推し薔薇はブルームーン
4月ごろの話だが、旧古河庭園にいってきた。
上中里駅から歩いて10分くらい。上中里は北区の駅で、位置的には上野と赤羽のちょうど中間あたりだろうか。
この辺りにしては利用者も少なく、落ち着いた雰囲気だ。
庭園の入場料は150円。庶民に優しい価格で助かる。
入り口付近にポスターが貼ってある。
毎年バラの人気投票をしているようだ。
去年の結果を見る。
わたしは写真で見た感じ、ブルームーンが好きだなと思った。青い月という名前に、わたしの中の中学生が喜んでいる。
そう、ここはバラが有名な庭園なのだ。

皆さんの推しバラはありましたか?
バラを見ると、どうしてもシルクハットにマスクとマントが思い浮かぶ。タキシード仮面のせいだ。
1人で来ていたご婦人に洋館の前で写真撮影を頼まれる。
わたしは人見知りだが、これを頼まれるのはわりと好きだ。
綺麗に映るよう、少し緊張しながら撮った。
しかし、わたしは洋館を見るとどうしても事件の気配を感じてしまう。
森の中の洋館で事件が起きなかったことが、かつて一度でもあっただろうか。必ず人が謎めいた死を遂げるのが洋館の特徴だ。これはきっとコナンのせいだな。
今回は館の中に入らなかったので、密室の謎を解くこともなく平和に終わった。

季節ではないので当然バラは咲いていない。
なぜか少ししょんぼりする。
わかっていたが、「実はちょっとは咲いているのでは?」と勝手に少し期待していたのかもしれない。
植物の生態に「ちょっと」はないのだ。

先ほどのご婦人に、ツツジが綺麗だと教えてもらった。
ほかにも花についていろいろ話してもらった。こういう一期一会の出会いも散歩の醍醐味だ。
バラは咲いていなくとも、ツツジを満喫した。
庭園をぐるりと一周する。
シーズン外れなのでそこまで盛り上がってはいないが、こういう場所では静かに歩きたいので、かえってよい。
きっとわたしの体も、マイナスイオンで癒やされたに違いない。
こういうふうに癒された時には、わかりやすく「ピコン!」みたいな、レベルアップのような効果音が体から鳴ればいいのにな、と思う。
でも、整体とか岩盤浴に行った時に一切鳴らなかったら、それはそれで嫌だ。
更に、人の悪口を聞いている時に鳴ってしまったら最悪すぎる。
癒された時に音が鳴らない体でよかった。
こういう小さな幸せを噛み締めていこう。

