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真説・倩保氎滞䌝党

第章 序

「おい、ちょっず来い。」

 「はっ、ご家老。」

「あそこにいる、あれ、あの若いのをちょっずこちらぞ。」
 「はは、あの、い぀もは芋かけぬ者のこずでしょうか」
「そうじゃ、ちょっず甚事がある。」

  「ははヌ。平田、たいりたした。」
 「あ、平田ず蚀ったか。たしかミキずか蚀ったな
   これから、殿に玹介するから、粗盞するでないぞ。」
  「えっ。」ず蚀ったきり、固たっおしたった若者。もちろん頭はもう䞀段䞋がりたした。

  「殿、ずの、ちょっず。」
 「なんじゃ、月がたた䞀段ず明るいのう・・・」
  「はっ、明かるうございたすが、ちょっずご玹介したい者が居りたしお。ちょっずこちらを。」
 「うむ、そのたた蚀え。蚱す」

  「はは、お蚱しをいただきたしたので、ただいたから。」
 ・・
  「ここに控えおおりたすのは、平田ミキず申したしお、先ほど長州から戻りたしおございたする。」
 「そうか。月は・・」

  「このものは、ただ若うございたすが、こちらの剣術道堎でトップを匵りたしたので、噂の長州、   道堎ぞ、
修行に出しおおりたした。それで幎の修行を終えたしお、この床垰参したものでございたす。」

 「そうか、そちが倩才かもしれんから、藩のため修行に出そうず蚀ったものであるな。芚えおおるぞ。」
  「はは、ありがずうございたす。」
 「で、そちは今䜕歳じゃ」 「ははヌ。」
 
「よい、蚱す。頭を䞊げよ。』
  「頭を䞊げるこず、お蚱しじゃ。䞊げよ」ず家老。
  「ははヌ」たた䞋がるミキの頭。

 「䜕歳じゃず蚀うおおるのに。」
  「殿が盎答をお蚱しであるぞ。はようお答えせんか」
  「はは・・・」たすたす䞋がる頭。腕も勝手に動いお、ズルズルず䞋がっおいく「ミキ」。

 「おい、あれ、倧䞈倫かえらい気匱のようじゃが」
  「はは、あれで、頭もようございたすので。」

 「そうか。なら、枅原でなく、桑田じゃな」
  「えっ、えっ」

 思わず絶句する家老。
 
 「我が藩は平賀源内を出したこずで、予もお城江戞城で錻が高い。期埅しおいるず䌝えおおけ」

 「そういえば、同じ”平”、平氏じゃな」倉に玍埗する家老であった。

 「ずうずうこちらも緊匵しお・・・。これから江戞詰めを申し付け、お玉が池の千葉道堎ぞ通わすこずに、
殿のお蚱しを埗ようず思っおいたのに・・・。」

 ♪ あれをごらんず ♪ 自分も緊匵しおしたった家老であった。

 こうしお、父の埌を継いだ平田䞉亀、芪藩の高束藩江戞詰め藩士ずしおのスタヌトを切ったのであった。

ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ

 倩保氎滞䌝の通称平手造酒ひらおみきは、本姓は平田、讃岐高束藩小玍戞圹、平田䌎五の子ずされおいるようです。
  それにしおも、江戞時代以来倚くの浪曲や講談などで有名な「倩保氎滞䌝」。
  昭和になっお䜜られた映画がなんず本も。
  あず、数知れない小説、浪曲歌謡、流行歌、テレビドラマ、テレビアニメ・・・。

  よくそんなの題材にしお曞くなヌ・・・。ずおっしゃるのは、もっずもず思いたすがね。
  で、で、でも、わたくし 杉原尚瀺、曞きたいのですよ。

  曞いおしたいたすので、あれっ、終わりたで続くかなヌ。
  
  ずにかくよろしくお願いいたしたす。

第章 バガボンド

 さお、この倩保氎滞䌝、曞きかけたものの、䜕だかおかしいのです。
 可笑しい。いえ、オカシむ・・・。
 「倉な」ずいう意味の「おかしい」が、倉換候補の䞭に無い
 これっ぀お、「岡山匁」なの・・・ずいうのは、暪に眮いおおきたしお・・・。次

 曞き出したものの、私は䞭身がどいうものか、知らない
 平手矎玀、いや平手造酒に぀いおの、私の知識は䞻に、あの倧埡所挔歌歌手、矩倫、春倫のお二人の
「倧利根なんちゃら」の歌ずセリフのみなのです。

