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フリーランスになって初めてわかった、会社員のありがたさ

外を歩くと、スーツ姿の人が羨ましい。

どこかに向かっている。仕事がある。所属がある。それだけで羨ましい。フリーランスになって1年半、こんな感情を持つとは思っていなかった。


会社員のころ、給料が振り込まれることを当たり前だと思っていた。

毎月決まった日に、決まった額が口座に入る。働いていても働いていなくても、所属しているだけでもらえた。有給休暇をとっても減らなかった。子どもの発熱で休んでも、給料は出た。

今はない。動かなければ1円も入らない。動いても入らない日の方が多い。給料とはこんなにありがたいものだったのかと、なくなって初めてわかった。


仲間もいなくなった。

会社員のころは、話せる人がいた。昼飯を一緒に食べる人がいた。休日に遊びに行く仲間がいた。仕事の愚痴を言える相手がいた。

フリーランスになってから、そういう人がいない。

一日中家にいる。話す相手は妻と子どもだけだ。仕事の話ができる人間が周りにいない。孤独という感覚は薄いが、外に出るたびに、誰かと話しながら仕事をしている人たちが羨ましくなる。


社会的信用もなくなった。

住宅ローンを組んだのは会社員のころだ。あのとき審査が通ったのは、給料があったからだ。今の自分では通らないだろう。収入の証明ができない。

賃貸を借りようとしても、フリーランスは審査が厳しいと聞く。仕事がなければなおさらだ。会社員という肩書きが、見えないところで生活を支えていたことに気づかなかった。


わからないことを聞ける人もいなくなった。

会社員のころは、困ったら誰かに聞けた。上司でも同僚でも、周りに人がいた。フリーランスになったら、全部自分で調べるしかない。ChatGPTに聞く。ネットで調べる。それでもわからなければ止まる。

誰かに気軽に聞けるということが、どれだけ助かることだったか。


会社員のころ、会社の悪口を書き続けていた。

上司が無能だとか、会社の技術レベルが低いとか。会社という組織への不満を書き続けた。でも今思うと、その組織に守られていた。仕事を取ってきてくれる人がいた。給料を計算してくれる人がいた。社会保険の手続きをしてくれる人がいた。

全部、誰かがやってくれていた。


フリーランスになってよかったことを探すと、全部に「仕事さえあれば」という条件がつく。

会社員のありがたさは、会社員をやめてからしかわからない。わかったところで、すぐには戻れない。

戻れる日が来るまで、ここでやるしかない。

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