米朝首脳会談

本気度にじます北の陣容 新任の人民武力相、女性楽団長も投入

 【シンガポール=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、米朝首脳会談に際して側近で代表団を固めた。そうした中、異彩を放つのが、人民武力相に任命されたばかりの努光鉄(ノ・グァンチョル)氏だ。刷新した軍の責任者を登板させることで、米側に非核化の意志があると示す思惑もうかがえる。

 4月27日の南北首脳会談に出席したのは前任の人民武力相、朴永植(パク・ヨンシク)氏だった。新たな国防指針を決めたという5月中旬の党中央軍事委員会拡大会議で軍部首脳が一新されたとみられる。

 努氏は、兵器開発を担う第2経済委員長も務め、穏健派とされる。米側に非核化に関する実務的質問にも答えられる態勢だとアピールする狙いもあるようだ。

 外交を統括する李洙●(=土へんに庸)(リ・スヨン)党副委員長や李容浩(ヨンホ)外相らも投入した。洙●(=土へんに庸)氏は正恩氏のスイス留学時代に後見役を務めたとされる最側近。外交責任者をそろえることで、米朝会談が「正常な国家」間の交渉だと印象付ける陣容だともいえそうだ。

 ただ、米朝の外交ラインが正常に機能したとは言い難く、重要な対米交渉は、対外工作を統括する側近の金英哲(ヨンチョル)党副委員長が独占的に担ったのが実情で、今回も代表団に加わっている。

 南北首脳会談でも正恩氏をそばでサポートした妹の金与正(ヨジョン)氏のほか、三池淵(サムジヨン)管弦楽団団長として南北芸術団の交流などを取り仕切った玄松月(ヒョン・ソンウォル)氏も加わっている。南北対話同様、米朝の文化交流を提案するといったソフト戦略の布石の可能性も指摘されている。

Google検索で「産経ニュース」を優先表示。ワンクリックで簡単登録

会員限定記事

会員限定記事一覧

国際ランキング

  1. 王毅氏、メコン諸国と外相会議で「日本の軍国主義許さず」 AIやデジタル経済で協力拡大

  2. ヘグセス国防長官の「交代是非」相談か トランプ氏、中間選挙大敗受けてイラン攻撃責任

  3. 鈴木宗男氏、道新記者拘束「ロシアは人道的に対応してくれる」政府の「静かな対応は正解」

  4. 台湾のパナソニック工場で火災、2人と連絡取れず 電子回路の基盤を生産

  5. マスク氏「選挙介入用、宇宙レーザーが機能しなかった」 中間選挙敗北に自虐投稿

  6. バンス氏「次期大統領選」危機 中間選挙で地元候補惨敗、トランプ氏との距離感にジレンマ有料会員記事

  7. 高市首相「評価大変うれしい」 「書道」のユネスコ無形文化遺産登録勧告、正式決定へ努力

  8. カナダ首相「アジア歴訪」へ フィリピンでのASEAN、中国でのAPEC会議出席

  9. ロシアに打撃もウクライナは歓迎、和平問題に影響か 米中間選挙でのトランプ与党敗北

  10. 「ポスト・トランプ」時代へ号砲 場当たり的手法「うんざりだ」 MAGA依存に再考迫る有料会員記事