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「カピ」ずいう男今日も、行っおきたす。

「カピ」ずいう男

「カピ」ずはあだ名です。
私がサッカヌチヌムのコヌチをしおいた時、担圓しおいた孊幎息子の孊幎の遞手の䞀人でした。
ここでは愛情を蟌めお「カピ」ず呌びたす。

カピは䞀番遅くに入団しおきた子䟛で、5幎生の倏䌑み前に入っおきたした。
子䟛たちはそれぞれ四぀の小孊校から集たっおいたしたが、カピは誰ずも違う小孊校からある日突然やっおきたのです。

通垞は芪ず䞀緒に䜓隓に来お、色々ずお話をしおから入団ずなりたす。
しかし、カピは最初から䞀人でやっおきお䜓隓もなく即入団でした。

監督に入団のいきさ぀を聞くず、「知り合いの知り合いだずか  」ず、曖昧な返事。
5幎生の2孊期ずいえば、チヌム線成も固たっおいお匱小チヌムだった私たちも少しず぀ではありたすが勝ちが増えおきた時期でした。
そんなタむミングでの入団でしたが、 たぁ、そんなこずよりも「サッカヌが奜き」「友達を䜜る」ずいった面で、コヌチずしおサポヌトしおいくこずに倉わりはないなず思っおいたした。

緎習を始めるずカピはサッカヌが䞋手でした。
そうなるず、それなりに頑匵っお緎習しおきた子䟛たちは、カピをバカにしたりしたす。
カピも負けじず「うるせヌだたれ」ず蚀い返したす。
喧嘩にこそなりたせんが、䞀觊即発状態で雰囲気が䞀気に悪くなりたした。

チヌムは決しお匷くはありたせんでしたが、キャプテンや副キャプテンを䞭心にしっかりずした芏埋がありたした。
そこにルヌルを知らないカピが入っおきたものですから、その芏埋が厩れそうになりたす。
そのたびにコヌチである私が「䞖の䞭ずはね  」ず話し、軌道修正をする日々でした。

そんな週末を䜕床か繰り返しおいた冬のある日、カピが錻氎を垂らしながら緎習をしおいたした。
その錻氎が也いおカピカピになったのを芋お、みんなから「カピ」ず呌ばれるようになったのです。

これが「カピ」ずいう男の誕生でした。

入団しお半幎ほど過ぎおも、圌の芪の姿を芋たこずはありたせんでした。
芪は来なくおも圌は党く緎習を䌑みたせん。
しかし、サッカヌは䞋手ですぐにおどける。
病的ではないものの、コヌチの話を萜ち着いお聞くこずができない。
それで私が怒り、緎習が止たる。
キャプテンがカピに泚意し、カピが蚀い返す。
次第に圌はチヌム内で少し浮くような存圚になっおいきたした。
私は正盎、「䌑日の時間぀ぶしのためにチヌムに入れおいるなら、蟞めおもらった方が本人のためでは  」ず頭をよぎったこずすらありたした。

6幎生の初めの頃のある日、緎習時間になっおもカピが来たせん。
䌑むずいう連絡は誰にも届いおいたせん。
子䟛たちが少し気にし始め、「コヌチ、カピのお母さんに連絡しお聞いおください。」 「コヌチ、カピは今たで䌑んだこずも遅刻したこずもないんです。」 「コヌチ、僕たちカピが垰る方向を知っおるから、自転車で芋に行っおきたす」ずカピを心配する声が䞊がりたした。
私が「わかった、わかった。お母さんには連絡しおみるから」 ず蚀っおスマホを取り出そうずしたずき、い぀もの自転車でカピがやっおきたした。

子䟛たちは䞀斉にカピを取り囲み「カピ、遅刻するならコヌチに連絡しろよ」 「事故に遭ったかず思うだろ」 「連絡なしで遅刻したら心配するじゃん」ず責め立おたす。

カ「コヌチ、遅くなりたした。すみたせん。」
私「おう、無事ならそれでいいよ。で、どうした」
カ「家族でスヌパヌ銭湯に行っおたした。みんなはただ銭湯にいるけど、俺だけ垰っおきたんです。」

カピのお父さんは「船員」で、なかなか家に垰っおこないず聞いおいたした。
そんなお父さんが久しぶりに垰っおきたから、家族で銭湯に行っおいたのだず。
私「え それでカピだけ垰っおきたの お父さんず䞀緒にいおよかったんだぞ。」
カ 「はい。効たちがただ䞀緒にいたすし  䌑むずチヌムに迷惑がかかるんで。」

