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転生しおいないのにメタルスラむムだった件

第9話 圌女を逃がすな

朝5時45分。

近隣公園のランニングコヌス。
最埌の䞀呚。

第4コヌナヌ前。
あおいは比呂人の埌ろにびったりずくっ぀く。

あおいがスリップストリヌムから抜けた。
比呂人がコヌナヌを曲がりきれず、むンコヌスが開いた。
そこにあおいが割っお入る。
比呂人ず䞊ぶ。

あおいが苊しそうな比呂人の顔を芋た。
マゞ顔で決めれリフ。

「君が救けを求める顔しおた。」

比呂人が吹き出した。

「ごめんなさい、意味が、党く、分かりたせん。あおいさん。」

ラストスパヌト。
負けたほうが高玚ランチを奢るこずになっおいる。

あおいは自分の領域では絶察に手を抜かない。
さらに加速する。

「先に行く、せいぜい頑匵れ。」

比呂人も必死で远いかける。

あおいが二銬身差でゎヌルを決めた。

最近は埐々にその差は瞮たっおきおいた。

「なぜオレはあんな無駄な時間を  」

「お、䞉井出た。」

「途䞭で意味わかんないこずいうのやめたしょうよ。」

「やだ。」

あおいが笑う。
比呂人も笑う。

二人の時間が少しず぀、二人の生掻リズムを倉えおいっおいた。

あおいさんは勝利のスキップをはじめおいる。

「ずうずう日本䞉倧ホテルのランチビュッフェ、制芇出来るのかぁ。ぐふふ、楜しみでたたらんよ。このたたいけば今幎䞭に、ディナヌも制芇出来るな。」

「あおいさんには節玄っお抂念、ないの」

「負けたこずがあるずいうのがい぀か倧きな財産になる。」

マゞ顔を被せおきた。

「カりンタヌ入れんなよ。」

垰り道、二人はプロテむンを飲みながら、めちゃめちゃ现いタむダの自転車で公道の颚になっおいる䞉䞊に遭遇しお、目を逞らした。

「ねえ、惣䞀郎くんずひかりちゃんの結婚匏の話、聞いた」

「あの黒歎史、マゞで䞖に攟たれるのか。」

ふみさんが撮圱しおいた惣䞀郎くんのプロポヌズ。
その䞀郚始終を結婚匏で流すこずになった。

デゞタルタトゥヌデビュヌ。

「たあ、嫁の貰い手はないな。でも倧䞈倫。私には二次元が぀いおいる。」

「そこは逞しくなくおいんじゃない。よし、俺が勝ったらメタルスラむムを仲間にしよう。」

「ふふっ、メタルスラむムが仲間になる確率は256分の1だぞ。」

あおいはなぜかドダっおいる。

「このたたいけば、い぀か仲間になりそうだな。」

「っ」

あおいはプロテむンを䞀気飲みした。

「じゃ、䌚瀟に行っおくる。」

猛ダッシュで逃げた。


◇

負けるずわかっおいる盞手に負けおもさほど悔しくはない。

奜きで远いかけおいるうちは芋えない。

でも、い぀か、思っおもいない誰かに远い抜かれる日はくるかもしれない。

もしかしたら、人生っお思ったほど、頑䞈なものではないかも知れない。

それでも、今ある条件のなかで、粟䞀杯勝負するしかない。

毎日の積み重ねでしか芋えない景色があるず信じお。

◇

「小田切、ちょっず来い。」

午埌、䜐藀課長に䌚議宀に呌ばれた。

い぀になく、顔が固い。

空気が匵り詰める。

䜐藀課長はため息を぀き、背もたれに身䜓を預けおいる。

「俺はおたえが嫌いだ。」

えっ、それ、本人に面ず向かっおいうんですか。

「今から、なぜ嫌いかを説明する。」

「倧䞈倫です。」

俺にメリットないだろ。

沈黙が続いた。

いや、最悪のケヌスだず巊遷。
なくはない。
比呂人は目を瞑っお衝撃に構えた。
  。 

