元新聞販売店が、国際交流シェアハウスに生まれ変わるまで ──東池袋・築33年一棟物件の再活用事例
多文化共生社会の実現に向けて、国際交流シェアハウス事業等を運営するボーダレスハウス株式会社は、事業拡大のため物件との新たな出会いを求めています。
本記事では、ボーダレスハウス池袋の開発事例をもとに、「元・新聞販売店が、どのように国際交流シェアハウスとして再生されたのか」、物件評価から意思決定、開発、運営後の実績までをご紹介します。
Summary -概要-
物件情報
用途:事務所(元新聞販売所)
所在地:東京都豊島区東池袋
最寄駅:
・都電荒川線 向原駅 徒歩4分
・東京メトロ有楽町線 東池袋駅 徒歩9分
・JR山手線/都電荒川線 大塚駅 徒歩10分
築年数:1992年(築33年)
構造・規模:鉄骨造陸屋根3階建・延床面積183.8㎡
契約形態:定期建物賃貸借契約(10年)
現用途:国際交流シェアハウス「BORDERLESS HOUSE 池袋」
開発の概要
この物件は、朝日新聞の元新聞販売店。地域に根ざした新聞販売所としての役割を終え、2019年から空き物件となっていた建物です。
多くの新聞販売店と同じように、1階は事務所兼作業場、2〜3階はスタッフの方の寄宿舎として利用されていました。
オーナーである朝日新聞社様は、売却、建て替え、利活用という選択肢で検討をすすめていました。以前からお付き合いのある東京建物のご担当者様からオーナーをご紹介いただいたことで、この物件と私たちボーダレスハウスが出合いました。複数の選択肢の中から投資対効果の面で、ボーダレスハウスでの利活用が決まりました。
1.物件評価・意思決定 ー「これは良い」第一印象で感じた理想的な間取り
実際に物件を見て、「この建物の良さをそのまま活かしたシェアハウスができると思った」と話すのは、物件開発担当のチャン。「まさに理想的な間取りで、ボーダレスハウスとしての活用イメージが沸きました。」

物件評価のポイント
・立地もよく魅力的なロケーション
・すでに居室があり、大きな間取り変更が不要。改装費も抑えられる
・部屋数も多いところも嬉しいポイント
・建物自体は古く、雨漏りする箇所も見られたものの、これまでの経験から十分に改修可能と判断できた
「建物の構造上、居室にあがるためには、1階の元作業場を必ず通る導線になっています。一般賃貸には不利な要件ですが、入居者同士の交流を目的としたボーダレスハウスにはむしろ理想的でした。」(チャン)
オーナーの懸念は「近隣理解」
具体的な検討に入る段階で、オーナーが一番大切にされていたのが、近隣にお住まいの方からの理解でした。
ここは、長らく地域に根ざし「朝日新聞」の看板が出ていた場所。
その建物を引き継ぐ事業として、地域の方の理解は得られるか。
ボーダレスハウスは近隣にお住まいの方とどのような関係性を築いてきたのか。多くのご質問をいただきました。
ボーダレスハウスは「国際交流」という明確なコンセプトのもと、入居者の体験価値をつくるソフト面・運営面にこそ強みがあります。
・オープン前から行う近隣の方との関係構築の事例
・ボーダレスハウスに住む入居者の特長
・入居者と結ぶ契約書面
・日常のルールの徹底方法
・運営スタッフの関与方法と頻度
・トラブル発生時の窓口と対応フロー
など、実際の書面やこれまでの事例をご紹介しながら、オーナーからの質問に一つひとつお答えしていきました。
最終的には、事業の信頼性を感じていただき、ボーダレスハウスにお任せいただくことになりました。
2.開発 ー最小限の改修で「うちの子も住ませたい」場をつくる
改修は最小限に
ボーダレスハウスの改修の視点は、「入居者間のよりよい交流体験が生まれる場所をつくる」こと。事業の明確なコンセプトが、コストを抑えた最小限の改修を可能にしています。
本物件は延床200㎡未満であり、また、もともと寄宿舎用途が含まれていたため、用途変更は不要でした。
主な改修は下記の通り。
・1階の壁を撤去し、広い共用部を確保
・雨漏り、壁、床などの劣化部分を優先的に改修
・居室内の吊り戸棚など不要な設備は撤去
・居室フロアのシャワーブース・洗面台を移設・増設
※総投資費用概算 約2200万円


