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『モモ』ナチスの時代を生きた著者が、私たちの生き方をやさしく問いかける。

「タイム・イズ・マネー!!」

が口癖のうちのバイトの社長の机にそっと置いておきたい本がこちら。

『モモ』 

ミヒャエルエンデ(著・イラスト) 大島かおり(翻訳)


おぉー!名作!!読んだことがある人も、読んだことないけど知ってるよって人も多いんじゃないかな??

なんてったって世界中で発行部数3500万部!!児童文学の殿堂入りを果たしたと言って差し支えないと思う。

児童文学だから当然、小学校高学年で充分読める。だけれども…!!

この本は大人にこそ読んでほしい!!!

「所詮子ども向けの本だろ??」

って思ったあなた!!!いいからいいから。ちょっと座ってもろうて…。

このモモを書いたミヒャエル・エンデさんについて少し話をさせてよ。


エンデさん。1929年にドイツで生まれたんよ。ってところで、「あっ…!!」って思う人がいるかも。

そう。ナチスの時代どんぴしゃ

その時の話がなっかなかでさ。

16歳のとき、召集令状が届いて、それを破り捨てる。そして森の中を80km歩いて母のもとへ逃亡した。

wikiにさらっと書いてあるけど、これはやばい。

まず脱走兵はこの時代即処刑。射殺 or 吊るし首。そんな中令状を破ったのがまずすげぇ。

そんで80kmって…。

イメージは樹海。その中を16歳の青年が1人でお母さんのところまで歩いたってことでしょ?

母たまらん。

そしてそのあとは、反ナチス運動を手伝って、ミュンヘンを自転車で駆け回る。

すごすぎる。命かけすぎ。

「こんなのおかしい!!間違ってる!!!」と思ってただけじゃない。命をかけて自分が正しいと思う方にとんでもない勇気で突き進んだ


そんなエンデさんが、子どもにも読めるように書いた児童文学の本の1つが、この『モモ』。

どう?気になってこない??

内容はというと…ざっくりね。

主要な登場人物は3人。まず主人公モモ。浮浪児。親もいないし、家もない。不思議な魅力を持っている。そしてジジ。青年。ニート。お話上手。そしてベッポ。おじいさん。掃除夫。ゆっくりゆっくり掃除することが生きがい。

そこに時間貯蓄銀行の外交官、灰色の男たちが現れる。言葉巧みで人の時間を奪っていく。

なんやかんやあり、そいつらの仕業で、ジジは大金持ちの大スターに、ベッポはせかせかはたらく掃除夫にされてしまう!!!!

それをモモが助けて、3人は元通りの生活をするようになる。

というのがもうめっちゃめちゃにざっくりしたあらすじ。(誰かに怒られんかな…。自分なりのね。)

いろいろ引っかかりは多いと思うけど、きっとこう思って拍子抜けした人もいるはず。

「戦争反対の物語じゃないの??」

と。

でもこれ、ばちばちに戦争に反対していることを表現した作品だと思うんよ!!!強烈に!!!!そしてあのナチスの時代をも!!

そして読んでいると、今のぼくらもあの時のドイツの、その他の戦争をしていた国々の延長線上にいるんだなって思うんだよなぁ。

以下引用をいくつか。

旧市街の家々はとりこわされて、よぶんなもののいっさいついていない新しい家がたちました。家をつくるにも、そこに住む人がくらしいいようにするなどという手間はかけません。そうすると、それぞれちがう家をつくらなくてはならないからです。どの家もぜんぶおなじにつくってしまうほうが、ずっと安あがりですし、時間も節約できます。

けれど時間とは、生きるということ、そのものなのです。そして人のいのちは心を住みかとしているのです。

人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです。

「なにかわけがあるんだ。」ベッポはこたえて、はじめての男の子を小さなめがねごしにまじまじと、したしみをこめてながめました。「きっとわけがある。」

はじめての男の子はいきりたってさけびました。「うちの親はぼくをだいじに思ってるよ。でも、いそがしいんだ、どうしようもないじゃないか。ひまがないんだもの。そのかわりに、トランジスター・ラジオまで買ってくれたんだよ。とっても高いんだぜ。 ぼくをだいじに思ってる証拠じゃないか――それとも、ちがうかい?」

「人生でだいじなことはひとつしかない。」男はつづけました。「それは、なにかに応功すること、ひとかどのものになること、たくさんのものを手に入れることだ。ほかの人より成功し、えらくなり、金もちになった人間には、そのほかのもの―――友情だの、愛だの、名誉だの、そんなものはなにもかも、ひとりでにあつまってくるものだ。

「そんなのがおもしろいの?」モモはいぶかしそうにききました。
 「そういうことは問題じゃないのよ。」マリアがおどおどして言いました。「それは口にしちゃいけないことなの。」
「じゃ、なにがいったい問題なの?」
「将来の役にたつってことさ。」パオロがこたえました。

親になったからかな?子どもに関する描写がほんと刺さるんだよな。エンデさんが透けて見える気がする。

もし本以前にエンデさんが気になった方は、ぜひ検索して顔を見てみてほしい。ほんと、優しい目をしてるから。


【モモ】
知名度 ★★★★★
読みやすさ ★★★★☆
対象年齢の広さ ★★★★★
静かな過激さ ★★★★★

読むたびにきっと感じ方が変わるから、本棚に置いておいてほしい本。でも特に…今子どもを育てている人には読んでほしいなぁ。「早く勉強しなさい!」っていいつつも、心のどこかで引っかかっている人には特におすすめです。

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