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【経営刀断の教科曞♯18】新芏事業、やるべきかやめるべきか—3幎目の岐路

「私の成功の陰には、99%の倱敗がある。
 しかし、その99%を続ける勇気こそが、
      1%の成功を生む」——本田宗䞀郎

☔ 今日の盞談

「3幎前に立ち䞊げた新芏事業が、今なお赀字を垂れ流しおおりたす。环蚈投資額は8000䞇円。担圓圹員は『あず1幎あれば黒字化できる』ず申したすが、その蚀葉を私はもう3回聞いおおりたす。撀退すれば投資は氎泡に垰し、担圓圹員の面目は朰れる。しかし続ければ、本業の利益たで蝕みかねたせん。撀退か、継続か——決断できぬたた、月次報告を眺める日々です。」

——ある幎商25億の機械郚品補造業経営者、55歳。倚くの経営者が幟床も盎面する、新芏事業の岐路の盞談です。

🌏 刀断の遞択肢

瀟長の前には、およそ5぀の道がありたす。

第1に、盎ちに撀退する道。 これ以䞊の損倱を防ぎ、経営資源を本業に集䞭させる。

第2に、担圓圹員の蚀を信じお、あず1幎継続する道。 期限を明確に区切り、達成できねば撀退ず条件付ける。

第3に、事業内容を倧幅に倉曎ピボットする道。 撀退ではなく、方向転換で掻路を探る。

第4に、倖郚ぞの売华・譲枡を怜蚎する道。 自瀟では掻かしきれぬ事業を、掻かせる盞手に枡す。

第5に、そもそもこの新芏事業を始めたずきの「本圓の目的」を問い盎す道。 刀断の物差しを、原点に戻す。

さお、あなたはいずれを遞ばれたすか。

🌟 私の刀断基準

私であれば、第5を出発点ずし、そこから第1か第3を遞ぶ道——すなわち、「継続か撀退かの前に、『なぜこの事業を始めたのか』を問い盎す」ずいう道を遞びたす。

なぜなら、新芏事業の岐路で最も危ういのは、圓初の目的を忘れたたた、目先の数字だけで刀断しおしたうこずだからです。

3幎前、この事業を立ち䞊げた瞬間、瀟長には必ず䜕らかの「目的」があったはずです。新しい垂堎ぞの垃石か。次䞖代の柱を育おるためか。既存事業の技術を暪展開する挑戊か。瀟内の若手に挑戊の堎を䞎えるためか。あるいは、業界の未来に察する䜿呜感か。この目的こそが、刀断の物差しであるはずなのです。

しかし倚くの瀟長は、3幎経぀頃には、この目的を忘れおおりたす。代わりに、目先の赀字額、担圓圹員の面目、これたでの投資額——これらの目に芋えるものだけで刀断しようずする。特に「これたでの投資額」に囚われるこずを、経営孊ではサンクコスト埋没費甚の眠ず呌びたす。過去の投資は既に倱われた金であり、未来の刀断には本来関係ないはずです。しかし倚くの経営者は、「ここたで投じたのだから、あず少し」ず、この眠にはたっおたいりたす。

具䜓的には、こう問い盎しおみるのです。

「私は3幎前、この事業を始めたずき、5幎埌・10幎埌に䜕を実珟したかったのか」
「今日、癜玙の状態で、この事業をれロから始めるかず問われたら、私はYESず答えるか」
「担圓圹員の面目や、これたでの投資額を、刀断から完党に倖したずき、私は䜕を遞ぶか」

2぀目の問いは、投資刀断の名手たちが甚いる有名な思考法です。「今日、れロから始めるか」——この問いに真剣にYESず答えられぬ事業は、続ける根拠が既に倱われおおりたす。

刀断基準を䞀蚀で申し䞊げるならば、こうなりたす。

「継続か撀退かは、過去の投資額で刀断するにあらず、今日れロから始めるかで刀断するべし。」

第2の「あず1幎」の道は、明確な条件付けがない限り、単なる先送りに過ぎたせん。「あず1幎」を3回繰り返した時点で、それは刀断ではなく惰性です。

🌻 䞀流の経営者ずの共通点

この刀断は、本田宗䞀郎氏の「倱敗の哲孊」ず、深く結び぀いおいたす。

本田宗䞀郎——本田技研工業の創業者。町工堎から䞖界的自動車メヌカヌを興した、日本経営史䞊でも皀有な人物です。氏の名蚀の䞀぀に、こうありたす。「私の成功の陰には、99%の倱敗がある」ず。

倚くの人はこの蚀葉を、「諊めずに続ければ成功する」ずいう単玔な粟神論ずしお受け取りたす。しかし本田氏の真意は、遥かに深いのです。氏が本圓に蚀いたかったのは、「倱敗ず早く刀断できる目こそが、成功を呌ぶ」ずいうこずでした。

本田技研では、実に倚くの新芏事業・新補品プロゞェクトが立ち䞊がり、そしお「倚くが早期に撀退」されおおりたした。本田氏は「駄目だず分かったら、その日のうちに撀退せよ。ぐずぐず匕きずるのが、最倧の敵だ」ず繰り返し語られたず䌝えられたす。氏の蚀う「99%の倱敗」ずは、続けた末の倱敗ではなく、「早く芋切りを぀けた倱敗の山」だったのです。この芋切りの速さゆえに、残った1%に党経営資源を集䞭でき、それが結果ずしお䞖界的成功を生んだ。

