帰り道で感じていた『何かを置いてきた』という思い
おはようございます。
御高BROOKS3年生です。
夏の大会では、
たくさんの温かい応援を
ありがとうございました。
最後の大会を終え、
球場を後にしました。
帰りのバスは、
いつもなら聞こえる笑い声も、
その日はありませんでした。
窓の外を流れる景色だけが、
ゆっくりと前へ進んでいました。
ふと、
何かを置いてきたような気がしました。
そのとき、
不思議と
入学したばかりの頃のことが頭に浮かび、
記憶は三年前の春へ戻っていきました。
入学した頃の自分は、
誰かの後ろを歩くことが多かったように思います。
自分の足音よりも、
前を歩く先輩の足音を追いかけていました。
前に立つよりも、
後ろから支える方が自分には合っている。
そんなふうに思いながら、
練習についていくことに必死で、
一日が終わる頃には、
ただ疲れたという気持ちだけが
残っていました。
それでも、
不思議と
「また明日も頑張ろう」
と思えました。
今思えば、
あの日常こそが、
かけがえのない時間だったのだと思います。
夏になり、
照り返しで熱くなった土、
ユニフォームに染み込む汗、
水筒を空にしながら迎える夕方。
苦しいはずなのに、
その毎日がいつしか当たり前になっていました。
悔しい負けを経験した翌日も、
何も変わらず練習は始まりました。
「また明日」
その何気ない一言を交わしながら、
一日一日を積み重ねていきました。
冬になると、
白い息を吐きながらノックを受け、
かじかんだ手で
何度もボールを追いました。
それでも、
隣には同じように
白い息を吐いている仲間がいました。
苦しい練習も、
一人ではなかったから
乗り越えられたのだと思います。
気付けば、
自分の後ろから
誰かの足音が聞こえるようになっていました。
あの頃、
自分が追いかけていた足音を、
今度は誰かが追いかけてくれていました。
そのことに気付いたとき、
三年間はちゃんと前へ進んでいたのだと思いました。
それは、
前に立つことだけが成長ではありませんでした。
誰かを支え、
誰かの背中になれることも、
この三年間で教えてもらった大切なことでした。
そして迎えた最後の夏。
試合終了の瞬間は、
思っていたよりも静かでした。
その静けさの中には悔しさもありました。
しかし、
それ以上に、
最後まで仲間と野球ができたことへの感謝と、
やり切ったという気持ちがありました。
バスが小さく揺れると、
窓の外には、
西日に照らされた
見慣れた景色が流れていました。
富士山はいつもと変わらずそこにあって、
「帰ってきたな」
と思いました。
帰り道で感じていた
『何かを置いてきた』
という思いは、
ずっと心の中に残っていました。
でも、
その意味がようやく分かりました。
あのグラウンドに置いてきたのは、
グローブでも、
スパイクでもありません。
三年間で流した汗や、
悔しくて流した涙、
仲間と笑い合った時間、
最後まで白球を追い続けた日々も、
そのすべてを積み重ねた、
かけがえのない三年間でした。
高校野球は、
試合が終わった瞬間になくなるものではありません。
先輩の背中を追いかけた日も、
仲間と励まし合った日も、
「また明日」
と交わした何気ない一言も、
これから先も
自分の中で生き続けるのだと思います。
最後になりますが、
ここまで野球を続けることができたのは、
監督、
コーチ、
先生方、
保護者の皆さん、
OB・OGの皆さん、
地域の皆さん、
そしていつも応援してくださった
すべての方々のおかげです。
皆さんが支えてくださったからこそ、
最後までグラウンドに立ち続けることができました。
支えてくださることは、
決して当たり前ではありません。
その感謝を忘れず、
この三年間で学んだことを胸に、
それぞれの新しい道でも
前を向いて歩んでいきたいと思います。
三年間、
本当にありがとうございました。
これからも
御高BROOKSの応援を
よろしくお願いします。
