AGV (鉄道車両)
| AGV | |
|---|---|
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イノトランス2008で展示されたAGV | |
| 基本情報 | |
| 製造所 | アルストム |
| 製造年 | 2008年 - |
| 主要諸元 | |
| 軌間 | 1,435 mm |
| 電気方式 |
交流25,000 V 50 Hz (架空電車線方式) |
| 最高運転速度 | 300 km/h[1] |
| 設計最高速度 | 360 km/h[1] |
| 編成重量 | 272 t |
| 長さ |
22,800 mm(先頭車) 17,300 mm(中間車) |
| 幅 | 2,985 mm |
| 床面高さ | 1,155 mm |
| 主電動機 | 永久磁石同期電動機 |
| 制御方式 | VVVFインバータ (IGBT) |

AGV(アジェヴェ、Automotrice à Grande Vitesse/オトモトリス・ア・グランド・ヴィテス、「高速自走車両」の意)はフランスのアルストム社による高速電車である。TGVの次世代車両として開発され、従来のTGVの動力集中方式に対して動力分散方式を採用した。2008年に試作車が完成、2012年にイタリアのNTV社が営業運転に初投入した。
なお、AGVはアルストム社の登録商標(国際登録第740834号)である。
技術上の主眼点
[編集]TGVと同様に連接台車を採用するが、AGVはICE 3や新幹線と同様の動力分散方式が採用された[1]。主電動機は2007年に鉄路走行車両の速度記録を更新したTGVのV150編成で実験された永久磁石同期電動機が採用されている[2]。
設計上の最高速度は360 km/hであるが、営業運転では信号設備の関係で当面250 - 300 km/hに抑えられる予定である[2]。
編成の最高出力は7,500 kWとTGVより少ないが、動力分散方式の採用と機器類の軽量化により、出力重量比は22.6 kW/トンと向上した[2]。TGVと比較して1席あたりのエネルギー消費量は30%削減、前後の動力車がないことで編成長に対する乗車人数は20%増加した[2]。
採用例
[編集]NTV
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AGVの営業運転投入は、TGVを運用するフランス国鉄ではなく、NTV社が最初の事例となった[1]。
NTVは2008年1月にAGV25編成とオプション10編成の購入契約をアルストム社と締結、契約額は約7億ユーロ(約1120億円)と推定されている[3][4]。試作編成は2008年に落成し、2008年夏よりチェコのヴェリム鉄道試験線で試運転が行われた[5]。
編成は11車体12台車で、このうち5台車が動力台車、編成長は202 mとなる[1]。座席はスマート、プリマ、クラブの3等級で構成される。車体色のワインレッドがイタリアの自動車フェラーリを彷彿させることから、「フェラーリ特急」とも呼ばれている[6][7]。車両形式はETR575形で、この数字はTGVのV150編成で記録された最高速度574.8 km/hにちなんだものである[2]。
「イタロ」(italo) のブランド名が採用され、トリノ - ミラノ - フィレンツェ - ローマ - ナポリ間などで2012年4月28日に営業運転を開始した[1]。
フランス国内で導入された実績はない。SNCFの長距離輸送部門マーケティング担当者によると、SNCFがTGVデュプレックスを採用し続けるのには理由が2つあり、ひとつは低床化が難しく、バリアフリーに対応できないこと、もう1つは特にパリ - リヨン間において、輸送力が限界に近付いており、2階建て車両以外の採用は不可能というのがその理由である。AGV車両は、同社の最新技術を余すところなく採用し、世界でもトップクラスの高加減速性能や環境性能を誇る高速列車であるが、床下に機器を搭載したことにより、低床化が不可能という難点があった。このため、いくらハイスペックといえども、SNCFの車種選考からは漏れてしまった[8]。
また、国際列車についても、TSI(相互運用の技術仕様)の規定で編成長が最大400mと定められており、1編成の長さが252mでは2編成を連結できない上、1編成だけでは逆に容量が不足してしまうため使いづらかった。ロンドンからパリやブリュッセルなど、比較的限られた区間だけを走り、キャパシティにも問題がない「ユーロスター」の新型としての採用が最も可能性があったが、結果的にシーメンス製の「ヴェラロ」に敗れてしまった。
そういった事情から、アルストムはAGVの2階建て仕様の開発を断念し、最大限に座席数を増やした動力集中方式のアヴェリア・ホライズンの開発に移行した[9]。
参考文献
[編集]- 『世界の高速列車II』地球の歩き方、ダイヤモンド社、2012年、240-245ページ。ISBN 978-4-478-04279-3。
脚注
[編集]- 1 2 3 4 5 6 『世界の高速列車II』240頁
- 1 2 3 4 5 『世界の高速列車II』241頁
- ↑ “仏アルストム、次世代高速列車AGVの大型契約を受注”. AFP BB. 2008年1月15日.
- ↑ “フランス:次世代高速鉄道AGVの試作車公開”. 毎日新聞. 2008年2月6日. 2013年8月28日時点のオリジナルよりアーカイブ.
- ↑ “AGV begins dynamic testing” (英語). レールウェイ・ガゼット・インターナショナル. 2008年6月.
- ↑ “フェラーリ特急「Italo」 写真特集”. 時事通信社. 2012年4月20日.
- ↑ 『世界の高速列車II』242頁
- ↑ “フランスが最新型高速列車を導入しないワケ | 海外”. 東洋経済オンライン (2017年1月8日). 2019年9月7日閲覧。
- ↑ “ついに試走開始、フランス「新型TGV」成功する条件 実験線で耐久走行、2024年冬の営業運転目指す”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社 (2023年2月18日). 2026年5月9日閲覧。