そうだ、お遍路へ行こう(六~十ニ番札所)中編【ガチ旅日記63】お遍路編3
沖縄の石垣島や小笠原諸島を含む、47都道府県を制覇したアラフィフによる、全力の旅行記「ガチ旅日記」。
現在は四国八十八ヶ所霊場を巡る「お遍路編」を、毎週月曜日に更新中。今回は追加で金曜にも公開。
お遍路の記事リンク集を作成している。
今回は、1泊2日で徳島県の札所を巡った日の2回目。前編↓の裏話だ。
七番札所・十楽寺の出会い
七番札所・十楽寺で納経(御朱印)を頂きに来た時、「事件」は起きた。
なにやら外国人観光客の男性2人を相手に、職員さんが困っているよう。「英語は話せますか?」と尋ねてきた。
こちらはTOEIC945なのに、
仕事は純ジャパで一切報われぬ身だ。
張り切らないわけがないw
職員さんによると、男性2人の歩き遍路だが、この付近で今夜の宿がないと。
初耳だったが、お遍路さんが泊まる宿坊は、人が少ない夏冬は休みも多いそうだ。話を整理すると…
近くに宿はなく、泊まりたければ今日中に十一番まで行くしかない。
なるほど。
で、2人に話を聞くと…
当日朝に第一番札所をスタートし、午前中で既に21km歩いた。
軍隊かよ!!
速すぎん?!
そしてさらに、
十一番札所まで残り20km以上ある。
この日の予想最高気温は38度。
はい詰んだorz
冗談抜きで命に係わる問題だ。
解決策として職員さんは、タクシーで十一番まで行くことを提案したが、その場合パスした八〜十番をどうするか、頭が痛い。
勇者ヒンメルならそうした
ここでふと思い出されたのが、私の好きな「葬送のフリーレン」で、行く先々で困っている人を助けた勇者ヒンメルの話。
魔王を倒した勇者なのに、旅先の村で荷物運びまで手伝ったほどだ。
それに対して今の状況。
私は車遍路で席は空いている。
英語が話せる(むしろ話したい)。
自分自身が十一番札所まで行く予定。
困っている2人(+職員さん)を放置し、38度の炎天下、無理して異国の地で40km歩いたらどうなるか…。
これはもう、乗せてやるしかない。
まさに「勇者ヒンメルならそうした」だ。
同時に思ったのが、そもそもお遍路は、弘法大師の修行の地をたどるものだ。
その弘法大師自身、先々が水不足なら水脈を当て、病に苦しむ人を治してあげ、安産に導き、化け物が出たら法力で退治した。
各札所に残っているのは、そんなエピソードばかりだ。
まさに平安時代の勇者ヒンメル。
そう思えば、人助けはヒンメルだけでなく、「弘法大師ならそうした」でも同じだ。
お遍路の趣旨にもあっており、助けてこそ修行では…などと短時間で考えを巡らせた。
そして、十一番札所近くの宿坊を予約してあげ、八番~十番を車で一緒に回り、宿坊まで送ることにした。
ちなみに、お礼で職員さんがペットボトルのお茶をくれた。
キンキンに冷えてやがるッ!
いざ、3人の珍道中の始まりだ。
NZ・オークランドの2人組
2人はニュージーランド・オークランド出身の友人同士で、ダンとテッドという。
現地は真冬で、大体15度程度とか。日本は一気に35度以上だから、相当大変だろう。
2か月間、歩き遍路の予定で日本に来たバックパッカーだが、見た感じ結構年だったw
「なんでお遍路を?」と聞くと…
Adventure.(冒険)
いやadventureじゃねぇよ!w
油断してっと暑さで〇んでまうど!
そもそもお遍路は巡礼だぞ!!
ツッコミどころがありすぎる…。
十代の学生ならとにかく、推定三十代以上だから恐ろしい。オセアニア人はたいがいが大らかだが、こんなんで大丈夫かよ…。
第八番札所・熊谷寺
ここまで4km。境内の案内板を解説しつつ、一緒に参拝。
こちらはお遍路なので般若心経などを唱えるが、あまり待たせると悪いので手短に。納経はいただく。
旅先で困っている人を救ったのだ。お経が短いのを咎める弘法大師ではないはずだ。

多宝塔について「四国で最大・最古のtowerだってよ」と伝えると、2人もびっくり。
第九番札所・法輪寺
さらに2.5km。本堂の見学もそこそこに、日陰で休憩する2人。
というか、寺に興味なくね?w
マジで何しに来たんだ一体ww
第十番札所・切幡寺
ここまで4km。
三百三十三段の石段

「これ、333段の急な階段だってよ」と伝えると、顔を引きつらせる2人。
そりゃそうだろう、既に炎天下を20km以上歩いているのだから。これは同情する。
ここで一番愉快だったのが、steep slope(急坂)という言葉が口からスッと出た事。
TOEIC対策の8万問をガチで勉強した成果が、まさかのお遍路で出た!(steepはTOEIC頻出語)
ま、勉強の成果はこれ以外皆無だがorz
鐘楼
鐘を突くときの作法「合掌一礼→心を込めて優しく、一回だけ突く→ご本尊に願い事・感謝を込めて合掌一礼」を説明してあげる。

「強く突くと幸福が逃げてしまう」と解説すると、「Oh!」と納得した様子。
逆に「鐘を突いていい寺と、駄目な寺があるのはなんで?」と聞かれたが…。
そんなことは日本人でも知らん。
純粋に個別の寺の都合だろうw
第十一番札所・藤井寺の宿坊へ
三百三十三段の石段を降りて3人ともフラフラになった後、いよいよ目的地の第十一番札所・藤井寺の宿坊へ。
そしてこの道が、市街地なのにとにかく長い!なんと延々12kmもある。
2人が仮にすべて徒歩の場合、既に30km歩いた後の試練だったのだ。
車で回っているのに、既に午後1時半過ぎ、気温は38度。
歩いてたら、間違いなく〇んだよね…
俺たち日本語全く無理だから、
多分タクシーも呼べなかったろうな…
遠い目で吉野川を見ながら、
車内で沈黙する3人w
ようやく、私が予約を取ってあげた宿坊へ到着。スタッフも片言の英語が話せるだけなので、一通り通訳をして任務終了。
最後に「乗せてあげたのは、日本のことわざに『旅は道連れ』(Travel is better with company.)というのがあるからだ」と伝えると、3人で思わずニッコリ。
最後に旅の成功を祈って握手し、セルフィーを撮ってお別れした(便宜上載せるのは2人だけ)。

…改めて見ると、白髪のおっさんじゃん!w
「お遍路はアドベンチャー」じゃねぇよ!ww
彼らと別れてから、早くも2週間。今頃どこを歩いているのだろうか。いい加減な感じだったが、無事だといいのだが。
おわりに
濃密すぎるこの日のハイライトは、さらに後にあった…。長くなったので後編へ。
お遍路に限らず、質問は大歓迎!
著者:シーサー太郎
アラフィフのマルチオタク。趣味は旅行、「歌ってみた」のYouTube配信、三線弾き語り、短歌、筋トレなど。
2026年7月より、お遍路さんに挑戦。
