個人開発SaaSで月30万円を突破した話
このタイトルをクリックして「真似しよう」と思った人は、たぶん危ない
いきなり失礼なことを言います。
このタイトルに惹かれてクリックして、「自分も真似してみよう」と思った人は、けっこう危ない状態にあると思います。
なぜ分かるかというと、僕がまさにそちら側の人間だったからです。
Xを開けば、こういうツイートばかり流れてきます。
「個人開発で月◯万円達成しました」
「会社員をやめて半年、こうやって稼いでいます」
「再現性のあるやり方、リプで配布します」
丁寧なスレッドが並んでいて、最後に「詳しくはこちら」とリンクが貼ってある。 踏むと無料のnoteが開く。読むと途中まではまともなことが書いてある。 そして最後に、数万円の商材か、月額のコミュニティへの導線がある。
僕は買いました。そして、まんまと騙されました。
断言しますが、この手のもので、まともだったものはひとつもありませんでした。 中身は「まずは自己分析から」「発信を続けましょう」「まずは小さく始めましょう」みたいな、無料で読める記事の焼き直しです。稼いでいるのは、稼ぎ方を売っている人だけでした。
だから、このタイトルでクリックした人に最初に言いたいのは、これです。
「月◯万円達成した話」に再現性を求めた時点で、たいてい養分になります。
正直に言うと、このタイトルは意図的です
ここまで書いておいて何ですが、僕自身も今まさに、その怪しいタイトルでこの記事を書いています。
理由ははっきりしています。このタイトルはクリック率(CTR)が高いからです。
僕の本業のひとつは広告運用です。数字を見る仕事をしているので、感覚ではなく統計として分かります。「月30万円」という具体的な金額、「突破」という達成の動詞、「した話」という体験談の形式。この3つが揃ったタイトルのCTRは、素直な内容説明型のタイトルより明確に高い。
つまり僕は、自分が引っかかった手法と同じ入口を使って、あなたをここに連れてきました。
騙すような形になってしまったことは謝ります。すみません。
ただ、入口が同じなだけで、出口は違います。
※この記事の最後に商材はありません。
コミュニティの募集もありません。売るものが何もないので、代わりに、数字と、うまくいかなかったことを全部書きます。
実際の数字
僕は今年の5月から、月額課金型のWebサービスを個人で運営しています。人生で初めての個人開発です。
売上の推移はこうです。

ありがたいことに、3ヶ月目で20倍まで伸ばすことができました。
ここだけ切り取れば、まさに冒頭で貶したツイートと同じ絵面です。
実際、この数字だけをXに投稿すれば、それなりに伸びると思います。
でも、この3行に意味はありません。意味があるのは、この数字がどういう構造から出てきたのかという部分だけです。
なぜか、最初から伸びる確信があった
初めての個人開発でした。
プログラミングを本格的にやり始めたのも最近です。
それでも、リリース前から「これはいける」という妙な確信がありました。
後から振り返ると、確信の正体は3つだったと思います。
1. 自分がその市場の当事者だった
僕はもともと小学校の教員でした。4年間ほど勤務していました。今提供しているのは、その業界の人が確実に困っていることを解決するサービスです。
「困っている人がいそうな市場」ではなく、
「自分が困っていた市場の当事者」でした。
ここが決定的に違います。ユーザーが何を面倒くさがるか、どこで諦めるか、いくらまでなら払うかが、リサーチではなく実感として分かっていました。
2. 課金する理由が、ユーザーの側にすでにあった
僕のサービスのユーザーには、明確な締切があります。放っておいても、向こうから期限がやってくる領域です。
「便利だから使う」ではなく「間に合わないと困るから使う」。この差はそのまま課金率と継続率に出ます。個人開発でよくある「作ったけど誰も課金しない」の大半は、便利さで勝負しようとして起きていると思っています。
3. 集客手段を先に持っていた
僕はもうひとつ、広告運用の仕事をしています。Meta広告の運用が本業です。
つまり「作ったあとどうやって人を連れてくるか」という、個人開発で一番みんなが詰まる部分を、先に手札として持った状態でスタートしていました。
この3つが揃っていたから伸びた、というだけの話です。逆に言うと、この3つのうちどれも持っていない状態で同じことをやっても、たぶん同じ結果にはなりません。
真似ではなく、最初の一歩に
真似はおすすめしません。真似すべきなのは僕のやり方ではなく、「自分がすでに持っている3つは何か」を棚卸しする作業のほうです。
ただ、ここまで偉そうに条件を並べておいて何ですが、あの3つは全部、あとから振り返って言語化できたことでしかありません。始める前の僕にあったのは、根拠のない確信だけでした。
実際、今提供しているサービスは、最初に思い描いていた形とは全然違うものになっています。やっていくうちに、こうしたほうがいい、これは要らない、というのが山ほど見えてきたからです。
つまり、始める前に完璧な勝ち筋を用意する必要はありません。用意したつもりでも、どうせ変わります。
この記事を読んで一番やってほしいのは、真似することではなく、「やってみよう」と思って実際に手を動かすことです。
そして今、第二弾をつくっています
正直に言うと、7月の30万円は、まだ通過点ですらないと思っています。
ひとつのサービスだけに依存している状態は、単純に怖い。市場のサイズにも上限があります。だから今、第二弾のプロダクトの開発を進めています。
こちらはまだ何も公開していません。うまくいくかどうかも分かりません。というより、ここまで書いておいて何ですが、普通に失敗する可能性のほうが高いと思っています。
この連載でやりたいこと
これがnote連載の1本目です。ここから、個人開発の過程をそのまま書いていきます。
書くのはこういうことです。
第二弾のプロダクトを、企画から出すまでの全工程
ボツにしたアイデアと、その理由
かかったお金と、返ってきたお金
広告を回して、実際にどうだったか
うまくいかなかったこと(たぶんこれが一番多くなります)
成功談を後出しで整理した記事は、世の中にもう十分あります。あれが役に立たないのは、書いている本人が結果を知った状態で過去を編集しているからです。
なので、結果が出る前に書きます。失敗したら失敗したと書きます。そのほうが、少なくとも僕がこれまで買ってきた商材よりは価値があると思っています。
もし、冒頭で「危ない」と言われて少しムッとした人がいたら、たぶんあなたとは気が合います。次回もよかったら読んでください。
Natsu | SaaS個人開発er
