にゃんだかなぁ【青ブラ文学部】CUTHOUSEショートショート
オレは魔法界の猫、ミケだにゃ。
ご主人様は、あのブチ切れみどりこにゃ。
どうもあの日以来、オレに当たりが強いにゃ。
ちゅーるをくれる時も、前までは
「はい」
だったのに、最近は
「自分で魔法使って開けて」
にゃんだかなぁ、悲しいにゃ。
オレは猫友達のタマにぼやいていた。
「みゃあ、ミケ。人間界へ行ってみないみゃ?」
「人間界?」
「そうだみゃ。人間界の猫たちは幸せらしいみゃ」
「なんでにゃ?」
「猫専用の部屋を作ってもらえたり、扉に猫専用の小さいドアまであるらしいみゃ」
「にゃ、にゃんとにゃ!」
「しかも何万円もするらしいみゃ」
「贅沢すぎるにゃー! 羨ましいにゃー!」
「どうだい? 行ってみるみゃ?」
「行くにゃー!」
こうして二匹の猫は、人間界へ行くことになった。
待ち合わせ場所は人間界にある
CAT HOUSE。
ところがミケは、道に迷ってしまった。
その頃タマは、先にCAT HOUSEでちゅーるパフェを食べていた。
「ミケのやつ、遅いみゃー。もうすぐ可愛いにゃんこちゃんたちの、またたびダンスが始まっちゃうみゃ」
一方その頃。
「早くしないと、またたびダンスが見られなくなるにゃー!」
ミケは必死に走っていた。
「あっ! 見つけたにゃ!」
勢いよく飛び込む。
チリン。
「いらっしゃいませ」
「今日はどのようにいたしましょうか?」
「えっ? わからんにゃ。お任せにゃ」
「かしこまりました」
シャッ。
シャッ。
シャーーーーッ。
「いかがですか? これから暑くなるので、サッパリしましたよ」
「にゃ……?」
「にゃにゃにゃにゃんとーーー!!」
その頃には、またたびダンスも終わり、ちゅーるパフェもきれいになくなっていた。
ギイ。
チリーン。
「ミケ! 遅いみゃーーーん!」
タマが振り向いた瞬間、固まった。
「ど、どうしたみゃ……」
「なんで丸刈りみゃ?」
ミケは泣きそうな顔で叫んだ。
「オレ……オレ……
CUT HOUSEに行ったにゃーーー!」
タマは天井を見上げた。
「みゃー……」
ミケはニャーニャー泣いた。
「せっかく人間界に来たのににゃ……」
「みどりこに、余計嫌われるにゃ……」
しょんぼりしているミケの肩を、タマが肉球でポンポンと叩いた。
「ミケ、大丈夫みゃ。丸刈りだって可愛いみゃ」
「ほんとにゃ……?」
「うん。本当は、みどりこだって怒ってないと思うみゃ」
ミケは少し元気を取り戻し、二匹は魔法界へ帰った。
家に着くと、みどりこが玄関で待っていた。
丸刈り頭を見た瞬間――
「……ぷっ」
「あはははは!」
久しぶりに聞く笑い声だった。
「にゃ、にゃんとにゃ……」
「そんな頭で帰ってくるなんて、ミケらしいにゃ〜」
そう言って、みどりこは久しぶりに
「はい」
と、ちゅーるを差し出した。
ミケは丸刈り頭をなでながら思った。
にゃんだかなぁ。これはこれで悪くないにゃー。

山根あきらさんの「企画」
『にゃんだかなぁ🐈』に参加させていただきました。
いつもありがとうございます。
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ミケの飼い主『みどりこ』のお話はこちら↓↓↓
前回のお題はこちら↓↓↓
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