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横浜美術館「マリー・アントワネット・スタイル」

8/1。
横浜美術館へ。

企画展「マリー・アントワネット・スタイル」。

着いたとたん、人・人・人。

舐めてた。外から見ると分からないが、中に入って目にした、吉村家の数倍は長いであろう蛇状の行列に心が折れた。

やっぱ日本人って、アントワネット好きなんだな。何した人なのか知らない勢まで、「あ、アントワネットやってる」とひきつけてしまう脳に刷り込まれし名前の響きの美しさがある。

行列を見るとところどころ、18世紀からタイムスリップしてきたような強烈なファッションの女子たちがいる。アントワネット・ガチ勢だ。この人達はどれだけ長時間行列に並ぼうが、心が折れることはないだろう。

ガチ勢までいかなくても、女子ならば、そのファッション・アイコンにまつわる展示品の数々を並んでも見たいことだろう。普通の女子勢。

一方、「女子」というには峠を遥かに超えた齢の女性たちも多い。おそらくこの層は少女時代に漫画「ベルサイユのばら」の洗礼を受けた方々だろう。ベルばら勢だ。

そんな圧倒的な数の女達に混じって少数いる男たちは、そうした女達に連れて来られている受身フェミ男勢が過半数として、

残りは何勢なのかというと、それもまた細分化されると思うが、世界史好きと美術館巡り好きと映画好きあたりの集合体なのではないか。

映画というのはもちろんソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」で、あの映画の破壊力はなかなか高かった。今年でちょうど公開から20周年。

それでもあの行列の異様さに説明がつかないとしたら、最後の層は物販目当てのコレクター勢や転売勢だと思う。

混雑は予想してたけどあそこまでの超・混雑は予想できなかった。
館内に入ったとして展示品をじっくり見ることは不可能だ。

あきらめて、近隣にできたうんこミュージアム行こうかな。

アントワと同じ日にOPENをぶつけてきて、しかもアントワのシンボル・カラーであるピンクを使ってくるとか、明らかに狙っているんですよ。

真夏のマリー・アントワネットにウンコぶつけてくる輩がいる。

なんて前フリが長くなったが、実は今回の目当ては展示ではなかったのである。

私は美術館で開催されるマリー・アントワネットの講演の方に早々に申し込んでいた(情報の公開当日)。

英国のヴィクトリア&アルバート美術館からいらっしゃったキュレーターの方の90分講演だ。

しかも無料。2時間入場待ちの行列の皆さんが買うチケット代で回収するお金で開催されるありがたい無料講演を聞くため、私は入場待ちの皆さんを通り過ぎて涼しい顔でレクチャーホールへ向かった。

このキュレーターさんがまた、アントワネットを語るにふさわしいものすごい美人だった。手足もやたら長くって、会場のちんりくりんなアントワネット・コスプレ女子らを後ろめたくする美貌だった。(急いで付け足すと、どんなコスプレ女子もかわいいものです)

そしてスライドに映し出されるアントワネットゆかりの展示品を女子たちが熱心にパシャパシャやってるそばで、おそらくキュレーターさんを撮ってたおじさんを私は見逃さなかった。

それはともかく、V&A美術館でキュレータを務めるだけあって、さすがのよい講演。

ソフィア・コッポラの映画にもいくつか言及があった。あの映画も思いっきりアングロサクソン的な価値観というか、フランス革命をニューウェーブのUKロックに乗せて描き、登場人物全員がちゃきちゃきの英語をしゃべる振り切った造りなわけだけど、

ベルばらにも言及したうえで、「アントワネットは本国フランスでは痛い人に見られている。2020年のパリ五輪のセレモニーでの断頭台のパフォーマンスは心が痛かった。アントワネットはむしろフランスの外でこそ評価されてきた」という話で〆ていた。

それはそうかもしれない。生粋のフランス人じゃなくて10代半ばでオーストリアから政略結婚で嫁いできて、緊縮財政が求められる中で派手に散財した姫様。フランス人からすると悪しき絶対王政の最後の象徴。

そういう政治的文脈をカッコに入れてポップアイコンとして評価する、っていうのは外国人でないとできなかったのかもしれない。たぶん、ベルばらやソフィア・コッポラ経由でアントワネットを好きになったフランス人も多いのではないか。

こういう外部視点での再発見・再構築こそ美術館の企画展示の醍醐味だよなとか考えつつ、肝心の展示本体を見れないやつがここにいる。

初日で土曜日はさすがにミスった。

しかし展示を見る前に講演聞いてよかった。
また日を改めて平日にきてじっくり見て、帰りに万葉倶楽部へ行こう。

興味持った皆様も、日時と曜日選択にはお気をつけて。事前にベルばら読むかソフィア・コッポラの映画を観ていただきたい。

この後、美術館を出て中野に向かい、ジョジョオフ会に参加するのだが、アントワネットからさすがに話が飛びすぎるのでいったん切ろう。

さて、夏休み最終日を迎えている。。明日から仕事也。



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