今年のグローブ座の『真夏の夜の夢』は魔法のような楽しさ!【前編】
シェイクスピア劇『真夏の夜の夢』は、日本では名作漫画『ガラスの仮面』を通じて認知度が高まった気がします。それまでも演劇界や文学界では有名な古典作品として知られていましたが、北島マヤの演じたパック役は今も忘れられません。

あと、ユーミンの『真夏の夜の夢』も有名ですよね。劇とは関係ないけど。
イギリスで『真夏の夜の夢』が人気の理由は?
一方で、シェイクスピアを生んだイギリスでは『真夏の夜の夢』はまさに「国民的文学作品」。子どもの頃からほとんどの人が知っています。
というのも、こんなにイギリスらしいファンタジーはなかなかないから。パックを含め、登場するキャラクターは、イギリスに古くから伝わる民間伝承やケルト神話の妖精そのもの。「ミッドサマー(夏至)」はイギリスにおいて1年の中で最も魔法の力が強まり、現実と妖精の世界の境界があいまいになる神秘的な夜と言われてきました。
演出が毎回がらりと変わって面白い
そんなわけで、ロンドンにあるシェイクスピア・グローブ座でも『真夏の夜の夢』は一年おきくらいのハイペースで上演されます。しかも、毎回演出がまったく異なるのです。
わたしも今まで4パターンくらい見てきましたが、妖精の王オーベロンがドラァグクイーンみたいな衣装の年もあり、ホラーっぽい雰囲気の年もありと、本当に同じ演目なのか!!と驚きます。
ちなみにセリフは基本的にシェイクスピアの脚本そのまま。ただし、フルで演じるとたいてい長くなってしまうので途中をカットしたり(カットする箇所はその年によって違う)、原作にないセリフが入ったり、役者が鮮やかにアドリブを決めたりします。
したがって、毎回「こう来たか!」という新鮮な驚きがあり、まったく飽きません。同じ芝居でここまで変えられるのか…と感動します。今年の『真夏の夜の夢』も完全なニューバージョンで目から鱗が落ちました。
日本でもグローブ座のシェイクスピア劇がサブスクで観られる
舞台に関心がある方はぜひ生でご覧いただきたいですが、「ロンドン、遠いよ!」という方は上の「Globe Player」で1作品£9.99(2,200円)、または年間サブスク£59.99(13,000円)で観られます。英語字幕もあるので、聞き取りが苦手な場合はロンドンに住んでいてもこっちを選ぶ方もいそう。
「Globe Player」がおすすめな理由は、歴代のグローブ座公演の中でも「特に高評価だったもの」「チケットが即完売した大ヒット作」「スター俳優が出演して話題になったもの」が厳選されているという点。
わたしみたいなロンドン住民は「今回は大当たり!」「ちょっとハズレかな…」という一喜一憂込みで楽しんでいるわけですが(あまりにも演出が合わなくて前半だけで帰ったことも何度か・笑)、大当たりだけまとめて観るなら断然こっちですよ。わたしも2015年の渡英前の作品は後追いでも観たい。
もう1つ、「Marquee」というサービスもあり、月額プランが9.99ドル(1,600円)、年額プランが89.99ドル(14,000円)。
ただし、「Globe Player」ほどシェイクスピア劇は充実していないのでご注意を。一方で、イギリスだけでなく他国の演劇やバレエ、オペラも観られるので、広く浅く観てみたい方におすすめです。英語字幕に対応しているものが多いですが、ときどきないものも…。
「暇な月に1か月で観られるだけ観る!」という使い方をすれば、めちゃくちゃお得ですよね。
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