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【完結枈】井䞊家の食卓──15歳の倏──『ラテックス、そしお倏』ep.9(最終話)

「出汁、倉えた」
味噌汁をひずすすりした父が蚀った。

䞀名を陀く党員の箞が止たり、食卓は䞭途半端な静寂に包たれた。

さっきたで倧合唱しおいた倏の虫も、どう蚀うわけだか静たり返っおいる。
か぀お「滅びろ」などず気軜にのたたったこずを今曎ながらに反省する。

俺は極力、音が鳎らないように口に残る胡瓜の挬物を咀嚌した。
効は口から蒞し茄子を垂らしたたた固たっおいる。
母ず祖母は阿圢像あぎょうぞうず化したたた顔を芋合わせおいる。
父だけがにこにこず、米やらハンバヌグやらをもりもり食べ進めおいる。

いよいよぬるたっおきた胡瓜が䞍快指数の最倧倀を超えようか、ずいう時だった。
阿圢像その䞀が、蟞曞的甚法で、、、、、、口を開いた。
「こりゃあ猛吹雪になるかも  」
それはほんの数時間前にやっおきた倏も、垰路に぀いた梅雚も驚くこず間違いなしの気象予枬だな。
俺はハンバヌグの内なかから䌞びたチヌズをたぐり぀぀、父のうしろの窓に目を遣った。
効が俺に寄せる、心底呆れたような顔に気付く。
「なに」
「チヌズだけほじくり出しお食べるのやめおよ。」
「あ  」
俺は肉ずチヌズずをたずめお切り、口ぞ運んだ。
効もたた、ハンバヌグに箞を入れる。
そのハンバヌグからは、肉汁だけがしみ出おいた。

「明日、晎れみたいだよ。」
父は指王にたみれ携垯画面を印籠の劂く芋せ぀けおくる。
誰も反応しないものだから、ぱちんず閉じおテヌブルの隅に眮いた。
そしお父はたた味噌汁をすする。
俺も味噌汁を口に含んだ。

その間かんも阿圢像たちの話は続いおいる。
「この人、昔っから味なんかわかんないで生きおるもんだず思っおたけど。」
「ねえ  」

「で。出汁、やっぱり倉えた」
「ああ、そうそう。倉えた。」
「わかった。煮干だ。でもなんでたた急に」

俺はもう䞀床、味噌汁をすすった。
さらにもう䞀床、すすった。
「お兄ちゃん」
「あ、ああ、なんかこう、深いね。」
効の笑いが、味噌汁の枩床を䞀気に䞋げた気がした。

「癜石君が持っおきおくれたの。」
「癜石君」
「ほら、悠来ゆうきの  」

母の髪がショッキングピンクに倉わっおも気づかなかったこの父が──
猫が䞀匹増えたこずに、䞀ヶ月経っおようやく気付いお「お名前は」なんお問いかけるこの父が──

機埮どころか倧いなる倉化にすら気づかないこの男が  

俺は自分の舌を恚んだ。

「ひず぀お蚀葉なのですが。」
怀の底に枊巻く、銀の膜を箞先で぀぀く。
「そっちは猫にっお。」
「え」
「煮干は猫にっお。」
「癜石君がそう蚀ったの」
食べ物の恚みは怖いぞ。
じゃれ぀いおきた二匹の身䜓を感じながら、俺は味噌汁を飲み干した。

「こっちが人間甚です。」
食卓の真ん䞭に癜い玙の箱が眮かれた。
どういうわけか、父が勇んで封を切った。

「あら。」
祖母は顎に手をやった。
「ここは、せヌの、で遞ぶのが吉じゃない」
母の提案に䞀同が頷いた。

──せヌの

党員の指先がおんでんばらばらに散った。
ある皮の䞀家離散、ず我が身を憂うれえた。

「え、お前さ。この間、いちご狩りの時、䞀生分の苺、食ったっお蚀っおたじゃん。」
「そんなこず蚀ったらお兄ちゃんだっお、たった今ハンバヌグのチヌズほじくり出しおたくせにチヌズケヌキ遞んでるじゃん。あず、『お前』っお蚀うのやめおくんない」
「あ、はい。なんか、ごめん。」
俺は加熱されたチヌズが奜きなんだ、別にいいだろ。
苺の皮の匟ける音を聎き぀぀、䞉角圢の頂点を厩した。

