曇天に映える、国宝・犬山城
「目指せ、現存天守12城!」
「ふたりとも、足腰、丈夫なうちに!」
そんな目標を掲げ、夫婦で少しずつお城を巡っております。
今回訪れたのは、愛知県にある犬山城。
現存天守12城のひとつであり、さらに国宝5城にも数えられる名城です。
朝の9時30分。JR大阪駅から高速バスに乗り込み、名古屋へ向かいました。
天気は、ひと言で表すなら「ザ・曇り」。
灰色で、雲ひとつしかありません。暑すぎず、城歩きにはむしろちょうどいい天気。
大阪は昼過ぎから雨予報。雨に追いかけられるように、バスは東へ進みます。
途中、甲南サービスエリアで休憩。

短いトイレ休憩だというのに、別にお腹が空いているわけでもないのに、人はどうしてサービスエリアで何か買ってしまうのでしょうか。(笑)
気がつけば二人とも、片手でサクッと食べられる軽食を手にレジへ向かってました。
バスへ戻り、それぞれの戦利品を満足げに座席のテーブルへ置いた頃、バスは名古屋に向け、静かに動き出しました。
バスは順調に進み、ちょうど3時間後の12時30分に名古屋駅へ到着です。
サービスエリアで軽く食べていたおかげで、まだお腹は空いてません。昼食は後回しにして、そのまま名鉄線へ乗り換え、犬山駅を目指します。
犬山駅に到着すると、まずはお城へ続く城下町を散策。
おしゃれなカフェや食べ歩きグルメのお店が並び、観光客で賑わってました。城下町をぶらぶら歩きながら、気になったものをつまみ食いする時間もまた、お城巡りの楽しみのひとつです。

そうこうしているうちに、時間は午後2時。
今回の目的地、犬山城へ到着です。
犬山城は先にも書きましたが、現存天守12城のひとつ。そして姫路城、松本城、彦根城、松江城と並ぶ国宝5城のひとつでもあります。
さらに、現存する木造天守としては日本最古ともいわれています。

テレビや写真で何度も見たことはありましたが、実際に目の前に立つと、その存在感はまったく別物。
お城の中に入り、当時のままの石垣や、梁をじっくり見ながら、お城独特の急な階段を、4階の天守目指して登ります。


手すりを頼りに急な階段を登り切ると、ようやく4階の天守へ到着です。
犬山城は木曽川沿いの断崖の上に建っており、天守までの高さも合わせると、およそ100メートル近い高さになります。
天守の外へ出た瞬間、思わず二人して「おおー」と声が漏れました。



目の前には、東西南北を見渡せる大パノラマ。
東には御嶽山、西には御在所岳。南には名古屋の高層ビル群がうっすらと見え、北へ目を向ければ、遠く岐阜城の姿まで確認できました。
高い場所から景色を見る機会はあるけど、現代の展望台と違い、目の前には戦国武将たちも見たかもしれない風景が広がっていると思うと、よけいに感慨深いものがあります。
ただ、天守の外周は思った以上に足場が狭く、手すりも低い位置にあるので、高い場所が苦手な人は要注意です。
後で知ったけど、こうして天守の外に出てぐるりと一周できるお城は、現存天守では犬山城と高知城だけなのだとか。
確かにこれまで行ったところは、天守の外にはでれなかったな。
ちなみに、天守の外を巡る通路は「廻縁(まわりえん)」、手すりは「高欄(こうらん)」というそうです。
私はちょっと腰が引けながら高欄につかまり、写真を撮っていましたが、隣を見ると奥さんは、半身になりながら動画をたっぷり撮影中。
「お主やりおるな」(笑)
天守からの眺めで、お殿様気分を満喫したら、あとは下るだけです。
とはいえ、これがなかなか気が抜けません。
急な階段を、登る時以上に慎重に一歩ずつ。
万が一足を滑らせようものなら、自分だけでなく皆を巻き込んでの大階段落ちになってしまう。
そんなことにでもなれば、夜のニュースで「犬山城で観光客転落」なんて流れるのだろうか。
いや、その前に保険証持ってきてないぞ。
救急車で運ばれたらどうするんだ。
そんな余計なことばかり考えながら、手すりをしっかり握りしめて、無事に下界へ戻ったのでした。
犬山城を後にし、城下町のお店で冷たい飲み物をいただきながらひと休み。
歩き疲れた足を休ませてから、犬山駅へ向かいました。
名古屋駅に着くと、時刻はもう午後5時前。
帰りは新幹線ではなく、近鉄特急『ひのとり』で大阪へ帰ることにしました。
近鉄が誇る豪華特急のひとつで、一度乗ってみたかったんです。
ちょっと「乗り鉄」なんです。(笑)


大阪難波までは2時間ちょっとの乗車。
遅めのお昼ご飯兼、ちょっと早めの晩ご飯にと、駅地下で名古屋名物の天むすと唐揚げを買い込み、車内へ乗り込みます。
そして発車とほぼ同時に、「いただきます」。
旅の最後の楽しみが始まりました。
窓の外は相変わらずの「ザ・曇り」。
結局、犬山にいる間は雨に降られず、なんとか逃げ切れました。
ただ、奈良に入ったあたりで、窓にポツリ、ポツリと雨粒が当たり始めました。雨はここまで迫ってました。
朝から追いかけてきた雨に、ようやく捕まった気分です。
もっとも、こちらは快適な『ひのとり』の車内。
広々とした座席に身を預け、お腹もいっぱい。
外はすっかり暗くなっています。
こうなれば、もう寝るしかありません。
うとうとしているうちに、車内アナウンスが聞こえてきました。
「次は、鶴橋です」
楽しかった犬山城の旅も、まもなく終点。
現存天守12城制覇への道のりは、これで半分。
いやまだ半分か。
残り6城、まだまだ先は長いぞー。
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