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shigekumasaku
noteでだけはあの作家に勝っている
春頃に行ったローカルなフェス。
その中で、トークショーをやっている作家がいた。
年齢は私とほとんど変わらないようで、非常におしゃれな語り口だ。
私もこんな人生を歩みたかった。
名を成して、壇上でそれらしい高尚なことを話す。
なんて素敵な人生だろう。
本気で、芯から羨ましく思った。
最近、その作家のことをふと思い出した。
名前もサッと思い出せずに、一度そのフェスのホームページで確認する。
実際名前もその時まで知ることはなかった人だし、作品も読んだことがないから、大体タイトルなんかを眺めて、どんなものを書いているかだけでも知っておこうとなぜか思い立ったのである。
そうして、調べていくうちに結構その界隈では有名であることや、ちゃんと「売れている」作家であることがわかってくる。
なんなら、結構心引かれる言葉がちらつく。
きっと、読んでしまえば好きになってしまいそうな、そんな人だった。
その人のSNSを見ていると、noteへのリンクが貼ってある。
それを開いてみると何年か前の2、3個の記事。
フォロワーは私よりも少なかった。
きっと、この人にはnoteという世界は向いていなかったから、続けていないのだろう。
でも、確かに、確実に私はこの瞬間、noteでだけはこの人に勝てた。
名前も知らなかったクセに、壇上に立った姿に嫉妬までしてしまったその人に勝てたのだ。
何か嬉しいようで、でもなぜか勝ったのに負けている気もして、浅はかだなと自戒した。
こんなことでしか勝てないけど、
こんなことでくらい勝っても良いよね。
