『なぜ、ドローンは戦車を駆逐していないのだろうか?』
「疑問があった。『なぜ、ドローンは戦車を駆逐していないのだろうか?』ドローンが数万円、戦車が数億円なら駆逐するはずだ」
「今回は軍事ですね! 先輩の分析なら何でも教えてください!」
「まず、端的に言えば、戦車にしかない役目があるからだ。戦争は占領がゴール。そして占領するのは人間。その人間を守り、突破口を作るのが戦車の役目になる」
「うーん、当たり前ですね~。その戦車の盾としての役割が弱くなったから、ドローンが影響力を増しているのでは?」
「少し違う。まず、戦争はターン制バトルでもないし、一斉突撃でもない。例えば『戦車とドローンがぶつかりました! どっちが勝つでしょう!? ああ!! ドローンが戦車を壊した! ドローンの勝ちだ~!』という単純な話ではない」
「先輩……そういうこともするんですね」
「…………話を戻そう。そもそも、戦車を壊せる兵器は昔から存在した。対戦車砲、対戦車ミサイル、地雷、攻撃ヘリなどな。では、ドローンは何を変えたか……その本質は誘導爆弾ではなく『目』にある」
「『目』ですか?」
「そうだ。昔は丘や障害物などで一度視線を切れば、敵は正確な位置を把握し続けることは難しかった。しかし今は違う。一度発見されると、ドローンが上空から追跡し続け、その情報が砲兵や他のドローン、指揮所へ送られる。攻撃するのはドローンとは限らない。砲兵でも、ミサイルでも構わない。重要なのは、『見つけ続けられる』ことなんだ」
「なるほど! 爆弾を運べることよりも、情報を細かく得られることが重要なんですね! うん? ということは、別に戦車とドローンって競合ではないのでは?」
「ああ、むしろ相乗効果を期待できる。ドローンで敵を見つけ、情報を集め、その後に戦車が突撃する。ドローンが『目』ならば戦車は『拳』だ」
