んちゃ!ビッグマックを溢さず食べたい僕のQOL
んちゃ!
まずは、大きく口を開けよう。
ビッグマックを食べるとき、中途半端な覚悟でかぶりついてはいけない。遠慮がちに口を開ければ、反対側からレタスまで「んちゃ」と顔を出す。慌てて押し戻そうとすると、今度はソースが横から「ほよよ」と垂れてくる。
以前は、ビッグマックをラップで包んでもらうことができた。多少強引にかぶりついても、飛び出したレタスやソースを包み紙がガッチリ受け止めてくれる。何が飛び出しても、だいたい食う。まさにビッグマック界のガッちゃんである。
ところが、そのラップ包装のサービスが終わってしまった。現在の僕たちは、全裸同然のビッグマックと素手で殴り合わなければならないのだ。

ビッグマックは箱を開けた瞬間が、もっとも美しい。三枚のバンズ、その間に二枚のパティ、チーズ、レタス、ピクルス、そして例のソース。まだ誰も右へ左へ逃げていない。記念撮影をするなら今である。
まずは持ち方から説明しよう。親指を下のバンズへ、人差し指と中指を上へ添える。薬指と小指は側面の守備である。十本の指すべてに役割がある。
人類が五本指へ進化したのは、いつかビッグマックを完璧にホールドするためである。
準備が整ったら、いざ実食。三枚のバンズと二枚のパティを、可能な限り同時に口へ収めよう。ここで顎の可動域を惜しんではいけない。自分でも「ほよよ」と驚くくらいの角度で開けるのだ。
んちゃ!
まだ形は崩れていない。二口目も成功した。
僕は少し楽しくなってきた。なんだ、ラップなんかなくてもいけるではないか。
三口目。レタスが溢れ落ちた。
まだ大丈夫。ペンギン村でうんちくんが道端に落ちているようなものである。
問題は四口目だった。
下のバンズが少し右へズレた。右手の小指で押し戻せばいい。そう思って力を加えた瞬間、今度は上のバンズが左へ動いた。
ほよよ?
僕は両手で上下からそっと押さえた。
ブビビビビッ。
特製ソースをまとったレタスが、親指とバンズの隙間から箱へダイブする。その中にピクルスまでいる。お前はいつからそこにいた。
ペンギン村ならそのまま「バイちゃ!」で済むが、これは昼飯である。
顔を前へ突き出し、落ちそうなレタスを迎えにいく。右からパティが出れば右をかじり、左からソースが垂れそうになれば左へ回り込む。
もうテーブルマナーもへったくれもない。ニコチャン大王ですら、もう少し上品に食べると思う。
無我夢中で駆け抜け、どうにか最後の一口までたどり着いた。ごちそうさまと手を合わせ、僕はゆっくり箱を見た。
そこには無惨に散らばったレタス、ソース、ピクルスの欠片。潔癖症のチャーミー山田が見たら悲鳴を上げ、黄色いテープを貼って僕を箱から遠ざけるだろう。

これを「完食」と呼んでいいのだろうか。やはりラップ包装は必要だったのではないか。
僕はキーーーーンと飛び、マクドナルドのCEOへ、この問題を強く訴えようと思った。
「ええか、モスバーガーを見習え!」と。
翌日、僕は偵察のためにモスバーガーを食べた。

食べ終わって包み紙を開くと、底には大量のソースが残っていた。
CEOへの連絡はやめた。
どうやらラップ包装の問題ではなかったらしい。
🍔 あとがき

んちゃ!残念でした😏✨
「ん」で終われば、さすがに誰も続けられない。そんな優しさから工場長さんは「カトキチの冷凍うどん」を置いていってくれたようですが、世の中には「ん」で始まる便利な挨拶があります。
ありがとう、アラレちゃん。
おかげさまでビッグマックまでたどり着くことができました。
ちなみに、工場長はスポンサー送りの逮捕状が出てますよ🚨

さて、せっかく救われた命である。このバトンを誰へ託そうかと考えていたところ、コメント欄で「バトンが欲しい」と訴えてる方が何名かいらっしゃいました。
これ以上犠牲者を出さないために終わったはずなのに、自ら犠牲者になりたがっている。
本人の意思は尊重したいと思います。ノリ地蔵さん、猫めがねさん、satoshiさんどうぞ💌
タイトルは『んちゃ!ビッグマックを溢さず食べたい僕のQOL』
なので、「L」から、始まるタイトルでお願いします。「る」ではありません。「L」です😏✨
そして、もう一人。

プロフィール欄に、【バトンを回したら主催者に戻す確率…119.9%】と書いている人物を発見しました。
……119.9%。
そこまで言うなら、確かめてみようではありませんか。
銀狐監督さん、どうする?🤗
119.9%の確率で戻ってくるバトンが、三本に増えていないことを願っています。

更に、驚いたことがありまして。
なんと「#エッセイしりとり」が、noteの急上昇2位に入っていました🥈
……ほよよ?
思いつきで始めた夏祭りが、いつの間にこんなところまで来たのでしょう。バトンをつないでくださった皆さん、読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。
それでは皆さん、
バイちゃ!