「ハルちゃん、、、、、もこないだ、『もう苺芋たくない』っお蚀っおたのに、たた食べるの」
「蚀った。蚀ったけど。それ蚀ったらみっくん、、、、だっお誕生日にチョコレヌトケヌキ食べたばっかりでしょ」

確かにそうだ。
ただろうそくが䞉本立っただけのテラテラ茝く茶色いケヌキ。
あれの盞䌎を預かっおから、ただ二週間ず経っおいない。

「それに芋お 苺は䞀個  これ半分に切れおるから、二個。あずはブルヌベリヌでしょ、それから  」

そんなこずよりその、「ハルちゃん」「みっくん」呌びはどうにかならないものだろうか。
俺は熱すぎる玅茶にこっそり麊茶を泚ぎ入れた。

「おいうかパパ、あの時、緎乳だけ舐めおなかった」
赀く染たった剥き出しのタルト生地を切り぀぀効が蚀った。
確かにあの日、父が苺をもいだずころを芋た気がしない。
係の人の説明䞭も䞊の空で、トッピングコヌナヌを物色しおいた。

「みっくん、、、、はさ、昔っからそうじゃない 季節限定のいちご味のポッキヌなんかには食い぀くくせに、誕生日にショヌトケヌキを手䜜りしたら苺だけ党郚、私によこすの。」
母はタルト生地をフォヌクの先で突き厩し、真倏の䞉角コヌナヌでも觊れる時のような県で父を眺める。
「ハルちゃん、苺、奜きでしょ っお あたかも君のために、みたいに」
「そう。昔っから本圓にそう。病院で出されるシロップ薬っおあるじゃない」
うんうん、ず母が銖を振っおいる。
「あれ舐めたさに仮病なんか䜿っお」
祖母はココアパりダヌを錻息で飛ばす。
「かき氷も絶察、いちご味遞ぶよね。」
サヌビス゚リアの゜フトクリヌムも、ご圓地限定シリヌズには目もくれず絶察に、だ。

「俺はさ、いちご味が奜きなの。」
「䜕それ。」
効が俺たちに笑顔を芋たのはい぀ぶりだっただろう。

膝に乗ったスゥ、、ずゞェット、、、、が、煮干をかじる。

俺は残り䞀口になったベむクドチヌズケヌキにフォヌクをさした。
窓の倖ではたた、倏の虫が鳎き始めおいる。

明日の倩気、晎れ。

倏はただ始たったばかりだ。


【習䜜】、井䞊ず癜石シリヌズ、「癜石によるの井䞊のご自宅蚪問線」完結したした。

ただ、【習䜜】はただ続きたしお。
井䞊ず癜石はただしばらく皆様に䌚いにきたすので、枩かく芋守るなり、時に厳しく叱るなりしおいただければ幞いです。
圌らのクラスメむトずしお読むもよし、圌らの担任目線になるもよし、はたたた電車で䞀緒になったおいで読むもよし。
です。

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最終回盎前はこちら。

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【連茉再開】
再開したした。
すみたせん。
やはり人生初の短線ずいうこずもあり、䞍人気でも私はこれが自䜜の䞭では䞀番思い入れがありたす。

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【再開芋蟌】
少しず぀次の䞀話、進み始めおいたす。
次の章さえ曞ければあずは芋づる匏に曞けそうなんですよ。
いかんせん頭の䞭では貝原瑞暹がずっず生掻しおいたすから。

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ちょうど今くらいの気候にあった「氎蟺の぀぀じ」の䞖界線。

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【玀貫之】
ちょうど䞀幎前に投皿した蚘事。
玀貫之の話だず思いたす。

↑
ゆきお様・䜜
父の謎、15歳の苊しみ。
倧解明

いいなず思ったら応揎しよう

よもぎ よもぎちゃヌん はヌい 䜕が奜き ポテトチップスよりも お・ぬ・し

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