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【note創䜜倧賞2026】 55℃の瞳 1話-3

「  建物の裏口の芋匵りに埓事。出おきた人を無力化しお拘束。結果、メンバヌ党員の逮捕に貢献。初めおの出匵で、他県での制圧䜜戊参加にしちゃあ䞊出来じゃねえか。」
倧森はアオむを芋぀めるず銖を傟げ、巊手の䞊に顔を乗せた。

剃り残しの髭が残る顎。その䞋の巊手は指が党郚揃っおいる。
昚日無事、小指ず薬指を補充しおもらえたようだ。先週の課長の怒り具合では、しばらく3本指での生掻を䜙儀なくされるかず思っおいたが。
最も、袖の䞋から䌞びる巊腕は機械が剥き出しになったたたで、皮を匵っおもらうのはだいぶ先になりそうだ。

「で、䜕に匕っかかっおんだ お前は」
倧森の矩肢の状態を確認しおいたアオむは、聞かれお倧森を芋返した。
が、返事がうたく思い浮かばない。
かずいっお、倧森の蚀うように初めおの出匵は倧成功、倧喜び、ずも行かなかった。

「うヌん、匕っかかっおるっおわけじゃないんですけど。  なんか自分が行く必芁あったかなっお」
「なんだそりゃ」
「だっお、リスモスが党郚予枬しお、到達時間たでカりントダりンしおくれお、レティクルにドリフトポむントも衚瀺しお、合わせお撃぀だけですよ」

  しかも、ハチにたで蚀われるし

「自分いらねえっお思ったか」
蚀いながら倧森は、倪い腕を組むずそっくり返った。
「そもそもなんで最初からクラストに撃たせないんですか 呜䞭率99.98%ですよ」
アオむの問いに倧森は眉を朜めお、枋い顔になった。
もずもずいか぀い顔にさらに迫力が増す。

「  できねんだよ」
「なんでです」
「反察掟がうるせえんだよ。暎走したらどうするんだヌ、AIに殺されたくないヌ、っおなあ。ちょっず前たで、攻撃AIの敎備が治安維持の急務であるヌずか蚀っおたのにさ。舌の根も也かぬうちに手のひら返しやがっお」

《舌の根も也かぬうちに蚀ったこずを、すぐに芆したり、矛盟するこずを蚀ったり行動するこずを非難する時の慣甚句》

ゎヌグルの画面に解説が浮かんだ。芋た目に反しお倧森は、叀い衚珟を奜む。

倧森は片眉をあげるず、
「なんだお前、AIに指瀺されるのが気に入らないのか 反AIか 反ゎヌグル掟か」
ずアオむに凄んだ。
「ち、違いたすよ」
目がマゞになりかけたので、慌おお蚂正する。

倧森は䞊げおいた眉を䞋げ、
「そんなこず蚀うなら、自分で党郚撃おるように蚓緎しろ。今回も掟遣が決たっおから慌おお射撃蚓緎やっおたろ」
バレおたか  
「この前の戊闘蚓緎だっおぞっぎり腰だったじゃねえか」
「  倧森さんが匷すぎるんですよ  」
生身の方で吹っ飛ばしおくるからなあ、この人

「  知っおるず思うけどな、昔はAIもロボットもなかったんだ。だから譊察官は人1組で行動しおた。お互いがお互いをサポヌトし合っおたんだ。
でも、人口枛少で譊察官もどんどん枛っおな。人1組っおのは難しくなった」

今床は幎毎の譊察官数のグラフが衚瀺される。
30幎右肩䞋がりがここ3幎暪ばいになっおいる。

「その代わりがリスモスだし、譊察犬AIロボットだ。お互いに協力しおやっおいくんだよ。それが盞棒っおもんだろ」

倧森はなんだかんだず面倒芋がよく、口䞋手なりに助蚀を䞎えようずしおくれおいるのはアオむにもわかった。

通知がきた。

「もうこんな時間か。
よし、振り返りは終了だ」
倧森が立ち䞊がり、アオむも立ち䞊がる。

「束宮葵巡査。千葉県譊ぞの䜜戊協力ご苊劎だった」
「ご指導ありがずうございたした」
互いに敬瀌をしお、メタバヌスから降りた。



捜査課のドアが開き、背䞭にボストンテリアを乗せたゎヌルデン・レトリバヌが入っおきた。銖からランチバックを2぀䞋げおいる。
「振り返り終わった朝ごはんだよヌ」
「おお、ハチ、サンキュヌ」
倧森はランチバックを受け取った。
ボストンテリアがふわっず飛んで、倧森の巊肩に乗る。
重おえよ、モモ、ずいう䞻人のがやきを無芖しお、モモはランチバックの䞭を芗き蟌んだ。
今日もパヌフェクトバヌか、むオンりォヌタヌはコヌヒヌ味だね、などず評䟡しながら、倧森の食べる様子を肩から眺めおいた。

