外国人に部屋を貸す、その「不安」をどう乗り越えるか。 ボーダレスハウス18年の運営で培った仕組みとノウハウ
騒音やごみ出し、言葉の壁、近隣との関係性などの不安から、外国籍の方の入居の受け入れに踏み出せないオーナーの方も少なくありません。
こうしたよくある困りごとの発生を未然に防ぎながら、日本の方と海外の方が共に暮らす国際交流シェアハウスを運営してきたボーダレスハウス。これまでの利用者数はのべ19,000名超。近隣との関係性を育て、海外からの入居者が日本での暮らしを楽しんでいます。

困りごとの発生は抑え、よりよい入居体験を提供する。でも、どうやって?
ボーダレスハウスが18年の事業経営で培ってきた運営ノウハウを、ボーダレスハウスの物件開発担当のチャンに話を聞きました。
外国籍の方に部屋を貸す。トラブル発生の予防と対策のヒミツに迫る
ー外国籍の方が不動産を借りるのが難しいという状況は、現在も変わらずあるのでしょうか。
現在でも、業界のトレンドが大きく変わっているわけではありません。
オーナーの方が不安に感じていることの多くは、騒音とごみ出し、言葉の壁、それに伴う近隣トラブル。そうした不安から、貸さないほうがいいという判断になることも理解できます。
ただ、こうしたトラブルの発生は抑えることができます。外国籍の方も近隣の方を困らせたいと思っているわけではないですし、今後も外国籍の居住希望者が増えていくことを考えると、迎える側の準備と工夫次第で乗り越えられることがあると思っています。
ー今日は、18年におよぶ国際交流シェアハウスの運営によって培われたボーダレスハウスのノウハウからそのヒミツを伺っていきたいと思います。
手の内を明かし過ぎてしまうかも、とドキドキしていますが、よろしくお願いいたします。

近隣トラブルの予防は、オープン前から始まっている
ーまず、ボーダレスハウスを知らない人のために、事業について簡単に教えてください。
ボーダレスハウスは、異文化と出会う体験に価値を置いた国際交流シェアハウスで、入居者の割合を日本の方と外国籍の方が50:50と定めています。
日本、海外、どちらからの入居希望者とも全員、自社スタッフが面談を行い、交流意欲を確認しています。
また各ハウスで入居者同士がうまく交流できているか、困りごとはないか。コミュニティクリエイター(CC)と呼ばれる運営スタッフたちがそれぞれ担当のシェアハウスを巡回して入居者をサポートしています。
ボーダレスハウスは、入居率を高めることがゴールではなく、入居するハウスメイトが生活を通して「どう異文化と出会い、違いを越えてお互いを理解していくか」という体験価値を高めていくことを事業のコアとして位置付けています。

ーボーダレスハウスでは、新規物件のオープン前に必ず行っていることがあるそうですね。
1つが運営スタッフによる近隣へのご挨拶。もう1つが近隣の方を対象とした事前説明会です。
オープン前には必ず、担当の運営スタッフがチラシと名刺を持ってご挨拶に伺います。チラシには、ボーダレスハウスの事業概要、オープン日、そして事前説明会の情報を載せています。
会える方には直接、会えない場合もチラシ投函で、ボーダレスハウスのオープンをお知らせしています。
ー外部委託せず、自分たちでチラシを配布する。すごく地道ですよね。
そうですね。ただ、僕たちにとっても貴重な機会なんです。
地域ごとの慣習や、こういうことは気をつけてほしいといった要望を直接教えていただけるのがすごくありがたくて。お聞きした内容をすぐに社内に共有する仕組みもできています。
僕は物件開発担当として建設中またはリフォーム中の現場にいることが多いですが、その時にも「ここに何ができるの」と近隣の方が声をかけてくださいます。実際には不安の声ばかりでなく、「若い方が増えるのは嬉しいわ」「以前、海外に住んでいたことがあってね」といったお話を聞かせてもらうことも多いです。
ー近隣向け説明会ではどんなことを行うのですか。
ボーダレスハウスの事業説明と、何かあったときの対応についてお話ししています。
多くの方が参加される地域もあれば、あまり参加されない地域もありますが、参加者数よりも対話の場があることが大切だと考えています。強い不安感を持っている場合でも、一つ一つの質問にお応えしていくことでご理解いただけることが多いですね。できないことは理由も含めてお伝えして、それでもなるべく歩み寄れるように。そんなスタンスで対話をしています。

