~タオルが乾くまで〜
「これじゃぁ乾かないでしょ」
仕事から帰ってきた妻が、取り込んだタオルを見るなり、そう言った。
「なんで言ってもわからないの?」
どうやら私は、また何かを間違えたらしい。
うちには犬が二匹いる。突然「バン!」と言って、キョトンとしてる犬に、「なんでひっくり返らないの」と怒ったら、芸より先に飼い主の機嫌を覚えるだろう。
私も今、だいたいそんな状態である。
朝、洗濯機を回したのは私。角ハンガーにタオルを干したのも私。空が暗くなってきたので窓の外を確認し、雨粒が落ちる前に救出したのも私。
ついでに言えば、この後乾いたかどうか確認し、畳んで棚へ戻すのも私である。
タオル同士の間隔なのか、掛ける位置なのか。妻の中には「正しい干し方」があるらしい。
「なんで言ってもわからないの?」
まだ一回目である。私の記憶が正しければ、具体的な干し方のレクチャーなど一度も受けていない。
しかもややこしいのは、毎日タオルを洗ってから畳むまで、私が担当していることである。
まだ湿っているなら、もう少し干しておけばいい。翌朝、私が触って確認し、乾いていたら畳む。干し方がどうであれ、最終的に棚へ乾いたタオルが戻れば、私の中では任務完了である。
そもそも私だって、妻のやり方を見ていて気になることはある。たとえば掃除。私なら棚や家具の上から先に埃を落として、最後に床を掃除する。
ところが妻を見ていると、「そこを先にやったら、あとでもう一回床やることにならん?」と思っている。
でも、言わない。妻が掃除しているからである。
二度床を掃こうが、三度掃こうが、本人がそれでいいなら好きにすればいい。私が横から掃除機を奪って、「違う違う、まず上から!」と指導する必要もない。
タオルも同じではないだろうか。
たとえ、私の干し方がタオル業界から永久追放されるほど間違っていたとしても、最後には乾いたタオルが棚へ戻っている。途中の「バン」でひっくり返らなくても、頼んだボールを持って帰ってきたなら、とりあえず「よし」でいいやんけ。
翌朝、昨日取り込んだタオルはしっかりと乾いていた。私は角ハンガーから外し、畳んで、いつもの棚へしまった。
誰にも怒られない。平和な一日である。
どうやら今日の私は、ちゃんとできたらしい。まぁ、怒られなかったからといって、正解とは限らない。それを正解だと思い込んできたから、私は今も何を覚えればいいのかわからないのである。
とりあえず妻に「バン!」と言われたら、次からはコインランドリーへ失踪しよう。
タオルが乾く頃には、たぶん帰ってくる。
今回のバトンは「~」で始まるタイトル。ちゃめさんから「『~』始まりが気になります」と渡していただいた。

全く「~」で考えず、ごめりんこ🍎😁
とりあえずタオルは乾いたので、よしとします🧺💨
そして、コロッバー師匠、ぱっちーさん、龍太さん、かほさん、諏訪さん、s.a.k.a.iさん、ユキトさんが、ろくねこさんが、この「~」を美味しく調理してくれました😋🥘✨
もう「〜」の大喜利大会ですね(笑)ありがとうございます🌟
