物を増やしたくない私が、服を売っている
私はモノを増やしたくない。
でも「服」を作って売っている。
ここに気づいてなんか笑ってしまった。
一時期、ミニマリスト的な考え方にすごく共感を覚え
「モノやコト」をどんどん減らしていた時があった。
今はもう減らしたいものはほとんど無い。
それなりに数はもっているけれど
これ以上減らさなくていいと言えるくらいには落ち着いている。
考えてみたら「服」って
実用だけ考えるならユニクロやGUで十分。
ちょっとだけ価格上がって、
無印でもリネンのいい感じのワンピースが売っている。
それでも世の中には3万円のブラウスや8万円のデニムを買う人がいる。
「それって何なんだろう?」
「どういう違いがあるのだろう」
「服」だけじゃない。
ライブ、旅行、ゲーム、本、車。
生きるだけならなくても困らない。
でも人はそこにお金も時間も使う。
「人は生きるってだけでは満足しないんだな。」
最低限の生活ができる日本では特に。
そう考えると
私が売りたいのは、単に“衣服”ではない。
ありふれた言葉だけど「豊かさ」かな。
「安いものを大量消費」は違う。
「安いものをちゃんと使う」はいい。
でもそこに
「いいものを大切にする」や
「本当に好きなものを持つ喜び」
みたいなものがあれば
私はそちらを選びたい。
だから私が作って届ける「服」もそうあって欲しいし
これからもっとそう思ってもらえるようにしたい。
11年も「服」の仕事をやっていると
何のためにやっているのか、ふと見えなくなる時があって
いまがちょうどその時なのか。
「売れればいい」わけじゃない。
目の前の仕事だけやっていればいい訳じゃない。
個人事業主だからね。
最初の頃は、
社会貢献している気はまったくなかった笑
売れればいいと思っていたし、
自分の生活のために収入になれば、それでよかった。
でも、11年やってきて少し考え方が変わった。
「どこかの誰かの嬉しい」を作りたい。
だってその方が自分も嬉しい。
実用的な服は、大手さんがちゃんと作ってくれている。
だったら私は、
なくても生きてはいけるけれど、あったらちょっと嬉しいもの。
着ると少し気分がいいもの。
そんな服を、これからも作っていきたい。
モノは、そんなにたくさんいらない。
でも、心が動くものまで
なくさなくてもいいんじゃないかな。