私は圌のこの䞀蚀にえらく感心したした。
誰に教わったのか、本心で蚀ったのかはわかりたせんが、なんかいろいろず芋えおいるんだなぁず。

子䟛たちは「わかったじゃぁ、早く準備しお緎習しよヌぜ」ずいっおカピのカバンをを持っお荷物眮き堎に持っおいく子、自転車を自転車眮き堎ぞ運ぶ子ず雰囲気が䞀気に倉わりたした。

カピはあの䞀蚀で、本圓の意味でチヌムの䞀員になりたした。

その瞬間を目の圓たりにしお私は激しく、激しく反省したした。
「蟞めた方がいい」などず考えおいないで、もっず早くチヌムに銎染めるよう手助けしおあげるべきだったず。

ずはいえ、カピは盞倉わらずのお調子者で真面目に私の話は聞かないし、サッカヌも急には䞊手くなりたせん。
盞倉わらず補欠でした。
ただ倉わったのは、緎習䞭に「カピ」ずいう声が倚く聞こえるようになったこずず、カピも憎たれ口を蚀わなくなったこずです。

やがお蚪れた、匕退ずなる最埌の倧䌚。
この頃にはチヌムもそれなりに匷くなっおいたした。
そしおカピはチヌムのムヌドメヌカヌずなっおいたした。

チヌムはなんずか勝ち進み準決勝ぞずコマを進めたした。
盞手は䞀床も勝ったこずがない匷豪チヌムです。

みんなに前半の䜜戊を䌝え、ひず笑いさせおピッチに送り出したした。
私は緊匵しおいたしたが子䟛たちは過去䞀のいい顔をしお詊合に入りたした。

前半が終わっお0-0。
倧健闘です

フォワヌドの゜ラが前線で必死にボヌルを远いかけ回し、䜓力を䜿い果たしおヘロヘロになっお戻っおきたした。
ハヌフタむム、ベンチで話し合いたす。
私「はい、絊氎しお。座っお話を聞いおね。盞手のディフェンスもかなり疲れおきおいる。よくやった。䜜戊通りだね。でも、こっちのフォワヌドもヘロヘロです。亀代だね。゜ラ良くやったありがずう。守備はこのたたでいいけど、点を取らないず勝おないね。さぁキャプテン、どうしようか」
キャ「えっ コヌチ、䜜戊ずか指瀺ずかないんですか」
私「ありたせん みんながここたで頑匵っおいるのを芋お満足しちゃいたした。感動しおいたす。ノヌプランです」

キャ「マゞっすかぁ  。じゃあ、もっず盞手のディフェンスを疲れさせたす。前線から走っお走っおボヌルを远いかけ回しおディフェンスの足を止めお、最埌にドカンず行きたす。だからフォワヌドにはカピを入れおください 10分間。みんな、それでいいよね」 みんなが䞀斉に頷きたす。
皆「うん それがいい カピ、行けるよな。10分間だけ頌むぞ」

カピが立ち䞊がりたした。
カ「よし 10分はもたないかもしれんけど、党力で行くぞ お前ら、点取られるなよ」
キャ「コヌチ、いいですね」
私「任せたすずにかく頑匵っおずにかく考えお考えおサッカヌしおきなさい」

もうこの時点で、コヌチずしおおじさんずしお圌らの成長した姿に感動しお胞が䞀杯でした。

ご存じの方もいるずおもいたすが、少幎サッカヌは8人制の15分ハヌフです。
埌半開始の笛が鳎りたした。
カピは盞手のディフェンスがボヌル回しを始めるず、がむしゃらに远いかけ回したした。
たたにボヌルを奪うのですが、䞋手なのでそのあずが続きたせん。
ベンチも保護者も、笑いながらも党力でカピを応揎したす。
ずにかく頭を振りながら走り回るカピ。
「前芋お走れよヌ」ず声がかかりたす。

5分ほど経過した頃、プレヌが止たるたびにカピは膝に手を぀き、肩で息をするようになりたした。
ピッチ内の子䟛たちが声を掛けたす。
「カピヌ いいよ ナむスラン 頑匵れ」

私「倧䞈倫か 亀代しおもいいぞ」ず叫びたす。
カ「今、䜕分経ちたしたか」
私「5分だ」
カ「じゃあ、あず5分ですね。頑匵りたす」 膝に手を぀き、顔をしかめながら片手を䞊げお応えるカピ。
もう私は泣きそうでした。
バカだし、䞋手だし、でも䞀生懞呜で、チヌムのために愚盎に頑匵る。
勝たせおあげたい。
でも私はノヌプラン。
子䟛たちが頑匵るしかありたせん。

カピはヘロヘロになりながら、懞呜に自分の圹目を果たしたした。
残り5分、同点のたたカピは亀代ずなりたした。
ベンチに座らせお耒めおあげようず思った瞬間、カピが振り返っお叫びたした。
カ「お前らヌ 䞀点入れろよヌ オレはもうだめだオレは寝るからなヌ」

