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🟡掌編小説|転生したら魔王だったので世界中の男をみんな完食しちゃいました

 という訳で人口が半分になってしまった。頑張って子作りしなければならない。

 だがなあ……嫌がる女を無理やりというのも気が引ける。まずは、まあ、何だ、魔王様となら是非ともそうなりたい、いやそりゃないか、少しくらいなら構わない、無しじゃない、嫌だけど仕方ない、という候補者を募ろうかと思う。

「随分とまた自信のなきことじゃな」

 そういうお前は──誰だっけ?

「姉じゃよ、姉、先代魔王じゃ」

 姉がいる設定なのか。まあよかろう。とりあえずポスターを100枚ぐらい発注してくれないか。そんでこれは経費で落とせるのか、補助金は出るのか?

「何を訳の分からぬことを言っておる。端から展開を予想して全世界に告知済みじゃ」

 なんと手回しの良い魔ネキ!

「そして候補者をひとり謁見室に待たせてある。見定めてくるが良い」

***

 えーと。魔王です。初めまして。

「ソフィアと申します」

 うむ。ソフィアとやら。そなたは魔王の子を、は、はら、孕みたいと申すか。

「わたしには将来を約束した婚約者がおりました」

 そうか。そなたの婚約者は勇者かな?

「わたしにとっては大切な方です」

 勇者ではないのか。だがお前らの子が勇者になるかもしれん。だから食べてしまったのだ。

「魔王様、魔王様のお子様とて勇者になるかもしれません。ご自分のお子様も全て食べておしまいになりますか?」

 わしの子が勇者になどなるものだろうか。

「この世界に勇者が出現する確率は新生児の0.1%でございます。そして、魔王城に到達する者がそのうちのさらに0.1%、実際に魔王を討伐する者となるとさらにその0.1%でございましょう」

 ずいぶん少ないじゃないか? 少なかろう?

「ですが魔王様はその可能性さえ恐れてわたしの婚約者を食べておしまいになりました」

 ううむ。

「その道理が通るなら、魔王様、魔王様はご自分もお食べにならなければなりません!」

 魔ネキ! 魔ネキはいるか!

「大声を出すでない。先程からここにおるわ」

 ソフィアの申していることは正しいのか? え?

「筋は通っておる」

 ソフィアとやら。そなたの言い分は分かった。して、何が望みだ?

***

 おえっ! うげっ! ごぇえ!

「少々聞くに耐えぬ。早く済ませなされ」

 そんなこと言ったって、魔ネキ、本当にこのやり方で良いのか?

「もっと奥深く指を突っ込んで、そして早くわたしの許婿も吐き出しておくれ!」

 え? オロロロロロロロロ。。

***

 全て吐き出したら世界が元に戻ってしまった。何となく割り切れん。予想と違う結末だし魔王に転生した意味もよく分からない。食べて、吐いただけじゃないか。

「何をぼやいておるのじゃ、お前さん、ソフィアは勇者史上最も賢い勇者じゃないか。彼女を讃えなされ! そして最後にキメ顔でもキメておくのね!」

 お、おう(キラーん)

つづく

🟡1153文字


【附記】

姉という存在を初めて書いた。

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986字
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