「今、仕事を辞めている場合ではありません」シングルマザーの退職願
長女の都内への大学進学、そして二女の高校入学も決まった嬉しい春のはずが。
希望の光が眩い、2026年の春
子どもたちの未来は、まぶしいほどに開けています。
新しい街、新しい制服、新しい世界。
希望という言葉が、こんなにも似合う瞬間があるんだなと思います。
その一方で、私は何をしているのか。
「精一杯応援したい」という気持ちは微動だにしないけれど、落ちたら戻れない場所に立たされている感覚。
仕事に関する連絡が入ったのは、そんな時です。
転職は考えていたことだけれど
生活を支えているアルバイト先で勤務条件が変わること、そして、それを受け入れられない現実。
「それでは生活が成り立たない」と伝えた瞬間、道は一気に細くなりました。
気づけば、私は退職願を書く立場になっていました。
仕事を辞めている場合ではありません
むしろ、これまで以上に稼がなければならない時です。
子どもたちはそれぞれ前を向いて歩いています。
未来へ続く道を、迷いなく選んでいます。
私はというと、背中にその未来を乗せたまま、崖の縁に立っていました。
一歩踏み外せば、谷底です。
受け入れ、前を向かなければ
退職願を書く手は、不思議なほど落ち着いていました。それがかえって現実の重さを際立たせている気がします。
頭の中では、これから先の数字だけが、何度も何度も浮かんでいました。
誰にも頼れない場面では、やはりシングルマザーは孤独だなと、哀しみが襲ってきました。希望に満ちた子どもたちにはこの気持ち、バレないように暮らさなければ。
10年前に亡くなった母が、そばにいたらなぁ。話すだけで心が軽くなったはずなのに。
今、空から見守ってくれてるかな?
子どもたちと同じ希望を
子どもたちの人生は、これから大きく広がっていきます。
光の中へ進む子どもたちを、影の中からでも支える。崖っぷちでも、谷底でも、母親であることだけは手放せない。
春は、容赦なくやって来ます。
希望と不安を、同時に連れて。
