即効性のあるうつ病治療薬の登場。一方で精神障害者への「虐待」実態も明らかに【気になるメンタルヘルスニュース】
noteの世界でも、日々、長引くうつ病やその他の精神疾患と共存されている方も多いと思います。風邪のように、パッと治れば良いのですが、なかなかそうはいかないこともありますね。
私自身も当事者として、「心」について、日々情報を集めています。
記事を書くためにも、自分自身のためにも。
けれど、気になる、広めたいニュースはたくさんあっても、全てを調べて記事にするのは、なかなか難しいんですよね。
そこで、この記事では、個人的に気になるメンタルヘルスや福祉関連のニュースを取り上げ、精神疾患を持つ当事者の立場からコメントしてみます。
もしご興味があるトピックスがあれば、覗いてみていただけると幸いです。
※私は医療従事者ではありません。あくまで精神疾患当事者目線の個人的な「感想」にとどまります。詳細については、参照しているソースなどをご覧ください。
(ながら聞きしたい方向けに、私の声をサンプリングしたAI読み上げ音声です)
1. うつ病の急性期に即効性が期待される新薬「ザズベイ」
ズラノロン(商品名ザズベイカプセル30mg)は、昨年末に承認された画期的な新薬で、
「(うつ病の急性期に)数日で効果が出て、14日で飲み終える薬」
とされているそうです。
あくまで、うつ病が「魔法のように治る」新薬ではありません。全員に効くとも限りません。
じゃあ、何が画期的なのか?
「スピード」です。
うつ病の投薬治療をしたことがない方にとっては、薬が素早く効くのって当たり前のように思えると思います。風邪薬や頭痛薬。飲んだらすぐ効きますよね。
でも、精神に作用する薬の効き方というのは、基本的に、もっとゆっくりであることが多いんです。
薬を忘れず飲み続け、成分が一定の血中濃度になるようにしなければ効果が出ません。数週間、場合によってはもっと飲み続けます。その間、厄介な副作用が出ることも。
そこまでして、ようやく「効くか、効かないか」の判断がつくものでした。
だから、「数日で効果が出始める」ということは本当に画期的で、ありがたく感じます。うつ病の急性期というのは、生きているのかどうかも分からなくなるようなひどい体験ですから……。
個人的には、私自身が双極性障害を患っているため、「双極性障害のうつ症状にも効果があるのか?」が気になりました。
添付文書を確認しました。
ああ、残念です。双極性障害には、躁転などのリスクがあるのですね。基本的には適用外ですね。
双極性障害はうつ状態と躁状態を行き来する病気ですが、しばしば、うつ病の治療薬が「躁転」(あまり好ましくない状態)を引き起こしてしまいます。
でも、うつ病のある方は、この薬によって、辛い急性期を乗り越えられる方も多いはずです。救われる命が増えることを願っています。
2. 「睡眠障害」が新たな診療科名に
今月、6日の新しいニュースです。
厚生労働省が、新しく「睡眠障害」を診療科名に追加する方針とのこと。
つまり、病院が「睡眠障害」の治療を標ぼう出来るようになったわけですね。
今までも、実質的に「睡眠障害」を治療している医療機関は多かったはずです。私も不眠症で、以前は、内科などで睡眠導入剤を処方されていました。今も薬を飲み続けています。
でも、新しく診療科名として追加されることで、より「睡眠」で悩んでいる人がアクセスしやすくなるはずです。
実質的には、精神科や内科、耳鼻咽喉科が中心となり、サブの診療科名として標ぼうすることになりそうですね。
うつ病や適応障害など精神的な問題で眠れなくなっている方は、睡眠障害でクリニックを訪れ、そのまま精神的な問題の治療にもスライドしやすそうです。
ただ、逆に細分化されることで、どこに行っていいか分からなくなるリスクもあるかもしれません。やってみないとどうなるか分かりませんね…。
なお、調べていたら、厚生労働省がポケモンとタイアップして「睡眠」リーフレットを作っているのを見つけました。
か、可愛い~。
きっと癒されて、睡眠に悩むあなたも、少しだけ眠りやすくなる…はず。
リンクを貼っておきますね。
https://www.mhlw.go.jp/content/001508775.pdf
3. 精神科病院の従事者による障害者虐待260件 厚労省が初集計
厚生労働省が、(2024年に虐待通報が義務化されて以来)初めて精神科病院の医療従事者による障害者への虐待件数を集計し、通報・届出のあった6258件中、260件を虐待と認定したそうです。
厚生労働省の一次資料はこちらにありました。
身体的虐待158件、心理的虐待131件、性的虐待23件、 放棄・放置(ネグレクト)23件、経済的虐待4件
生労働省社会・援護局障害保健福祉部 精神・障害保健課
より引用
しかし、必要な措置を採ることを命じた件数は8件とのこと。現状では、虐待があったと認定したとて、あまり厳しい追及はしていない印象を受けました。
ですが、そもそも通報自体が2024年に義務化されたばかり。
まずは改善を期待して様子を見る方針ですかね。精神科病院自体が公示、業務の制限を加えられると、困る方もたくさんいますし、慎重に対応しようとしているのかもしれません。
もし、これを読んでいる方で「これは虐待かも…」と気づいた・思い当たるフシがあれば、窓口がありますので、通報されてみてください。匿名で出来ますし、声を上げれば、他の当事者さんにとっても、力になります。
都道府県ごとに窓口が違うようですが、一例として東京都の場合はこちらが通報窓口のようです。
でも考えてみると、精神科病院の患者さんは、自分で声を上げられない人も多いはずですよね。だからこそ、外部の「目」が行き届かず、対応も悪くなっていくのかもしれません。こうした問題が生じる背景には、善意だけでは成り立たない、構造的な問題があるのかもしれないと感じました。
海外の状況も調べてみましたが、世界でも年間840万人が精神科病院に入院している中で、長期収容と虐待が常態化しているそうです。
さらには、出てからも社会復帰が難しいとのこと。
そうですよね……。日本でも世界でも、一度「レール」から落ちてしまうと、復帰はなかなか難しいものです。状況が長引けば、当事者自身からも、改善の意欲は失われていきます。
日本で行われている今回の通報義務化により、虐待のない精神科医療が実現すればいいなと思います。
4. 障害年金問題は続報ないけれど、有志による無料のチェックリストが公開
前回、障害年金問題(医師の判定結果を事務職員が独断で破棄している疑い)について取り上げました。
調べた限り、特にその後の動きは見えませんでした。
けれど、「社会保険労務士法人全国障害年金パートナーズ」さんが、申請者のための便利なチェックリストを無料公開されたという明るいニュースも見つけました。
障害年金の申請を自分でやるのは、健康な方ですら、至難の業ですからね…。今まさに病状が悪化している方には難しいはずです。
こうしたチェックリストが助けになり、必要な方にお金が行き届くようになってくれればいいなと思います。
本来は、それを担うのが、年金機構や厚生労働省であるはずなんですが…。
なぜか、お役所はそれだけでは完結できず、民間に頼って成り立っていることが多い気がしますね。仕方がないのかな。
とはいえ、長引く精神疾患で就業などに影響が出ている方は、ぜひチェックされてみてください。
以上でした。気になるニュースはありましたか?
少しでも、メンタルヘルスについて知るきっかけになれば心から嬉しく思います。
また気になるニュースがあれば、共有していきますね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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