 昔、カラオケでよく歌っおいた内容しか、「ヒラテ ミキ」を知らないのです。
 適圓に曞いたら・・
 そうはいきたせんよね。皆様・・・

 これは、たずいではありたせんか
 ず、近くの図曞通に行っおみたした。行こうずしお、昔持っおいたはずの、䌚員蚌をさがした
のですが、ない無いないヌ。
 「恐れ入りたすが、数幎ぶりですので、䌚員蚌ありたせん。再発行を」
 ず、そっずお願い。ずころが、図曞通の係りの方がパ゜コンで探し出しお、「再発行ですね」ず。

 私はずいうず、改めお探しおいお、財垃の奥のほうからひっぱりだしおいお、右手に
 「あのヌ・・。」早く蚀っおずいう顔・かお・顔・・・。ごめんなさい。

 ぀い぀い、老人のドタバタ劇を、たた挔じおしたいたした。

で、「倩保氎滞䌝」ですね・・・ここには今、䞀冊しかありたせん。

 えっ、あの有名な「倩保氎滞䌝」が、この図曞通にはたった䞀冊
 いくら、千葉県ず倉敷垂ずは、日本の東西に遠く離れおいるずしおも、それはないのでは
 ず、聞きかえしおみおも、どうもそうらしいのです。
 しかも、タむトルが「倩保おんぜう・ず曞かないず出おこない字ですバガボンド」

 それっお、挫画ですか

 「いえいえ、ご存じかどうか、あの柳蒌二郎ずいう著者の方が、最初の「倩保氎滞䌝」を再刊されるずき、
「倩保バガボンド」ず名前を倉えられたのです。䞭身は、最初の、昔のず同じです・・・。」

 いかにも、「䜕にも知らないのね」ずいった颚情で、さらっずおっしゃいたす。
 さすが、元文孊少女様。

 早速お借りしお垰っお、眺めおみたした。

 「字、字が、字が小さい」
 数幎前に、図曞通通いにはたったずき、字の小さいものばかりなのに驚いお、ずうずう、図曞通をあきらめお、アマゟンの「キンドル」で本は読む・・・ず決めた経過のある私です。でも、キンドル物は高そう
 ずいうこずで、たたたた図曞通にお願いに来た私。ずうずうお借りしお垰ったのでございたす。

 さお、長くなりたすが、垰っお頭から、ちょいちょい・・・。

 す、凄い歊術修行の衚珟など、すごいではありたせんかさすが

 で、でも、「ひらおみき」に぀いおは、䞭堅旗本の息子・・ずいう無難な蚭定になっおいる

 よしよし、これなら䜕ずかなるかもなんお、勝手に想像しお、ほくそ笑むわたくしではありたした。

 あ、ほかにこの著者が、私より、䜕ず、歳もお若いいちおう敬語のも、
ファむトを掻き立おるこずになっおはおりたすようで。

 では、では、この蟺で寄り道はよしたしお、「章、本線」に進みたす。

第章 入門

 「ふむふむ・・・。束平頌胀殿は、存じ䞊げおおる。讃岐高束藩の代で、歊士の魂をよくご理解いただいおおるず聞くが。この前お目にかかった折には、ご家来䞭に剣術達者がおらぬず、嘆いおおられた。」

 「で、貎殿がその目に止たったずいわれるのじゃな」
 
  ここは江戞、神田、お玉が池。圓時江戞の倧剣術道堎の䞀぀ず蚀われた、「千葉道堎」である。

  あれから、平田䞉亀ひらた みきは、ご家老にお尻をたたかれ、殿の掚薊状を持たされ、
 この「北蟰䞀刀流・千葉呚䜜道堎」入門のため、足を運んできたのである。
  
  もちろん、正匏に江戞詰めずなり、高束藩䞭屋敷の長屋の䞀宀を䞎えられおいた。

  そしお、朝䞀番に起き、食事の埌、姿勢を正しお䞀時間、歩き通しでやっおきた。もちろん疲れおいる。

  そこぞいきなりうわさに聞かされた、倩䞋の剣士、千葉呚䜜先生のお出たしであった。
  
  でも、殿の掚薊はっきりず・・・。いわねば

  ふるえおは・・・いけない。でも、でも、ブルぶる・・・。

  は、私、讃岐束平家家䞭、平田䞉亀 源良忠 ず申したす。

  「なるほどな、源氏であられるかわしは平氏じゃ。た、頑匵っおみなさい・・・」
  「しお、これたでの修行はいかほど・・・」

  は、高束の地元道堎で少々。そのあず、䞀幎ほど䞋関の関口流道堎で・・。

  「なに、関口流ずな、居合ではないかそれは楜しみじゃ。」

  えっ、そんな、長州はたった䞀幎で呌び戻され、こんどは、江戞。
  居合ずいっおも、ようやく抜いた埌、鞘に玍めるのが、出来るようになったばかり
  ずおも「各地で修行・・」などずは蚀えない内容なのは、䞉亀にもよくわかっおいた。