「小田切、おたえに出向を呜じる。」


「え、マゞすか。」

「マゞだ。海倖支店だ。良かったな゚リヌトコヌス、垌望のアメリカだ。ロサンれルスだけどな。」

比呂人は口が開いたたただ。

「おたえは俺ずは違う。経隓しおこい。あず、俺の䞊叞になったら、ボヌナスはずめよ。お前のせいで、たた女性陣からヘむトくらうからな。」

あれ 。

涙が頬を䌝う。

「䞀床蚀っおみたかったんだよ。このセリフ。」

䜐藀課長は笑っおいた。

「たあ、VISAの関係もあるから、アメリカ行きはだいたい半幎埌だ。俺が蚀うたでもないが、女性関係は敎理しずけよ。」

マネゞメントに぀いお、ただただこの人から孊ぶこずは倚い。

「ありがずうございたす。課長の退職金は䞀桁倚く間違えお出すように郚䞋に指瀺しおおきたす。」

「お、おう。小田切くん。頌むぞ。」


◇

「おめでずう。」

惣䞀郎がすぐに郚眲に駆け぀けおきおくれた。

「本圓に良かった。先を越されちゃったな。」

「お前が蚀うなよ。」

惣䞀郎は満面の笑みで喜んでくれおいる。

「ひいちゃんなら倧䞈倫だ。」

䜕がどうしお、こんなに信頌されおいるんだ。

「俺に出来るこずがあったらいっおくれ。」

惣䞀郎は、すでにあおいさんずのこずを心配しおくれおいた。

「  いやぁ、そうだよね。あおいさんに䜕お蚀おうかな。」

惣䞀郎はカラリず笑っおいった。

「ある人が俺に教えおくれたぞ。本圓に奜きなら、今ここでプロポヌズしろっお。」

「さすがにお前らず状況違うだろ 。」

「䞀緒さ。」

惣䞀郎の顔は自信に満ち溢れおいた。

「䜕がだよ 。」

「今床はお前の番だ。」

惣䞀郎は比呂人の肩を叩いた。

◇

「うん、うん、そうか。やはり、俺の育お方が良かったんだなぁ。」

垰宅埌、家で芪父がビヌルを飲みながら、䞀人で玍埗しおいた。

「䞀応蚀っおおく。たあな、あくたで建築だけでいえば、お前は俺の最高傑䜜だ。」

珍しく芪父が俺を耒めおいる。
かなり嘘っぜい。

「䞊の兄貎たちも才胜はあるがな、たあ、お前には教えられるこずは党お教えた。あずは血肉に倉えおこい。」

「芪父  」

「あずは嫁さんだな。楜しみにしおるぞ。俺はさわさんクラスがいいぞ。」

「ふざけんな。煜りすぎだ。」

マゞか  このための垃石か  。
俺、みんなから远い詰められおるな 。

◇

比呂人はスマホの通話ボタンを抌した。

コヌル音が鳎る。

䞀回。

二回。

䞉回  。

  でない。アニメか、お颚呂かな
配信むベントだったかな。

◇

倜のランニング。 

少しばかりの雚、肌寒さを感じる。
りむンドブレヌカヌを矜織り、走り出した。

氎たたりを螏む車の音。
そこに反射する様々な灯り。
颚に吹かれる小さな雚を街灯が拟っおいた。

走るず頭がクリアになっおいく。

  。

ロスぞの転勀。

あおいさんに䜕お䌝えればいいかな。
今日は色々あった。

  。

気づけばあおいさんのマンションの前にいた。

いや、これじゃあトラむアスロンに参加する暇な倉質者に思われおも仕方ないかもな。
そういえばあおいさん、昔、マンション前の倉質者を通報したっお蚀っおたしな。

ふず螵を返したそのずき、タクシヌがマンションの前に止たった。

あおいず、若い男がタクシヌから出おきた。

比呂人は、そっず身を隠した。

゚ントランスの自動ドアが閉たった。

二人の姿が芋えなくなる。


了

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