【留学】留学をして会社を辞める人たち
留学先で、日本人に出会うことは多い。
その中には会社のステップ休暇など、会社の制度・プログラムを使って留学している人もいる。
かくいう私もその一人だった。
おそらくそういう方たちは、会社に事業計画書のようなものを提出して「長期間休んで英語を学ぶ代わりに、帰国後は会社にこう貢献します」というような約束をして留学に来ているのだと思う。あくまでも建前だとしても笑
ところが問題は、留学したあと、みんな会社に戻らないことだ笑
もちろん全員ではない。
でも私の周りではかなりの確率でそうだった。
留学という新しい時間をもらう。
普段とは違う場所で暮らす。
会社以外の日常を知る。
日本で働き詰めだった日本人が突然、自分と向き合う時間を手にしてしまう。
そうなると、価値観が変わらない訳がない。
価値観が変わるというより、
本来の心の奥に眠っていたものが目覚めてしまうのだ。
自分の本心を知ってしまう。
そうするともう元の場所に、何もなかった顔で戻るのが難しくなる。
私も最初は、ステップ休暇を利用してフィリピンのバギオへ留学した。
建前としては、
「思いのほか英語の成果が出て、帰国した翌日に受けたTOEICで800点以上を取れたので、エアライン転職を目指そうと思いました」
ということになる。
それはそれで本当だ。
でも、本心ではもっと深いところで知ってしまった。
私は何に愛情を注ぎたいのか。
どこに向かいたいのか。
何をしているときに自分の心が生き返るのか。
そこにもう嘘がつけなくなってしまった。
それはそれで結構苦しいものだった。
そんなフィリピンで楽しそうな私の姿を見て、追加募集でステップ休暇を取得した同期がいた。
彼女は同じフィリピンでもセブ島へ留学した。
その子は元々グランドスタッフから客室乗務員になる夢を叶えて、おそらくCAになりたくてたくさん努力してきた、欠勤したことのないような真面目な子だった。
でも互いに帰国して再会したとき、彼女は打ち明けてくれた。
「私、退職してワーホリに行く」
苦労して掴んだ夢を手放しての決意。
いやCAをやっている本当の動機や今の本心など炙り出されてしまったのだろう。
とてもかっこよくて、なんだか自分のことのように嬉しかった。私は大いにその背中を押した。
こうして先に一人、仲間が巣立っていった笑
その後、ロンドンへ留学した際に、会社の研修プログラムを利用して留学に来ていた日本人の子に出会った。
その子が言っていた。
「歴代このプログラムで海外留学した人で、今も会社に残っている人はいないです笑」
笑った。
もはや会社の制度が社員の目を覚まさせる装置となっている。
その子もまた、私が行く先々で「仲間がほしい」という理由で、
「一緒にCAやらない?」
とナンパしていた子の一人で笑、最終的に「今度受験してみます」と言い出した。
そしてESを見てあげる約束をした笑
こうして私は、出会った何人もの日本人をCA受験をする気にさせてきたし、CAになった子もいた笑
留学先では、こういうことが本当によく起こる。
ワーホリに行く気なんてなかった子が「ワーホリ行こうかな」と言い出したり、
「CAはいいぞ」とやたら勧めてくる変なおばさんに出会ったり、
今まで考えたこともなかった選択肢が、急に現実味を帯びてきたりする。
人生の矛先なんて案外簡単に変わる。
留学で語学力が伸びるのか問題はまたおいおい語るとして笑、私の思う留学の本当の醍醐味は語学力そのものだけではない。
環境が変わること。
普段の日本の日常では出会わないような人と出会うこと。
今までの自分では選ばなかった価値観に触れること。
その中で、自分の本心に気づいてしまうこと。
そして、いい意味で人生を左右されてしまうこと。
人との出会いで、人生の流れが変わる。
ほんの一言で、行き先が変わる。
誰かの楽しそうな姿を見て、自分の中の眠っていた願いが起き上がる。
ただ私自身個人的に、自分が獅子座なので、他人への影響力が割と大きいことも自覚しているところもある。
だから発言に気をつけないと、とも思っている笑
獅子座がどんなイメージかわからない方には、BIGBANGのG-DRAGONを想像してほしい
古いか笑
今で言うなら、NiziUのミイヒちゃん、今日好きの金吾くんとかか笑
一旦周りを黙らせる人たち笑
それはともかく
留学というのは、単に語学を学ぶ場所ではない。
自分が本当はどこへ行きたいのか。
何に心が動くのか。
どんな人と一緒にいたいのか。
どんな生き方に憧れているのか。
それがかなり容赦なく見えてしまう場所だと思っている。
だからこそ、留学後に会社を辞める人が多いのも、私はそんなに不思議ではない。
それは逃げではなく、
ようやく自分の本心に追いついた結果なのかもしれない。
もちろん、安定した場所に戻ることも素晴らしい。
会社に戻って、そこで得た学びを活かす人もいる。
でも、もし留学をきっかけに心が大きく動いてしまったなら、
その流れをなかったことにしなくてもいい。
大きな流れに乗ってみる。
少し大胆に舵を切ってみる。
今までの自分なら選ばなかった道に、足を踏み出してみる。
そういう人生も、私はいいと思っている。
とても素敵だと思っている。
そのおかげで今、私は当時ぼんやりと描いていた未来の中に少しずつ立てているのかもしれない。
もちろん、留学したから必ず人生が変わるとか、海外に行けば正解が見つかるとか、そんな単純なことを言いたい訳ではない。
けれど少なくとも私にとって、バギオで過ごした時間とそこで出会った人たちは、自分の本心に気づく大きなきっかけだった。
今でもふと、あの山の夜景を思い出す。
一緒に笑った人たちの顔を思い出す。
あの時の空気や会話が今の私のどこかに残っている気がする。
人生を変えたのは、留学そのものというより、
そこで素直になれた自分と、
その自分に出会わせてくれた人たちだったのかもしれない。
だから私は、あの時間に心から感謝している。
留学は、語学だけを連れて帰る場所ではない。
本当の自分を連れて帰ってくる場所なのだと思う。


実際にこんな景色を見てしまったら、心の動かない人はいないと思う!
