青潮
青潮(あおしお)は、海中で形成される貧酸素水塊による影響に伴って生成される硫黄などがコロイド化して海面が青白く濁る現象。実際には河川からの栄養源供給、海底での細菌による分解活動、気象(気温や風など)や海象(水温や水深など)といった複数の条件が合わさって発生する現象である[1]。三河湾などでは苦潮ともいう[2]。
原因
[編集]窒素やリンなどの無機栄養塩類を栄養源とする植物プランクトンが増殖することに起因する[1][2]。特に夏期には太陽光エネルギーが大きく水温も高くなることからしばしば大増殖を引き起こす[1]。
増殖した植物プランクトンが栄養源を取りつくして死滅すると、海底付近では細菌による分解が活発になるが、特に好気性細菌が海水中の酸素を多く消費して貧酸素の状態となる[1]。さらに夏期には上層の水温が高く軽くなるため、酸素の多い上層水が海底付近に届かなくなり貧酸素の状態が強まる[1]。
貧酸素の状態となった海底付近では嫌気性細菌の活動が活発になるが、特に嫌気性の硫酸還元菌が海中の硫酸イオンを使って分解を行うようになり、その過程で硫化水素が生成される[1]。この硫化水素は海水の上下混合や海面の風の影響などによって上層付近に運ばれることがあるが、そのとき化学反応や硫黄細菌の働きによって硫黄や硫黄酸化物(硫酸イオンなど)が生成され、このうち硫黄がコロイド粒子となって光散乱を起こすことで青白く見えるようになる[1]。なお、硫化水素の成分が残っている場合は卵の腐ったような臭いを伴うが、化合物とは異なり純粋な硫黄粒子は無臭であることから、青潮状態でも臭いがしない場合や青潮にならずに卵の腐ったような臭いだけの場合(硫黄粒子があまり生成されていない場合)もある[1]。
対策
[編集]対策として第一に海底付近の貧酸素状態の改善が挙げられている[1]。具体的な方法として空気を海底へ送り込んだり上下の海水をかき混ぜることが検討されている[1]。
第二にプランクトンの増殖の抑制が挙げられており[1]、具体的な方法として窒素やリンなどの無機栄養塩類の流入を抑制することが挙げられている[1][2]。