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"多摩川がつくった町"を歩いてみると…【都道府県シリーズ第2周:東京都no.2-2 導入編】

都道府県ごとに地形・地質を見ていく「都道府県シリーズ」の2周目。
東京都江戸川区は一旦終了で、今回から別の市区町村になります。
※前回記事はコチラ👇


どの市区町村?

また同じようにサイコロで決めます。

既出の市区町村は灰色に着色しています。
残りの62市区町村のうちの、どこになるでしょうか?

なお以前も話しましたが、東京都は平坦地が多いため決定した場所によってはネタをひねり出せず、導入編で終わってしまう場合があるかもしれません。その旨ご了承ください。

なおサイコロは、いつもの「ブラウザサイコロ」を使いました。

では、振ります!



「6」「2」「4」!
と言うことで・・・

橙色のラインのどれかに決まります。

さぁ振ります!!



「4」!
と言うことは??

瑞穂町(みずほまち)に決定です!!

地域の歴史・地形の概要

住んだことのない都道府県の場合、県庁所在地か何がしかで有名な市町村でない限り、わかる人はそうそういないでしょう。

瑞穂町がどんな地域か?を知る前に、まずは場所の確認です。

東京都瑞穂町の位置:スーパー地形画像に筆者一部加筆

上図の赤色に着色した地域であり、東京都の真ん中付近の北部にあります。
ここは武蔵野台地の中でも奥多摩に近い位置になっています。

瑞穂町は東京都の町村のなかで最も人口が多く、また在日米軍横田基地が所在する地域です。

東京都瑞穂町の地形図:スーパー地形画像に筆者一部加筆

総人口は31,075人(2026年5月1日現在:wikipediaより)であり、畑や雑木林だった場所が宅地開発され、人々が住んでいるようです。

街の大部分を占める平坦地は武蔵野台地(むさしのだいち)と呼ばれる大きな台地の一部であり、古多摩川によって形成された段丘です。
東の一部には菱形のようなかたちで山地が広がっており、狭山丘陵(さやまきゅうりょう)と呼ばれています。
この狭山丘陵内に瑞穂町の最高峰である六道山(ろくどうやま)があります。地形図には山頂部の標高図示が無く、アプリの機能で確認したところ約194mでした。

東京都瑞穂町の水系:スーパー地形画像に筆者一部加筆

興味深いのは水系です。
瑞穂町に流れている主な河川は、なんと残堀川(ざんぼりがわ:上図青線)と不老川(としとらずがわ、ふろうがわ:上図水色線)の2河川のみです。
しかもどちらも町内に源流があり、上流部のみが町を流れています。
もちろん東に狭山丘陵があるので小規模な沢はいくつかありますが、一定規模のものは上記2河川のみです。

東京都瑞穂町の地形図(地理院地図):スーパー地形画像に筆者一部加筆

南の空白に見える(内部は点線のためこの縮尺では見えない)地帯が米軍横田基地です。
都道は狭山丘陵と横田基地を除いたほぼ全方位にのび、隣接する市町村と接続されています。
一方、国道16号線が概ね南北方向に通っており、主に北に隣接する埼玉県と東京との往来を担っていると思われます。
また鉄道も南北方向に通っており、これはJR八高線(はちこうせん)であり、八王子市と群馬県高崎市を往来しています。

瑞穂町や周辺地域は概ね全体的に平坦地であるため、各地に接続される道がある一方、都県境に位置することから地方ともつながる交通路も通っているのでしょう。

地質概要

ほぼほぼ平坦地で構成される瑞穂町は、どのような地質なのでしょうか?

瑞穂町周辺の地質図:スーパー地形画像に筆者一部加筆

平坦面が緑色一色、狭山丘陵には2色と地質の種類は多くありません。
これらがどのような地質か?も気になりますが、もう1つ気になるポイントがあります。
それは瑞穂町のほぼ中心を北西ー南東方向に分布する断層(上図の黒太線)です。しかもこれに沿うように残堀川が流れているように見えます。
かなり気になりますが、これについては次回以降においておきます。

と言うことで、まず今回は各地質を確認しましょう。
これらは堆積環境の違いにもとづき、2つのステージに分けられます。

ステージ1:海になったり陸になったりの時代

瑞穂町周辺の地質図ステージ1:スーパー地形画像に筆者一部加筆

上図の赤線で囲った範囲の地質(黄土色)が瑞穂町で最も古い地質です。
地質の詳細は以下のとおり。

地質:礫、砂、シルト、テフラ(火山灰)
時代:新生代新第三紀中新世メッシニアン期~鮮新世(約720万~258万年前)

形成された時代が比較的新しいため、まだ岩石にはなっていない半固結堆積物です。
河川性の礫層や湖沼・湿地性の地層がある一方で、ヒメスナホリムシの化石が見つかる地層があったり、牡蠣の化石が見つかる地層もあります。
ヒメスナホリムシは小さいフナムシのような生物で、砂浜の砂の中に棲む甲殻類です。また牡蠣は汽水域(内湾~河口域の浅海)に生息します。
つまり河川や湖沼、湿地だったり砂浜だったり海だったりと、海面の上下変動による環境変化が著しい時代でした。

ステージ2:河川の時代

瑞穂町周辺の地質図ステージ2:スーパー地形画像に筆者一部加筆

このステージには2つの地質があり、1つは狭山丘陵の頂部に分布する地質(上図のベージュ)で、もう1つは平坦面に分布する地質(緑)です。

〇ベージュの地質
地質:礫および砂(段丘堆積物)
時代:新生代第四紀更新世チバニアン期(約77万~13万年前)

河川の堆積物によって形成された段丘ですが、段丘としては古いため浸食が進んで段丘地形は不明瞭になっています。
植木ほか(2003)によれば形成年代は73~60万年前と言われており、段丘が残る限界の年月と言われる年数(数10万年:40~50万年)を越えています。
この地質は主に狭山丘陵の頂部に分布しており、周辺地域でも"最も古い段丘堆積物"としての位置づけになっています。

〇緑色の地質
地質:礫および砂(段丘堆積物)
時代:新生代第四紀更新世後期(約13万~1万年前)
瑞穂町の平坦面を構成する地質です。
河川の堆積物によって形成された段丘であり、主に東京都から埼玉県に広く分布する武蔵野台地を構成する堆積物です。
武蔵野台地は古多摩川によって運ばれた土砂が堆積して形成したと言われており、つまり過去の多摩川によって形成された土地ということになります。
植木ほか(2003)によれば形成年代は3~1.5万年前と言われており、ある意味この時代は「多摩川の時代」と言っても良いかもしれませんね。

次回以降では瑞穂町の気になる地形・地質について考察していきますので、もしかしたらその中で上記の謎も解けるかもしれません。

お読みいただき、ありがとうございました。


引用・参考文献

植木岳雪・酒井 彰 (2007) 青梅地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1地質図幅)、産総研地質調査総合センター、189p.

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