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人間椅子 / まほろば

2年ぶり、24枚目のアルバム。すでに安定と円熟の人間椅子だが、恐ろしいのは全盛期が続いているところ。新作が代表作というか、もちろん90年代の作品などは思い出補正もあるのだけれど、フラットに聞くと新譜の方が迫力も深みもあり、常に最高を更新するというか。

もちろんそれぞれに方向性の差は多少あるので、名盤を増やしていく、という稀有なバンドというべきか。たいてい、キャリアが長くなるとリリース間隔が伸び、かつ過去の名盤に比べると今ひとつ凄みが深みが減ったりするものだが人間椅子は全盛期が続いている。売上や影響力的にもだんだん増しているというか、デビュー時点こそイカ天出身の話題性はあったものの決してメインストリームに上がったことがないバンドゆえにジワジワと実力、人気をつけてきた、というキャリアゆえだろう。不遇の時代はありつつも、その間もずっと活動を続けてアルバムもコンスタントに発表してきた。あまり他に思いつかない進化を果たしているバンド。個人的には2009年の「未来浪漫派」以降、黄金期が始まり、2016年の「怪談、そして死とエロス」以降は円熟の域に達してクオリティをキープしていると思う。

…なのだが、実のところ前作「色即是空」はここ10年で初めてマンネリというか、アルバム全体を聞いて少し疲れたアルバムだった。単に個人的な波長もあると思うのだが、なんだか新鮮さに欠けていた。さすがに人間椅子もゆるやかにテンションが下降していくのか、と思っていた。それはそれで、僕も時間を重ねて分かってくる作品かもしれないし。人間は歳をとるから、アーティストの変化と僕の変化が時間軸が合うとは限らない。

ところが、本作を聞いてまたマジックが復活していた。一聴して分かりやすいフックとお化け屋敷のような分かりやすいギミック、かつ、熟練の技が光り、適度なキャッチーさ、ユーモアと不気味さ、奇形、そして音楽としての深み、演奏者としての技が高度に噛み合っている。個人的にはハマる内容だった。やはり凄いな人間椅子。

来年には初(だと思う)のフェスヘッドライナーも務める。ヘドバン誌が主催するMixed Hell。

まぁ、チッタなので大規模フェスではないが、でも人間椅子ヘッドライナーというのはオンエアウェストでやっていた頃(1999年から2000年代あたりか)からすると隔世の感がある。続けていることも凄いし、自己の最盛期を維持しているのもすごい。人生の先輩として和嶋さん、鈴木さんにはリスペクトを感じる。あらゆるドゥームメタル、(メタル、でも、メタルコア、でもない)ヘヴィメタルファンにお勧めしたい一枚。

それでは良いミュージックライフを。

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