 でも、我が殿の気たぐれもあっおこんなこずに。

 無事入門はかなったが、これからどうなるのか

 䞉亀は、䞍安いっぱいのこの身を持お䜙すのであった。

で、翌日

 「おい、新入りか」

振り向くず、幎の頃は同じくらい。だが、劙に胞を匵った男が立っおいた。

 「どこの者だ」

 「は、讃岐より  」

 「ふん、田舎か」

そう蚀いながらも、その男はどこか楜しそうに笑っおいた。

 「俺は江戞生たれよ。名は――」

少し間をおいお、

 「  たあ、芚えずけ。すぐ思い知る」

ず、わけのわからぬこずを蚀っお、道堎の奥ぞず消えおいった。

 これが、のちの䞖に名を遺す、「赀胎鈎之助」であるこずは、
もちろん䞉亀ずしおも、知るはずはなかった。

ここは、読者ずしおは、笑うずころですよ。よろしくヌ

第章 利根の・

 「よいか、皆、盞手は䞀人ず思え。そい぀さえやっ぀ければ、あずは倧したこずはない

 そのためにこの人を遞抜した。
 お前たちはい぀も䞀緒にいるんだぞ。で、あの平手ミキずかいう浪人を仕留める。
 それがおめヌたちの仕事だ。
 芋぀けたら取り囲んで、いっぺんにやっおしたう。

 盞手は浪人じゃ。倧したこずはない。それに酒浞りじゃいうしな。

 䜕、真空切り

 あれは奎の連れで、真空切りず呌ばれる技を持぀、赀 䜕ずかいう男のこずじゃ。

 そい぀は今日はいない。よいか。盞手はよれよれ酔っ払い浪人じゃ。

 いっぺんにやっおしたえ。
 なに、たわりのや぀はたいしたこずない。これ䞀発で、逃げ散らあ。
 皆、すねの傷が痛いからのう 」

 飯岡の助五郎は、腰から十手を出しお、芋せびらかすのであった。

第章 利根の・

 「えヌか、おめヌら。売られた喧嘩あ、買おたんじゃ。
 飯岡なんかやっちたえ。

 せヌず、こっちには匷えヌ、味方がおる。
 ここぞ居んなさる、平手神酒様じゃ。なんでもお江戞の千葉道堎で、免蚱皆䌝ずか。
最埌はこっちが勝぀。えヌか、おめヌら、逃げるんじゃねヌど。」

 䞀方の笹岡の繁蔵も意気盛んであった。

 平田䞉亀はず蚀えば、

千葉道堎での居堎所を倱い、やがお藩にもおれなくなっお――

 ♪ 流れ流れお、・・・ ♪

 名も平手神酒ず匷そうに倉え、

 今は䞋総の囜東郚、銚子垂近くで、土地のやくざ、笹岡繁蔵䞀家の甚心棒であった。

そしお、䞖にいう「倧利根河原の決闘」になるのである・・・

第章 決戊・倧利根河原

 ・・・・・ そしお、

 䞉亀は、ただ立っおいた。

 呚りで䜕が起きおいるのか、よく分からなかった。

 たしか、䞉亀は剣は抜いお、構えた。

 でも、呚りを囲んだ本の長ドスも、そのたた動かなかった。

 あちらでは、「おい、おめヌら、これが芋えんか」助五郎が叫んでいた。

 「おめヌらの腕は、入れ墚ばっかりじゃろう。
  ひっくくっお、わしのずこのお代官様に連れお行くからのう。
  そしたらおめヌら、死刑かしたおくりじゃ・・・」

 それだけだった

 䞉亀は、ただ立っおいた。

 そしお・・・

 その埌、䞉亀を芋た者はいない。

 ただ、残された者たちは山に籠り、

 やがおそれは、物語ずしお語られるようになった。

 人はそれを、氎滞䌝ず呌んだ。


いいなず思ったら応揎しよう