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【ご報告】自認が「たい焼き」になりました

突然ですが最近自認が「たい焼き」になりました。


はい。

ありがたいことにダイバーシティの観点が広まってきており、自認は自由になってきております。なのでたい焼きになるのもいいのではないでしょうか。

名前もゆりさわ、ではなく「たい焼き」にして、アイコンもたい焼きに変えたほうがいいかもしれません。



事の発端は先週の金曜日。

クライアントとの飲み会がありました。その飲み会では上司の無茶振りと部下のポンコツっぷりに挟まれ、心身ともに疲弊しきっていました。

疲弊し切って冷静な思考回路がバグっていた僕は、帰り道にLINEに入った友人からの「キャバクラに行こう」という提案に二つ返事で乗ってしまったのです。

妻には友人の悩み相談に付き合う飲み会と言いました。嘘ではありませんからね。




案内された席についたのは、リナちゃんという、綺麗な目をした明るい女の子でした。それはそれは可愛いですよ。

彼女は焼酎を作りながら

「えー、お兄さんめっちゃお疲れじゃないですかぁ。お仕事、何系なんですかぁ?」

と、テンプレ通りの、しかし疲弊した僕にとってはにとっては天使のように甘美な優しさで聞いてきました。

僕はここぞとばかりに愚痴をこぼしました。キャバクラでは愚痴をこぼして、会話のきっかけを作るのも客の役割です。僕ももうおじさんですね。

「いやもうね、毎日毎日、大変ですよ。

理不尽な上司とポンコツな部下の板挟みですよ。THE中間管理職ってやつです。

上からも下からもギュッと強烈にプレスされてる気分です。息苦しいし、ノルマとかプレッシャーっていう名の熱でじわじわ焼かれてるみたいで。

もう逃げ場なんてありません。」

自己憐憫に浸る僕。悲劇のヒロインならぬ、悲劇の中間管理職です。

リナちゃんが「かわいそー、私が癒やしてあげるね」と慰めてくれるのを、心の中で期待していました。

しかし、リナちゃんの口から飛び出したのは、予想の斜め上をいく言葉でした。


「マジたい焼きですね。」


え?


「いや、上下からプレスされて毎日焼かれてるって、お兄さん、完全にたい焼きじゃないですか!たい焼きくんじゃん! ギャハハハ!」


……たい焼き?

グラスを持つ僕の手がピタリと止まりました。

水割りを作るリナちゃんの笑い声が、遠くで響く教会の鐘の音のように聞こえました。BGMのEDMが急にフェードアウトし、脳内に昭和の名曲が流れ始めます。

そしてその瞬間、僕の全身を貫いたのは怒りでも戸惑いでもなく、圧倒的かつ深い「納得」でした。

雷に打たれたような、いや、熱した鉄板に生地を流し込まれたような感覚です。

考えてみればみるほど、僕がたい焼きである証拠は揃いすぎていました。


僕が「たい焼き」である3つの客観的事実

家に帰り、洗面所の鏡の前に立った僕は、自分の本質と向き合いました。なぜ今まで気づかなかったのでしょうか。

  • 外面はサクサク、内面はドロドロ

    • 社会人として、クライアントや上司の前では「サクッ」と歯切れの良い笑顔と返事を保っています。しかし、その分厚い皮を一枚めくれば、中には行き場を失ったドロドロのどす黒い感情が煮えたぎっているのです。ちなみに、僕がカスタードクリームではなく「小倉あん」であることは、この感情の黒さから間違いありません。

  • 毎日毎日、鉄板の上で焼かれている

    • まさに「毎日毎日、職場で焼かれていやになっちゃうよ」です。通勤電車という名の鉄板でプレスされ、オフィスという名のオーブンでじわじわと体力を奪われる日々。あの子門真人のヒット曲は、現代社会を生きる僕のことを歌っていたのです。

  • 頭からしっぽまであんこ(ストレス)がぎっしり

    • しっぽまであんこが詰まっているのが良いたい焼きという風潮もあり、僕の全身には隙間なくあんこ(ストレス)が充満しています。休日に少し息抜きをしようとしても、すでに容量オーバー。指先から足の先まで、重たい疲労感がみっちりと詰まっているのです。


たい焼きとして生きる覚悟と喜び

自認がたい焼きになってからというもの、僕の見える世界は一変しました。

満員電車で周囲からギュウギュウに押し潰されそうになっても、

「まあ、今は型に流し込まれて焼き固められている最中だからな」

と思えば腹も立ちません。

上司に理不尽な理由で怒鳴られても、

「今日の鉄板は火力が強めだな。気をつけないと焦げちゃうぞ」

と心の中で微笑む余裕すら生まれました。

何より、自己肯定感が爆上がりしました。


だって、僕はたい焼きです。



老若男女問わず愛される、日本の伝統的な国民的スイーツです。寒い冬の日、道端で売られているだけで人をホッと笑顔にする存在なのです。

ただの社会人だと思っていた自分の中に、そんな愛され要素が眠っていたなんて。

リナちゃん、ありがとう。

あの夜のキャバクラのお会計、1セットと延長で 38,500円。

これは決してお酒代や指名料ではありません。僕が真のアイデンティティを確立するための、人生における必要経費、いや自己投資だったのです。




ただ、そんなたい焼きライフを受け入れようとした矢先、先ほど危機が訪れました。

妻からのLINEです。

オフィスの鉄板なんて生ぬるい。今夜は自宅で、超高温・逃げ場なしの地獄のプレス機に挟まれることが確定しています。

せめて中のあんこ(内臓)だけは飛び出さないように、必死に口を閉じて耐え抜く所存です。

それでは皆様、今日も良い一日を。僕はそろそろ、ひっくり返される時間です。


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