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保留する胆力
隣の席の同僚から声を掛けられた。
「はじめさん、お邪魔します」
普段ほとんど直接的なコミュニケーションのなかった
隣の同僚から、声を掛けられた。
思いの外、自分でも普通に、明るい声で、
「はい、なんでしょう?」
と応答できて驚く。
話を聞くと、何でも、
私の業務に役立ちそうなセミナーの案内が届いたので、
良かったら、
ということだった。
以前、合唱の先輩に、
「あなたは少し、保留する習慣を持ってもいいかも」
と言われたことを思い出した。
自分の
知っている範囲で、
理解できる範囲で、
わかっている範囲だけで、
物事をこうだと決めて進んでいく私を見て
諌めてくれたのだと、今ならわかる。
だから、自分のプロトコルではない人の方法を
自分とは異なるというだけで、
一線を引くことはしないで良かったと、
しみじみ感じた。
セミナーには時間を作ってでも参加することにした。