また、私たちからは必ず「何かあったらすぐにご連絡ください」とお声かけしています。
近隣の方の視点に立てば、新しいものができる楽しみもあるし、自分の生活への影響を気にするのも当然のこと。誰に連絡すればいいか分かっていることが、一つの安心材料にもなります。
実際にシェアハウスが始まって、ご近所の方からスタッフへ連絡をいただいた時は、すぐに担当からお応えしています。
オーナーの方の目線からは、まず運営会社である僕たちに連絡が来るようになっている、そこまで任せられるという点も大きいと思います。
ーお話を聞いて、オープン前からきめ細かく対応されているんだなと思いました。
オープン前から挨拶をかわしたり、声をかけあう関係性の中で、小さなことを一つ一つ積み重ねて、信頼が築かれていく感じがありますね。
とある物件でも、近所に住む年配の女性が「オープンから1年、ごみ出しをずっと見張っていたけど、あなたのところはちゃんとやってくれているわ」と声をかけてくれたことがあって、嬉しかったですね。
ボーダレスハウスは「関係製」という表現をしているんですが、僕たちと入居者の方だけでなく、オーナーの方や近隣にお住まいの方を含めて、みんなで作っていくものだと思っているので。
こうした取り組みは、物件オーナーの方や仲介会社の担当者の方からも「そこまでしてくれるんだね」と評価いただいています。

申込みから退去の日まで。入居者にしていること
ーボーダレスハウスへの入居フローを教えてもらえますか。
ボーダレスハウスは、海外の方も、国内の方も、約9割を自社サイト経由で集客しています。ウェブのエントリーフォームからご連絡いただいたら、オンラインで面談を全ての方と行っています。
どうしてボーダレスハウスに住もうと思ったのか。これまでどんなことをしてきて、ボーダレスハウスではどんな生活をしたいのか。一方で、私たちはどういうシェアハウスで、ここではどんなことが起こるかという点も説明しています。

ここで私たちが確認しているのは、交流意欲と共に暮らしを作る仲間になれるかどうか。面談をしたうえで入居をお断りするケースももちろんあります。
その後、入金確認が取れたら、入居日当日に対面で入居ルールを説明します。
ごみ出しのルールや騒音ルールもこの時に伝えます。ごみ出しについてはイメージが伝わるように動画も用意していて、必ず見てもらいます。また、各ハウスにも多言語対応したルールを掲示しています。

ー日本に来てシェアハウスで暮らすためのルールをしっかりとインプットしてから、生活が始まっていくんですね。
ボーダレスハウスはキッチンやリビングなどの共有スペースで、入居者同士、入居者とスタッフが、日々顔を合わせる作りになっています。
暮らしはじめてからも入居者が気になることを聞きやすい環境ですし、入居者が突然いなくなってしまったり、逆に、複数名が同じ部屋で暮らしているというような不動産トラブルが発生しにくい効果もあります。
ー入居者同士の交流に価値を置く事業特性が、近隣の方との信頼関係の構築、物件の安定的な入居といったメリットも生んでいるんですね。
そうですね。
退去日はスタッフが立ち会い、ボーダレスハウスでの暮らしの感想をヒアリングするとともに、設備の破損や清掃の度合いを確認しています。
実は、この退去時のヒアリングで、オンラインで面談したスタッフのこと、入居日に応対したスタッフのことを話してくれる方が多いんですね。入居当時のコミュニケーションが印象に残っているから、退去時にスタッフの名前を出して感謝を伝えてくれているんだと思うんです。
すごく素敵なことだなって、いつも思います。こういうソフト面も、ボーダレスハウスの財産であり、強みですね。

ー入居体験の価値を高めるためにスタッフの皆さんが一つ一つ積み上げていることが、結果的に高い入居率やリピート率につながっているということですね。
そうですね。運営スタッフは、各シェアハウスで行われる定例ミーティングにも参加して、各ハウスの状況を常に情報収集し、アップデートしています。
その情報は、入居者面談の場で本人の希望や特性をみてより合うハウスを提案するといった情報提供にも生かされています。こうした細かな一つ一つの運営が、ボーダレスハウスの事業を支えているんですよね。