当然、現場では想定外も起こりますが、「直せる範囲」「活かせる部分」を見極めながら、大きな計画変更なく開発を進めていきました。
今回のケースでは、物件の回収費用ならびに居室に必要なベッドや冷蔵庫、エアコンなどの設備はオーナーに初期投資いただきました。
「自分の子も住んでほしい」という声
改修後、オープン前にオーナーである朝日建物管理の社長や担当者の方々、ご紹介いただいた東京建物の方など、関係者をお招きしたハウス案内を実施しました。
オープン前のハウス案内は、運営をイメージできるよう家具など全て入れた状態で行っています。
「何十年も前にこの建物に来たことがあるという方もいて、『こんなふうに生まれ変わるんだ』と喜ばれていた姿が印象に残っています。『うちの子も住ませたいなぁ』と言ってくださるのも嬉しいですね。」(チャン)


近隣の方の反応
ボーダレスハウスでは、オープン前に必ず、近隣の方へチラシを配布するとともに、近隣にお住まいの方を対象にした説明会を実施しています。
「このシェアハウスではオープン前の近隣説明会への参加者は多くはなかったものの、改修工事中にたくさんの方から『何ができるの?』と声をかけていただいていたので、自然と受け入れていただいていたのかもしれません。」(チャン)
3.オープン後の実績 ー入居者が自然と仲良くなる間取り
帰ったら、「おかえり」の声が聞こえる間取り
この物件の最大の魅力は、玄関から入るとまず1階のリビングを通って居室へ向かう動線。帰宅すると、まず入居者と顔を合わせる間取りとなっています。この元新聞販売店の物件の特徴が、ボーダレスハウスには最適でした。
「リビングにみんながいるから、ちょっと降りてみよう」そんな行動が、毎日の暮らしのなかで自然に生まれています。
人工芝を敷いた土足禁止の共用部ではヨガが行われたり、入居者同士がリラックスして集まる場になっています。


オープン後、数週間で満室稼働へ。
2025年3月にオープン。募集開始から数週間で満室となりました。
「このハウスは入居者同士がとにかく仲が良い。リビングを中心に交流が生まれている好例だと思います」と、シェアハウスの運営スタッフであるコミュニティクリエイターからの評価も高いハウスとなりました。
入居者同士の関係性も良好。オープンから現在まで住み続けている方もいて、このシェアハウスでの暮らしの満足度を表しているように思います。心配されていた、近隣トラブルも報告されていません。

まとめ
元新聞販売店の特性を一棟そのまま活かして
一般賃貸には使いづらい。居室に水回りがない。こうした条件は、国際交流シェアハウスとの相性が非常に良い要素でした。
今回ご紹介したのは、「元新聞販売店」「築30年超」「一般賃貸では評価しづらい」という条件を持ちながらも、入居する若者たちがにぎわう国際交流シェアハウスとして生まれ変わった転用事例です。
ボーダレスハウスでは、売る・建て替えるのほかに、遊休物件の利活用策として国際交流シェアハウスという選択肢を提案しています。 「この物件はどうだろう?」と思ったら検討段階でも構いません。ぜひお気軽にご連絡ください。
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「ちがう」を越えて、人と社会をつなぐ。ボーダレスハウス株式会社

私たちボーダレスハウス株式会社は、国籍やルーツ、生まれた場所、性別などのさまざまな「ちがい」に関係なく、一人ひとりの多様なアイデンティティが尊重され、つながっていく体験とコミュニティをつくりたいと強く思っています。
「“ちがう” を越えて、人と社会をつなぐ」というビジョンの下、出会いやつながりが多文化共生社会への一歩になると信じて、差別偏見と向き合うソーシャルビジネスを社会に広げていきます。
