっていたことだ。

Results。
Environment。
Development。

どれも重要。
どれも捨てられない。

しかも管理職自身も、
プレイヤーだった。

数字を出しながら、
環境を整え、
人を育てる。

だから、
育成が避けられていく。

「重要ではないから」

ではない。

“そこまで手が回らない”

のだ。

だから当時、
研修の最後に出た、

「忙しい時は、部下育成しなくてもいいですよね?」

という言葉は、
育成軽視ではなく、
限界状態の悲鳴だった。



しかし、
今の「育成キャンセル」は、
少し性質が違う。

ここが重要だ。

今は、
単純に“忙しいから”ではない。

若手育成そのものが、

「コスパが悪い」
「めんどくさい」
「時間対効果が低い」

と思われ始めている。

教えても辞める。
育てても転職する。
時間をかけても定着しない。

だから、
現代の育成キャンセルには、

“徒労感”

がある。

ここが、
2008年との決定的違いだ。



そして、
わたしはそこから、
別の方向へ考え始める。

なぜ、
育成は苦しくなるのか。

なぜ、
上司が疲弊するのか。

なぜ、
組織が自走しないのか。

考え続けた先で、
辿り着いたのが、

「自立型人材育成」


だった。



富士メソッドの基本は、

“苦手な人にやらせて、
得意にさせる”

組織論だ。

できる人だけを伸ばすのではない。

苦手な人も、
逃がさない。

やらせる。
考えさせる。
経験させる。

そして、
「自分でできる」
へ変えていく。

つまり、
組織全体を底上げする思想だ。

ここが重要だった。

なぜなら、
管理職だけが頑張る組織は、
必ず限界が来るからだ。

だから必要なのは、

“自ら育つ人”

を増やすことだった。



一方で、
NHK『笑う会社革命』の文脈で見えてくる

サイバーエージェント的な世界観

は、
少し違う。

サイバーエージェント

そこでは、
有能な人材を、

修羅場や、
厳しい立ち上げ環境へ放り込む。

そして、
自分で考え、
自分で動かせる。

修行より実戦。

管理より挑戦。

つまり、
“強い人材をさらに伸ばす”
実践型だ。



面白いのは、
両者とも、

「自律的に学ぶ」

ことを重視している点だ。

だが、
思想は違う。

富士メソッドは、
組織全体を引き上げる。

サイバーエージェント型は、
突出した人材を一気に伸ばす。

前者は、
“全体最適”。

後者は、
“高成長最適”。

どちらも、
従来型の

「上司が全部教える育成」

とは違う。



だから、
NHK『笑う会社革命』が描いている
「育成キャンセル」は、
単なる怠慢論ではない。

もっと深い。

従来型育成モデルそのものが、
限界に来ているという話なのだ。

NHK「コント×ドキュメンタリー 笑う会社革命」

そして今、
会社は問われている。

「人はどう育つのか」

を。

教えるのか。
任せるのか。
鍛えるのか。
抜擢するのか。

あるいは、
自ら育つ空気を作るのか。

会社革命とは、
制度変更ではない。

“育成思想”

そのものを、
更新することなのかもしれない。


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#NOTE記事

* 「育成キャンセル」は怠慢ではなかった
* なぜ管理職は部下育成を諦め始めたのか
* 2008年、日本企業は“育てる余裕”を失った
* NHK『笑う会社革命』が暴いた“育成崩壊”
* 「忙しい時は育成しなくていいですよね?」の衝撃
* Results・Environment・Developmentが壊れた日
* 育成キャンセル時代に必要なのは“自立型人材”だった
* 「教える育成」が限界を迎えている
* サイバーエージェントはなぜ若手を修羅場に放り込むのか
* 富士メソッドvsサイバー式、育成思想の決定的違い
* 「優しく見捨てる上司」が増えている
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* 管理職が潰れる会社は、未来を失う
* 「育てても辞める」が会社を壊している
* 会社革命とは“育成思想の更新”である

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