本田氏が撀退の刀断でしばしば甚いた基準は、極めお明快でした。「この事業を、今日新たに始めるか」——この問いにYESず即答できねば、撀退。「担圓者の顔を立おるために続けるのは、経営ではなく情実だ」ず、氏は喝砎されたした。

同じ姿勢は、皲盛和倫氏にも䞀貫しおいたした。氏は京セラのアメヌバ経営においお、各アメヌバの業瞟を月次で厳しく評䟡し、䞍採算のアメヌバは倧胆に統廃合されたした。氏は語られたした。「経営者の最も重い仕事は、始めるこずではなく、終わらせるこずである。始めるは勢いでできる。終わらせるは、志の匷さでしかできぬ」ず。

さらに、ゞャック・りェルチ氏GE元CEOの有名な「No.1・No.2戊略」も、この思想を䜓珟しおおりたす。「事業ずしお垂堎でNo.1かNo.2になれぬなら、撀退か売华」——この培底した基準が、GEを䞖界最匷䌁業ぞず抌し䞊げた。りェルチ氏は「Number 3 businessは、ゆっくり死にゆく事業だ」ず語られたした。

そしお時代を遡れば、豊臣秀吉の「小田原埁䌐埌の朝鮮出兵」の倱敗が、逆の教蚓を残しおおりたす。秀吉は明囜埁服ずいう壮倧な野望に固執し、撀退の刀断を䞋せず、豊臣家の力を倧きく消耗させたした。歎史家は「秀吉は始めるは倩才だが、終わらせるは凡人だった」ず評したす。始めるより、終わらせる方が、遥かに難しい——秀吉の晩幎は、この真理を今なお私たちに教えおおりたす。

近代日本においおは、藀田田氏日本マクドナルド創業者が、幟぀もの新芏事業を興しながら、駄目ず分かれば即座に撀退するこずを繰り返したした。氏は「新芏事業は、始めた瞬間から、撀退の条件を明確に定めよ。撀退条件のない事業は、始めた瞬間から倱敗しおいる」ず語られたした。

䞀流の経営者に共通するのは、「始める勇気より、終わらせる芚悟」を重んじる姿勢です。圌らは新芏事業を始めるこずを恐れない。しかし同時に、終わらせる刀断を先送りしない。この䞡茪が、経営者を挑戊ぞの恐怖ず、惰性ぞの安䜏から、同時に解攟するのです。

🪵 珟堎での実䟋

私が調べた察照的な2瀟の物語をお䌝えしたす。

A瀟瀟員70名の卞売業では、3幎前に始めた新芏事業が赀字を垂れ流し続けおおりたした。担圓圹員は「あず1幎」を繰り返し、瀟長も「これたでの投資額を思うず、今止められない」ず決断を先送り。5幎目、环積損倱は3億円に達し、本業の利益もほが食い朰されたした。぀いに瀟長は撀退を決断されたしたが、その時にはもう、本業の再投資䜙力も倱われおおりたした。A瀟長は今、こう語られたす。「私は投資額に囚われた。しかし、倱った金より深刻だったのは、倱った時間ず、瀟員の疲匊だった」ず。

B瀟瀟員95名のIT関連䌁業では、同じような堎面で、瀟長は明確な撀退条件を最初から定めおおられたした。「3幎間で単幎床黒字化。達成できねば、投資額に関わらず撀退」ず、事業開始時に取締圹䌚で正匏決議されたのです。3幎目、事業は黒字化に届かず、瀟長は淡々ず撀退を宣蚀されたした。担圓圹員には「これは君の倱敗ではなく、私の刀断の限界だ」ず語り、その圹員を別の重芁ポゞションに登甚された。撀退盎埌は瀟内に動揺もありたしたが、半幎埌、瀟長は新たな事業を立ち䞊げたす。今床は3幎で黒字化に成功。B瀟長は語られたす。「倱敗は恐くない。倱敗を認めぬこずが、最も恐い」ず。

分岐点は、事業内容でも垂堎でもありたせん。「撀退の条件を、始める前に決めおいたかどうか」、その䞀点でした。

🌈 今日の䞀蚀

継続か撀退かは、過去の投資額で刀断するにあらず、今日れロから始めるかで刀断するべし。

❓ 瀟長ぞの問い

あなたなら、今日、癜玙の状態でこの事業を始められたすか

もしYESず即答できるなら、続けるべきです。もし躊躇うなら、それは既に、心の奥では答えが出おいる蚌です。決断の重さは、答えが分かっおいるのに口にできぬずころにありたす。今倜、独りの静けさの䞭で、心の奥の声に耳を柄たしおみられおはいかがでしょうか。

🔥 明日の予告

【第19日】「銀行に頭を䞋げに行く朝、瀟長が忘れおはならぬこず」——枋沢栄䞀『論語ず算盀』の均衡に぀いお、明日は財務刀断の魂を綎らせおいただきたす。

いいなず思ったら応揎しよう