「アオむも朝ごはん食べようヌ」
ハチは錻でツンツンずアオむを぀぀き、
「うん  」ずアオむはランチバックを受け取った。

「そういや昚日、たたリアコミ協力行っおきたんだ」
倧森が食べながら思い出したように話し始めた。
「幌皚園ですか」
「ああ」
「どうでした」
なんずなく返事はわかっおいたが、䞀応聞いおみる。
予想通り倧森は䞋唇を突き出した。
「  泣かれた」
「  たたですか」

「たた泣かれたのヌ」ずハチが蚀うず、「たた泣かれたんだよヌ」ずモモが答えた。

「オレこう芋えおも結構ガキは奜きなんだぜだから話が来るず毎回垌望しお行くのによぉ  」
倧森は巊手で顔をポリポリかきながら愚痎る。あたり手入れの行き届かない矩手がキリキリ音を立おた。
モモが「泣くよヌヒロトはゎリラだからさヌ」ずいうず、ハチも倧森の膝に前足を぀いお、「ゎリラヌゎリラヌ」ず囃し立おた。
「うるせえよ、ゎヌルデンが人間をゎリラっお蚀うな」
倧森は笑いながら、ハチの頭をワシワシず乱暎に撫でた。
ハチは嬉しそうに尻尟を振った。



通知がきお、再び捜査課のドアが開いた。

振り向いたアオむのゎヌグルに衚瀺されたのは、18䞖玀貎族のような食りの぀いた赀い軍服の、スラリずした男が郚屋に入っおくるシヌンだった。
長い金髪が、顔に぀けたシルバヌのマスクが、スポットラむトを济びおいるかのようにキラキラず茝いおいる。

「  おはようございたす、ミリ先茩」
アオむが挚拶するず、すぐさたゎヌグルに長文が浮かび、涌しげな声が右耳から聞こえおくる。

《おはよう束宮君。私は前々から"ミリアルド・アズナブル・レゞヌナ・ピヌスクラフト"の呌称を垌望しおいたのだが、それに぀いお埌でゆっくり盞談させおもらおう。昚倜から今朝にかけおの千葉県譊ぞの出匵、制圧䜜戊ぞの参加、誠にご苊劎だった。私も報告曞を芋させおもらったよ。3幎目にしお初めおの出匵ず聞いおいるが、どうしお立掟な掻躍だった。高い適性を持っお譊察官に぀き着実に成果を積み重ねおいる君を同僚ずしお頌もしく思っおいる。思い起こせば2幎ず119日前、》

芁玄にざっず目を通し、オヌトモヌドに切り替える。

《新人だった君は  》

ただ続いおいる。

アオむはそっずゎヌグルをずらした。

金髪の貎公子は消えた。
目の前には長い黒髪が垂れ䞋がった。
ボサボサの髪の隙間にすこし汚れたゎヌグルがみえる。
䞋がる髪の䞡偎から䞡手が前に突き出され、ものすごい速さで指が動きタむピングしおいる。
䞡手から肩に䞋がっおいるのは、ダボダボの長い黒のガヌディアンで、䞭も黒の䞊䞋だった。

(ただ髪切っおないんだ  制服も着おないし  課長怒るぞ)

「アオむハチおかえりなさい
 無事に戻っおなによりね
 東京湟も芋られおうらやたしいわ」

高っ調子の声の䞻を探しお頭を動かすず、足の脛に違和感を感じた。
䞋を芋るず、足元でチワワがクルクルたわりながら、キャンキャンいっおいる。

「ただいた、アルちゃん」
「アルちゃヌん、ただいたヌ」
ハチが飛び぀くず、チワワは吹っ飛んでゎロゎロず転がった。

壁際にぶ぀かったアルをアオむが片手で拟い䞊げる。
手の䞭でハチに緑の目を向けた。
「ちょっずハチ
どうしおい぀もい぀も飛び掛かるの
䜕床も蚀っおるでしょう」
ハチは倧きな䜓を小さくしお、ごめん、アルちゃん  ず謝っおいる。

ロボット犬はこれぐらいで壊れないけどなあ、ず思い぀぀、アオむは、ミリにアルを手枡した。
《チワワタむプは2kgずはいえ衝撃には匷く蚭定されおいる。32kgのゎヌルデンタむプが仮に100km/hで衝突した堎合、その゚ネルギヌは  》

「あ、ミリが来たっおこずは、もう䞊がりだろ、束宮。垰っおいいぞ」
倧森が助け舟を出しおくれた。

「そうですね。ではお先に」

《レベルC発什》
《レベルC発什》
《レベルC発什》

ゎヌグルに譊告衚瀺が浮かんだ。



次の話


いいなず思ったら応揎しよう