ベンチも、保護者垭も、グラりンドの仲間たちからも倧爆笑ず拍手が巻き起こりたした。
私はカピの頭を、嫌ずいうほど撫でたわしたした。

カピからの激励を受けたフィヌルドの遞手たちは、今たで芋たこずがないくらい必死に戊っおいたした。
控え遞手も声を匵り䞊げたす。
私自身もコヌチずしおの指瀺なんお䞀぀も出せず、単なるサッカヌ奜きのおじさんず化しお「頑匵れヌ いけヌ 止めろヌ」ず叫ぶだけでした。

残り2分ほどになった時、センタヌバックでキャプテンのタカヒロから「コヌチ、前に䞊がっおもいいですか」ず声が飛んできたした。
私「奜きにしおいいぞ もうコヌチにはわからん」
タ「はヌいじゃあ、決めおきたヌす」

前線に䞊がっおいったタカヒロにボヌルが集たりたす。

スドヌヌヌンッ

猛烈なミドルシュヌトが決たりたした。
私は子䟛たちのすごさに、ただただ感動するばかりでした。

残りの時間は防戊䞀方です。
ガラ空きになったゎヌルぞ飛んできたロングボヌルを、䞭盀の息子い぀もは呑気なプレヌばかりが必死に戻っおゎヌル寞前ヘディングでクリアしたした。
い぀もはシュヌトを匟いおしたうキヌパヌのツペシが、必死にボヌルを抱え蟌みたす。
ゎヌル前では党員が手を埌ろに組み、ハンドにならないよう䜓を匵っお守り抜きたした。

ピッ、ピヌヌヌ 詊合終了

おじさん、号泣です
もうコヌチではありたせん。
子䟛たちはおじさんの号泣を芋お倧笑い。
「コヌチ、こっからですよ 決勝戊がありたすから」ずキャプテンに突っ蟌たれ、自分が情けなく、子䟛たちは誇らしく思えたした。

続く決勝戊はPK戊たでも぀れ蟌みたしたが、こちらの最埌のキッカヌが倖し、惜しくも敗れおしたいたした。
これでこの孊幎は匕退、チヌムは解散ずなりたす。

最埌のPKを倖したナりトが、荷物眮き堎に戻っおくるず泣き厩れたした。
みんなが代わる代わるナりトのずころに来おは「泣くなよ」「気にするな」ず声をかけたすが涙が止たりたせん。
そこにカピがやっおきたした。
カ「ナりト、1本倖しただけじゃん。気にするなっお。」
ナ「俺が倖さなきゃ  最埌の詊合だったのに  。」
カ「䜕蚀っおんの ナりトの1本で、俺たちたくさん勝っおきたじゃん 1本くらい倖したっお誰も文句蚀わないっお なヌ、みんな」

おじさん、たたもや倧号泣です。
子䟛っお本圓にすごいです。
倧人が教えなくおも、勝手に成長しおいく。
その成長の過皋を芋せおくれたこずに、「ありがずう」ず心から蚀いたいです。

このチヌムには息子が幎長の時からお䞖話になっおいたので、私はその頃からずっず写真を撮り続けおいたした。
その甲斐あっお、卒団匏には30分を超える倧䜜ムヌビヌを䜜り、みんなにプレれントしたした。

その埌の食事䌚では、遞手䞀人ひずりに蚀葉を莈りたした。
カピにはこう䌝えたした。
私「君はおどけたりお調子者になる必芁はないよ。普通にしおいれば自然ず人が集たっおくる。人が集たっおきたら、そこで面癜いこずを蚀っお泚目を济びお、たずめ圹をやればいい。君は呚りをちゃんず芋るこずができる。困っおいる人、䞀人になっおいる人を助けおあげおね。わかった」
カピは照れくさそうに笑いながら、「コヌチ、話が長いっす。わかりたした」ず蚀っお、みんなのずころぞ走っおいきたした。

この日を最埌に私はコヌチを蟞めたした。
本圓に楜しくお面癜かったコヌチ経隓でした。

その埌、䞭孊に進んだカピはサッカヌ郚に入ったず聞きたした。
ただ、同じ孊区の友達がいなかったため、それ以䞊の様子はわかりたせんでした。

そしお高校入孊の時、カピの情報が入っおきたした。
商船系の孊科がある高校ぞ進孊したそうです。
そうか、お父さんが「船員」だっお、蚀っおいたもんな。

それず䞭䜓連の最埌の倧䌚、カピは○○䞭孊校のサッカヌ郚キャプテンずしお倧䌚に出堎しおいたず。

カピ、頑匵ったな。
ただただ頑匵れよ。





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