オーナーが安心して任せられる、運営体制
ーオーナーの方とのやりとりについても聞かせてください。
物件の契約は基本的に5年の賃貸借契約を結び、その後も更新しているケースがほとんどです。
家賃は、固定家賃か変動家賃か事前の契約で結んだ内容に基づきお支払いしています。また物件の運営状況レポートも毎月お送りしています。
各シェアハウスには担当スタッフが定期的に訪問していることはすでにお話していますが、例えばドアノブの不調や水回りのことなど、設備の不良に関してもまずスタッフに連絡が来ます。
自社スタッフで対応できそうなこと、業者への依頼が必要なことをその場で判断して、オーナーへ事前に連絡を入れた上で、対応に入ります。
近隣の方との窓口を担当スタッフが担っているので、オーナーの方からは手離れがいいという点も喜ばれています。
ー運営会社であるボーダレスハウスに大切な物件を預けられる。地域の方との信頼関係も作ってくれる。オーナーの方には安心感がありますね。
物件に住んでいる一人ひとりと日常的にコミュニケーションをとっていることや、設備面でも物件を見ているスタッフがいること。面談した上で入居者を迎え入れていること。収益性だけでなく、こうした一つ一つの対応も信頼いただいている点だと思います。
入居者、近隣の方、オーナー。”みんなが安心”して暮らすために
ー事前の丁寧な説明と、こまめな対応。入居者にも、近隣の方にも、オーナーにも一つ一つのコミュニケーションを怠らないことが大事なんですね。
海外の方を入居者として迎える時の不安。例えば、ごみ出しのこと。騒音のこと。事前に様々な予防策を講じたとしても、ゼロにはならないと思っています。
起こらないように、まずは事前にどんなことができるか。
その上で起こった時にどう対応するのか。この2つの視点がすごく重要だと思うんですよね。
ーそれは何も、海外の居住者に限った話ではないですね。
そうですね。
海外から来てくれた方も。
日本で暮らす人同士でも、地域の方、オーナーと僕たちの間でも。
根底にあることは同じです。
違いがあることを前提において、事前に知ってほしいことを伝えること。
相手の事情を聞いて、歩み寄れるポイントを探ること。
できないことは、理由とともに伝えること。
差別や偏見といった心のボーダーも、一人ひとりの違いも、人と人がつながることで越えていける。

僕たちは多文化共生という大きなテーマを掲げていますが、実際は、毎日人と人との間に起きることに一つ一つ愚直に向き合って、対応し続けているんですよね。それが世界平和っていうとちょっとかっこよすぎるかもしれないですけど。
外国籍の方に部屋を貸すこと。その不安の解消で、僕たちが役に立てることがあればなんでも気軽に相談してほしいです。
多国籍が暮らすコミュニティ型シェアハウスで、不動産に新しい価値を
「ボーダレスハウス」は、世界中から集まった若者が一つ屋根の下で一緒に暮らしながら異文化に触れ合う国際交流シェアハウス。
外国住民と共生する「多文化共生社会のインフラ」として、外国人と日本人が一緒に暮らす国際交流のコンセプトこだわったシェアハウスです。15年を超える運営ノウハウを活かし、活発な入居者たちが集うコミュニティと高稼働な不動産への活用をお約束します。
不動産活用やシェアハウス運用にご関心のある方は、オーナー様向けページをご覧ください。
▼ 物件・不動産開発に関するお問い合わせフォーム
https://www.borderless-house.jp/jp/owners/#ownerscontact
▼ ボーダレスハウスの物件・不動産開発に関する総合記事
「ちがう」を越えて、人と社会をつなぐ。ボーダレスハウス株式会社

私たちボーダレスハウス株式会社は、国籍やルーツ、生まれた場所、性別などのさまざまな「ちがい」に関係なく、一人ひとりの多様なアイデンティティが尊重され、つながっていく体験とコミュニティをつくりたいと強く思っています。
「“ちがう” を越えて、人と社会をつなぐ」というビジョンの下、出会いやつながりが多文化共生社会への一歩になると信じて、差別偏見と向き合うソーシャルビジネスを社会に広げていきます。
